理学療法士・作業療法士の海外留学ガイド|PT・OTが海外で働く方法と医療英語

今実紅
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公開日:
理学療法士のリハビリ室
海仲由美
この記事の監修者
HLCA代表 / 校長 / 正看護師
正看護師として日本で4年半の臨床経験。2013年フィリピン・セブ島で英語留学。2015年4月に医療従事者向け医療英語スクールHLCAを設立。医療従事者の英語学習・海外キャリア・医療通訳を支援。「女性のためのフィリピン留学協会」理事、国際看護学非常勤講師。

日本のPT・OT・ST有資格者は約30万人。
そのうち英語を仕事で使えるレベルの臨床経験者は推定5%以下と言われています。
一方、スポーツ医療・国際大会対応・海外大学院・国際クリニックでのリハビリ需要は年々拡大しており、「英語ができるPT・OT」は希少価値が高いポジションです。
本記事では、
PT・OTが医療英語を学ぶ実務場面、HLCA×TARGETのPT・OT向けカリキュラム、現場フレーズ、海外でPT・OTとして働くための資格要件の考え方、国内でも活きるキャリア活用までを整理しました。

この記事のもくじ

PTに医療英語が役立つ4つの場面

理学療法のリハビリ器具

理学療法士が現場で英語を使う場面は意外と多くあります。「リハビリ職に英語は関係ない」というイメージとは裏腹に、職域は確実に広がっています。

外国人患者のリハビリ指導

整形外科クリニック・回復期リハビリ病棟・訪問リハビリの現場で、外国人患者の評価・治療・自宅プログラム指導をすべて英語で行う場面が増えています。
痛みの評価(VAS)、ROM測定、徒手筋力検査(MMT)、退院後の運動指示など、PT特有の英語表現が必要です。

スポーツ分野・国際大会帯同

スポーツチーム所属PT、トレーナー、国際大会帯同のメディカルスタッフは、外国人選手・コーチとの英語コミュニケーションが日常業務です。
アスリートの評価・テーピング指示・リハビリ計画の説明など、専門用語+瞬発的な会話力が求められます。

海外臨床留学・大学院進学

米国DPT(Doctor of Physical Therapy)、
英国MSc Physiotherapy、豪州Master of Physiotherapy Studyなど、海外のPT大学院・臨床留学プログラムは英語が必須。
日本のPT資格を持ったまま海外で学位を取り、海外PTライセンスへ進む人も増えています。

論文・国際学会

リハビリ領域の主要論文は英語が中心。
JOSPT、
Physical Therapy、Physiotherapy Researchなどのジャーナル投稿、国際学会(APTA、WCPT)での発表には英語論文執筆スキルが必要です。
臨床研究のレベルアップにも直結します。

PT現場で使う英語フレーズ20選

外国人患者のリハビリ指導で使う英語フレーズを4場面で整理。すべてHLCAのPT特化マンツーマンレッスンで実践練習できます。

評価時のフレーズ(疼痛評価VAS等)

  • On a scale of 0 to 10, where 0 is no pain and 10 is the worst pain you can imagine, how would you rate your pain?(0が無痛、10が想像できる最悪の痛みだとすると、今の痛みはどのくらいですか?)
  • Can you describe the pain? Is it sharp, dull, or throbbing?(痛みを表現してください。鋭い/鈍い/ズキズキしますか?)
  • Does the pain radiate anywhere else?(痛みは他の場所に広がりますか?)
  • What makes the pain worse or better?(どんな動きで痛みが悪化/緩和しますか?)
  • How long have you had this pain?(いつから痛みがありますか?)

治療指示のフレーズ(運動・ストレッチ)

  • Slowly raise your arm above your head. Try to keep your elbow straight.(腕をゆっくり頭の上まで上げてください。肘はまっすぐに保ちましょう)
  • Hold this position for 10 seconds, then relax.(この姿勢を10秒キープして、その後リラックスしてください)
  • Push against my hand with your foot, as hard as you can.(私の手に向かって足を全力で押してください)
  • Bend your knee to 90 degrees. Let me know if it hurts.(膝を90度に曲げてください。痛かったら教えてください)
  • Take a deep breath in, then exhale slowly as you stretch.(深く吸って、ストレッチしながらゆっくり吐いてください)

患者教育のフレーズ(自宅プログラム)

  • I’d like you to do these exercises three times a day at home.(このエクササイズを自宅で1日3回行ってください)
  • If you feel any sharp pain, stop immediately and contact us.(鋭い痛みを感じたらすぐに中止して連絡してください)
  • Apply ice for 15 minutes after the exercises.(運動後に15分アイシングしてください)
  • Keep your back straight when you lift anything heavy.(重い物を持ち上げるときは背中をまっすぐに保ってください)
  • It’s important to do this every day, even on weekends.(週末も含めて毎日続けることが大切です)

家族説明のフレーズ

  • Could you help your father with these exercises after meals?(食後にお父様のエクササイズを手伝っていただけますか?)
  • Please supervise her transfers from bed to wheelchair for the first week.(最初の1週間はベッドから車椅子への移乗を見守ってください)
  • Remove any rugs or cords from the walking path at home.(自宅の歩行経路にあるラグやコードは取り除いてください)
  • If you notice any swelling or unusual pain, please call us.(腫れや異常な痛みに気づいたらご連絡ください)
  • Encourage her to do the exercises, but don’t force her.(運動を励ましてください。ただし無理強いはしないでください)

HLCA×TARGETのPT向けカリキュラム例

HLCAではPT受講生向けに、領域別のマンツーマンカリキュラムを提供しています。一般英語の基礎力に応じて、医療英語の比重を柔軟に調整できます。

リハビリ基礎用語の英語表現

ROM(関節可動域)、
MMT(徒手筋力検査)、ADL(日常生活動作)、PROM/AROM、proprioception(固有感覚)など、PT現場で日常的に使う英語専門用語を体系的に学びます。

スポーツ医学領域

ACL injury、rotator cuff、stress fracture、return-to-play criteria などスポーツ医学領域の専門用語と、
アスリート対応特有の表現を扱います。
国際大会帯同やスポーツチーム所属を目指す方向け。

OET(Occupational English Test。医療従事者向け英語試験)リファラルレター対策

OET PhysiotherapyのWriting・Reading・Listening・Speakingを4技能バランスよく対策。海外PT資格を目指す方向けの専門コースです。

症例報告の英語化

国際学会での発表・英語論文の投稿を視野に、症例報告の英語化スキルを磨きます。Background・Methods・Results・Discussionの基本構成から指導します。

作業療法士(OT)が医療英語を学ぶ場面とHLCAでの学び方

作業療法士(OT)もPTと同様、外国人患者へのADL(日常生活動作)評価・作業活動を通じたリハビリ指導・home programの説明など、英語を使う場面が広がっています。HLCAではOT受講生に向けても、PTと共通する医療英語の基礎に加え、OT特有の評価法や作業療法プログラムに沿ったマンツーマンレッスンを提供しています。

OTが英語を使う主な場面

外国人患者の作業療法評価(ADL評価・上肢機能評価)、自助具・環境調整の説明、精神科作業療法での患者とのコミュニケーション、海外の作業療法学会・論文でのキャッチアップなど、OTの現場でも英語ニーズは多岐にわたります。
実際に、HLCA受講生の作業療法士・大野さんの体験談では、テキストをKindleに取り込んで移動中のスキマ時間で予習する、毎週のレッスンを3ヶ月先まで予約しておくといった、忙しい臨床の合間での学習ルーティンが紹介されています。

OT向け医療英語カリキュラムの考え方

HLCAではOT受講生に対して、ADLやIADL(手段的日常生活動作)に関する英語表現、自助具・福祉用具の名称、患者・家族への作業療法プログラム説明フレーズなどを軸に、一般英語の基礎力に応じてカリキュラムを個別調整しています。
PTと共通するリハビリ基礎用語(ROM・MMTなど)を土台にしながら、OT特有の評価スケールや作業活動の語彙を追加していく形が中心です。

OTの留学・キャリア体験談

OTとして医療英語留学を経験したまりさんの体験談では、セブ留学での医療英語習得プロセスと、その後のキャリア展開が具体的に語られています。海外資格取得を目指す場合も、まずは臨床で使える医療英語の土台作りから始めるケースが多いことが分かります。

海外でPT・OTとして働くための資格要件の考え方

海外でPTとして働くには、その国の試験・登録・英語要件をクリアする必要があります。主要4ヶ国の要件を整理します。

OTの海外就労も基本的な枠組みはPTと同様に、各国の作業療法士登録機関による資格審査と英語力の証明が必要になります。求められる英語試験は国・登録機関により異なり、IELTS・OET・TOEFL等の指定がある場合があります。ただし国・免許制度によって必要書類や審査期間の詳細は異なるため、具体的な要件は各国の登録機関で最新情報を確認することをおすすめします(要確認)。

米国(NPTE・DPT)

NPTE(National Physical Therapy Examination)合格と各州ライセンスが必須。
多くの州ではDPT(Doctor of Physical Therapy)学位を要求するため、日本の学位からの credential evaluation も必要。
英語要件はTOEFL iBT 89以上が一般的。

オーストラリア(APRA・OET)

Australian Physiotherapy Council(APC)の評価試験を経て、
AHPRA(Australian Health Practitioner Regulation Agency)登録。
英語要件はOET Physiotherapy B以上、またはIELTS Academic 7.0以上。
OETがPT臨床に近い試験として推奨。

カナダ(PCE)

Canadian Alliance of Physiotherapy Regulators(CAPR)のCredentialing→PCE(Physiotherapy Competency Examination)→各州ライセンスの順。
州により細かな要件が異なります。
英語要件はIELTS Academic 7.0 or TOEFL iBT 88。

イギリス(HCPC)

Health and Care Professions Council(HCPC)への海外資格者登録。
International applicantsプロセスを経て、要件確認後にregistration。
英語要件はIELTS Academic 7.0またはOET Physiotherapy B。

PT・OT留学経験者のリアル|HLCAの体験談

HLCAにはPT・OT領域の留学経験者の体験談が複数あります。本記事で紹介した学習の進め方を、実際のキャリア検討の実例として確認できます。

作業療法士・大野さんの体験談

作業療法士・大野さんの体験談では、
テキストをKindleに取り込んで移動中のスキマ時間で予習、毎週のレッスンを3ヶ月先まで予約しておく、という具体的な学習ルーティンが紹介されています。
OTでも基本的な医療英語の学び方はPTと共通です。

まりさんの作業療法士OT体験談

まりさんのOT留学体験談は、女性OTがセブ留学で得た医療英語スキルと、その後のキャリア展開を綴った長編インタビュー。PT・OT共通のリハビリ職向け学習プロセスの参考になります。

国内PTでも医療英語が活きる4つの場面

「海外で働く予定はないけど英語は学んでおきたい」というPTにも、国内キャリアで英語が活きる場面は確実にあります。海外留学だけが医療英語学習のゴールではありません。

スポーツチーム・国際大会対応PT

サッカー・ラグビー・バスケットボールなどプロスポーツチーム所属PTや、
ワールドカップ・オリンピックの帯同メディカルスタッフは、外国人選手・コーチとの英語コミュニケーションが日常業務です。
「英語ができるPT」は希少価値が高いポジション。

外国人居住者向けクリニック・整形外科

東京・横浜・大阪・京都など外国人居住者の多い都市部の整形外科・スポーツクリニックでは、英語対応PTの求人が増えています。観光地のクリニックでも同様。

大学院進学・論文執筆

国内のPT大学院(修士・博士)進学後、英語論文の読解と執筆は必須スキル。研究者キャリアを目指すなら早めの英語強化が有利です。

国際リハビリ学会への参加と発表

APTA、WCPTなど国際リハビリ学会への参加・口頭発表・ポスター発表は、PTのキャリア後半における重要な実績作りになります。

よくある質問

Q1. 理学療法士が医療英語を学ぶメリットは?

スポーツ医療領域での差別化、
海外留学・海外PTライセンスへの挑戦、外国人患者対応の整形クリニックでの採用優遇、論文執筆・国際学会発表のスキル獲得など、キャリアの選択肢が広がります。

Q2. PTが海外で働ける国はどこ?

主要なルートは米国(NPTE)、オーストラリア(APC+AHPRA)、カナダ(PCE)、英国(HCPC)の4ヶ国。
各国とも英語試験(OET PhysiotherapyまたはIELTS Academic 7.0以上)が必須で、登録手続きには1〜3年かかります。

Q3. NPTE(米国PT試験)の難易度は?

200問のマルチプルチョイス試験で、合格率は外国教育者の場合50〜60%。
臨床知識+英語読解力の両方が必要です。
日本のPT教育で習った内容に加え、米国独自のevidence-based practiceの考え方を学ぶ必要があります。

Q4. PT留学に必要な期間は?

HLCAの場合、医療英語ベースを作るのに最低3ヶ月の集中学習が推奨。OET合格レベルまでなら6ヶ月〜1年。米国DPTなど学位取得を目指すなら3年以上の留学が一般的です。

Q5. 国内で英語を活かしたPTキャリアは?

スポーツチーム所属、国際大会帯同、外国人居住者向けクリニック勤務、大学院進学、海外論文の翻訳・執筆、医療通訳など、海外に出なくても英語が活きる選択肢は多数あります。

Q6. 作業療法士(OT)も医療英語を学ぶ意味はある?

外国人患者のADL評価・作業療法プログラムの説明、精神科領域でのコミュニケーション、海外の作業療法学会・論文へのアクセスなど、OTでも医療英語が活きる場面は増えています。HLCAではOT受講生向けにも、臨床現場に即したマンツーマンカリキュラムを提供しています。

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この記事を書いた人
今実紅

看護師免許を保有。企業勤務・産業保健領域での経験を経て、医療英語スクールHLCAに参画。 現在は、受講を検討する医師・看護師・薬剤師など医療従事者へのカウンセリングを担当しながら、医療英語メディアの記事制作・SEOコンテンツ改善に携わる。 海外在住経験を通じて実践的な英語力を身につけ、TOEIC860点を取得。 メンタルヘルス、ウィメンズヘルスなど、医療専門性と生活者視点の両方が求められるテーマでの執筆経験を持つ。 看護師としての医療知識、医療英語学習者へのカウンセリング経験、SEO記事制作の知見を活かし、現場で安全に使える医療英語表現をわかりやすく発信している。