オーストラリアでアシスタントナースとして働いたMinakoさんの体験談

HLCA編集部
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高齢者施設で入居者さんに寄り添う看護師をイメージした写真。入居者さんの手を両手で包む看護師の手元
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海外で看護師として働いてみたい気持ちはあっても、英語に自信が持てず、最初の一歩を踏み出せない方は多いはずです。

これまで英語の勉強が続かなかった経験があると、現地でやっていけるのか、なおさら不安になります。

今回は、日本で看護師として5〜6年働いたあと、オーストラリアでアシスタントナース(AIN)として働いたMinakoさんの体験談をお届けします。

英語が聞き取れず困った場面から、利用者のご家族に仕事ぶりを褒められた日まで、Minakoさん自身の言葉で振り返ってもらいました。

このメディアを運営するHLCAでは、看護師をはじめとする医療従事者向けに、オンラインで医療英語レッスンを提供しています。

【この記事でわかること】
  • 日本で看護師を5〜6年続けたMinakoさんが、AINの資格を得て現地で働き始めるまでの流れ
  • 派遣型のシフトの取り方や時給の目安(本人の記憶による)、老人施設と在宅訪問それぞれの仕事内容
  • 移民の多い地域で英語が聞き取れず困った場面と、利用者のご家族に仕事ぶりを褒められた日
  • ニュースで話題の高収入との違いと、家賃・アルバイト・貯金など渡航後のお金まわりの実情
  • 三日坊主だったMinakoさんが、HLCAで医療英語を学んで実感した変化と、もっとやっておけばよかったこと

Minakoさんの経歴|看護師からオーストラリアのアシスタントナースへ

子どもの頃から英語が好きで、本当は英文科に進みたかったそうです。

海外で働くことを考え始めたのは、その気持ちをふと思い出したときでした。

「そういえば英語が好きでいつか海外行きたいと思ってたんだって思って行くことになった」

ただ、本人の話では、渡航の予定はコロナ禍で1年ほど延びたそうです。

渡航から帰国までの流れは、次の表のとおりです。

渡航からAINとして働くまで、そして帰国までの流れ(時期は本人の記憶による目安)
時期 できごと
渡航前 日本でZoom授業を受け、現地の語学学校の授業時間を短縮
渡航後の約1か月 語学学校に通学
続く約2か月 AIN資格のための看護学校に通学(語学学校と合わせて約3か月)
2022年8月 派遣会社の面接(本人によれば、実際はトレーニングが中心)
2022年9月ごろ AINとして初出勤。1年目は老人施設が中心
1年目の終わり コロナ禍の特例で出た、当時は無料のビザにより、滞在を1年延長(このビザは2024年2月に受付終了)
2年目 派遣会社が始めた在宅訪問(ホームケア)の仕事に移る
2024年2月 最終出勤し、日本へ帰国

渡航前の英語学習は三日坊主|独学も英会話教室も続かなかった

英語が好きでも、勉強を続けることは別の話だったとMinakoさんは振り返ります。

「私、結構三日坊主タイプだったんで」

渡航前の学習は、次のような経過をたどりました。

  • 看護学校の頃:自己学習を始めたが、実習が重なり途中でやめた
  • 看護師1年目:大手の英会話教室に入会したが、通えたのは数回だけ
  • 数年後:対面の英会話教室に約1年通ったが、コロナ禍で閉鎖
  • その後:エージェントが始めたZoom授業に切り替えた

時間の確保と続けることが、いちばんの壁だったようです。

ワーキングホリデー(ワーホリ)に出る前のTOEICのスコアを、Minakoさんはこう話します。

「ワーホリ前に受けたTOEICの点数が私440点とかだった」

海外就職に向けた準備のスケジュールは、こちらの記事で国別に解説しています。

語学学校と看護学校に約3か月通い、AIN資格を取るまで

Minakoさんは、エージェントのプログラムを使って渡航しました。

費用は、本人の記憶では約150万円で、手続きの代行や学校代、事前レクチャーを含んでいたそうです。

Minakoさんの説明では、アシスタントナースとして働くには、専用の看護学校を修了して資格(サーティフィケート)を得る必要がありました。

看護学校の1週間は、次のような流れでした。

  • 月〜木曜:実習(朝がとても早い日もあった)
  • 金・土曜:Zoomで授業(すべて英語)
  • 日曜:休み

授業が速くて書き切れないときは、Zoomのコメントで頼んで戻ってもらっていました。

「Zoomのは早かったですけど全然書き切れてないのに次行っちゃったとかでもそこはZoomのコメントでちょっと待ってとか戻ってとかって言うと戻ってくれました」

Minakoさんが利用したプログラムでは、看護学校を修了したあとに、語学学校の日本人の校長とのスピーキングテストがありました。

「そのスピーキングテストに合格しないと派遣会社の紹介をあっせんしてくんないシステム」

内容は医療英語ではなく、実習の感想や日本との違いを聞かれる日常会話レベルだったそうです。

「実習どうだったとかオーストラリア来て今何日目とかなんか日本との違いは何だったとか」

それでもMinakoさんは、合格するために自分で勉強したといいます。

「結局試験には合格しないとっていうので結構勉強しました」

看護師の留学先や費用、必要な英語力の目安は、こちらの記事で解説しています。

AINの仕事内容とシフト|老人施設から在宅訪問へ

派遣会社の面接はほぼなく、入職時はリフター(移乗用の機器)の使い方などのトレーニングでした。

「なんかそのすごい身構えてた割には、そうではなくゆるかった」

本人は、コロナ禍で人手が足りない時期だったことも関係したかもしれないと話します。

Minakoさんの仕事の中心は日常生活の援助で、日本でいう看護助手に近い内容だったそうです。

注射などの医療行為は、基本的に行わなかったそうです。

  • 老人施設(1年目):日常生活の介助
  • 在宅訪問(2年目):シャワーや食事の介助

Minakoさんの派遣会社では、シフトは月ごとの表ではなく、届いた募集メッセージに返信して確定していました。

「その日の仕事をその日の前日とか前々日とかまた当日とかにゲットするみたいな感じ」

初めは週3〜4日ほど働いていたそうです。

時給は、時間帯によって次のように変わりました。

時間帯ごとの時給の目安(2022〜2024年当時の本人の記憶・単位は豪ドル)
時間帯 勤務時間 時給の目安
モーニング 朝6時〜15時 25〜30ドルほど
アフタヌーン 15時〜21時 モーニングに2〜3ドルほど上乗せ
ナイト 21時〜翌朝6時 さらに2〜3ドルほど上乗せ

日曜や祝日に入ると給料がよかった一方、祝日の仕事は取るのが難しかったそうです。

英語で困った場面|アクセントと名前が聞き取れない

働くためにどれくらいの英語力が必要だったかを聞くと、Minakoさんはこう答えました。

「ぶっちゃけでもネイティブ並みに喋れなきゃいけないかって言われたら別にそうじゃなかった」

それでも、現場で困る場面はありました。

「困ったのはやっぱり国が広い分いろんな人が移民で成り立ってるじゃないですか」

シドニーで働いたMinakoさんは、地域によって住んでいる人の出身が大きく違うと感じていました。

「すごいアクセントとか名前が強すぎて分かんないとかはしょっちゅうありました」

きれいな英語なら理解できても、強いアクセントや聞き慣れない名前になると聞き取れなかったそうです。

在宅訪問で利用者のご家族にケアの丁寧さを褒められた日

2年目に在宅訪問へ移ったMinakoさんは、初めて伺ったご自宅で、ご家族にケアの手順を教わりながら対応しました。

その様子を見たご家族から、思いがけない言葉をかけられます。

「お母さんがなんかすごい褒めてくれたんですよねやっぱ日本人ねみたいな」

誰と比べて違うのかまでは言われなかったそうですが、Minakoさんは違いとして次の点を挙げています。

「人に触れるときの触れ方とか仕事の丁寧さとか」

家事の手伝いで通っていた別のお宅でも、「パーフェクトよ」と言われたそうです。

この出来事のあと、Minakoさんはこう感じました。

「日本でやってきたことが今生きてたなとか日本で頑張ってきてよかったなっていうのはすごい思いました」

ワーホリで月60〜70万という話は本当?Minakoさんが語る収入の実際

インタビューでは、ワーホリで日本円にして月60〜70万ほど稼げるというニュースが話題になりました。

実際のところを聞くと、Minakoさんの答えははっきりしていました。

「ならないです」

ニュースに出た方に働き方を聞いたところ、シフトを連日つなげていたそうです。

「朝6時から21時までぶっ続けて働けるっていうパターンもあるんでそれを本当に毎日のようにやってあれぐらいって言ってました」

しかも、その金額は税金が引かれる前のものだったそうです。

Minakoさんは、お金について次のように考えています。

「お金が欲しかったらスキルを身につけるか時間で長時間働くしかない」

気になる数字を見かけたら、その金額を得た働き方と、税引前かどうかまで確かめたいところです。

渡航後の暮らし|大変だった家探し・アルバイトと、渡航資金の実際

Minakoさんが特に大変だったと話すのは、家探しとアルバイト探しです。

エージェントが住まいを紹介してくれたのは、渡航後の1か月ほどだけでした。

その後の部屋探しは、契約も含めてすべて自分で行ったそうです。

本人の記憶では、最初に住んだのは5畳ほどの個室で、家賃は週200豪ドル(電気代は別)でした。

ところが家主から家賃の値上げを告げられ、引っ越しを決めます。

「私は値上げするんだったらもう出てくるって言って」

新しい部屋は個室のシェアハウスで、本人の記憶では光熱費やネット代込みの週190豪ドルでした。

「そこから引っ越さずずっとそこに住んでました」

収入面では、派遣の仕事がどれだけ入るか分からず、飲食店のアルバイトも続けました。

「収入がゼロになったらやっぱ困るから」

アルバイトの時給は20豪ドル台から始まり、仕事を覚えるにつれて上がっていったそうです。

ただし、今はアルバイト先を選べるほど求人があるとは限らないとも話します。

「多分今選べるほど求人はないと思った方がいいです」

渡航資金は、エージェント費用とは別に約50万円を持参し、本人の記憶では足りたといいます。

お酒や外食にあまりお金を使わなかったことも、足りた理由だそうです。

医療英語をHLCAで学んで役立ったこと・もっとやっておけばよかったこと

MinakoさんがHLCAでの受講を始めたのは、本人によると渡航後のことです。

当時は、現地で正看護師(RN)を目指す道や永住権も視野にありました。

そのため、医療英語をインプットとアウトプットの両方で学びたいと考えたそうです。

もう一つの理由は、自己学習が苦手だという自覚でした。

「強制的に勉強する環境に身を置かないと私は勉強できないタイプなんで」

お金を払っている分、元を取らなければと強く思うそうです。

現地で役立った場面として、Minakoさんは血圧などの数値の報告を挙げています。

「やっぱり血圧の数値とか報告するときに報告の仕方を知ってたりとか」

独学では、発音や使い方の面で限界も感じていました。

「自己学習はやっぱちょっと無理がある発音とか使い方とかもそういうときにはやっぱりHLCAがあってよかったなって思います」

一方で、もっとやっておけばよかったと振り返るのが、単語力です。

「HLCAの授業で習った単語をマスターするぞっていう気でもっとやっとけばよかったなっていうのは思います」

理由は、働く中で、言いたいことがあっても単語が出てこない場面があったからです。

「言いたいことはあるのに語彙が英語に変換できない」

一方で、文章にできなくても、単語を並べるだけで通じたとも話しています。

「文章にできなかったとしても単語羅列でも通じたなと思って」

インタビューの時点では、渡航後のTOEICをまだ受けていなかったため、点数での比較はできていません。

体感としての変化について、Minakoさんは次のように話しています。

「言ってることが分かるようになってきた」

「やっぱ喋ることに抵抗がない」

帰国後は日本で看護を続けながら、外国人の患者さんと日本人の橋渡しになることを目標にしていると、インタビューで話していました。

「日本人と外国人の患者さんの橋渡しになれるようになりたい」

これからAINを目指す人へ|Minakoさんからのアドバイス

Minakoさんの話から、渡航前の心がまえを4つにまとめました。

  • お金:病気やけがに備えて、病院代を払える貯金を持つ
  • 自己学習:文法より先に、単語を増やす
  • 目標設定:現地で何がしたいかを決めておく
  • 働く姿勢:現地が緩くても、真面目に働く

貯金については、SNSの投稿を鵜呑みにしないよう呼びかけています。

「貯金ゼロとか投稿してる人いますけどあれは本当に真に受けない方がいい」

現地での働き方については、次のように話しています。

「オーストラリアが緩いとか時間にルーズだから自分もじゃあ時間にルーズになっていいわけじゃない」

Minakoさんの周りには、AINを目指して渡航しても、カフェで働くなど別の道を選ぶ人も多かったそうです。

「AINに行った子でもAINやってない子もいっぱいいたんですよ」

行ってから思っていたのと違うと感じる人もいたそうなので、現地で何がしたいかを渡航前に考えておくと迷いにくくなりそうです。

国際看護師というキャリアの選択肢は、こちらの記事で4つに整理しています。

まとめ|海外で働く英語の不安は、無料カウンセリングで相談しよう

Minakoさんは、2022年9月ごろから2024年2月まで、オーストラリアでアシスタントナースとして働き、HLCAでは医療英語を学びました。

英語が聞き取れず困った日も、ご家族に仕事ぶりを褒められた日もあり、その経験が帰国後の次の挑戦につながっています。

帰国後はJICAの看護師の選考に合格し、再び海外で働く予定です。

自己学習が苦手だと自覚し、学ぶ環境のほうを自分で選んだ点が、Minakoさんの体験で特に印象的でした。

単語は独学でも覚えられますが、発音や、現場で通じる言い方になっているかは、一人では判断しにくいものです。

HLCAの公式サイトによると、受講生の約7割は英語初心者からのスタートです。

HLCAでは、医療系のバックグラウンドを持つ講師と、マンツーマンの医療英語レッスンを受けられます。

海外で働きたいけれど英語が続くか不安という方は、無料カウンセリングで現在の英語力や目標を相談できます。

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日本の看護師免許で働ける国と、免許書き換えの実情は、こちらの記事で解説しています。

HLCAを受講した方の声は、こちらの記事でまとめています。

※本記事はMinakoさんへのインタビューをもとに編集しています。金額や時期は2022〜2024年当時の本人の記憶にもとづく目安です。制度、ビザ、資格の要件、賃金は変更される可能性があるため、渡航や申請の前には、オーストラリア政府や雇用先などの公式情報をご確認ください。

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この記事を書いた人
HLCA編集部

医療英語スクールHLCAの編集チーム。 医師・看護師・薬剤師・受付スタッフなど、医療従事者向けの医療英語学習を支援するメディアとして、現場で使える医療英単語・フレーズ・ロールプレイを発信しています。 記事制作では、医療現場でのコミュニケーション、患者対応、多職種連携の観点を重視し、医療英語を初めて学ぶ方にも分かりやすい内容を心がけています。