国際看護師に向いているのはどんな人?4つの選択肢から自分に合うキャリアを見つける方法

HLCA編集部
更新日:
公開日:
海仲由美
この記事の監修者
HLCA代表 / 校長 / 正看護師
正看護師として日本で4年半の臨床経験。2013年フィリピン・セブ島で英語留学。2015年4月に医療従事者向け医療英語スクールHLCAを設立。医療従事者の英語学習・海外キャリア・医療通訳を支援。「女性のためのフィリピン留学協会」理事、国際看護学非常勤講師。

はじめに:なぜ今、国際看護師なのか

「このまま日本で看護師を続けていくのが正直しんどい」──そんな思いを抱えているあなたへ。過酷な労働環境、長時間勤務、人手不足、そして精神的・身体的な疲労……。

ふと「海外で環境を変えて看護師として働けたら」と検索し始めた方も多いはずです。

この記事では、そうした方々のために「国際看護師」という4つの選択肢のうち、どれが自分に向いているのかを判断するための軸を分かりやすく解説していきます。それぞれの具体的な手順や制度の詳細は、記事内でご紹介する専門記事もあわせてご参照ください。

あなたのキャリアに新しい風を吹き込む一歩となるよう、最後まで丁寧に解説していきます。

「国際看護師」は資格ではない|まず言葉の意味を整理

国際看護師として海外で働くイメージ

「国際看護師」とは、特定の国家資格ではなく、『海外で看護師資格や経験を活かして働く人』の総称です。つまり、看護師国家資格のような統一資格があるわけではありません。

国によっては日本の看護師資格を書き換えて使えるところもありますが、多くの国では現地の試験に合格する必要があります。また、看護師という名称でなくても、介護職や看護助手、教育者、医療通訳といった役割で海外医療に関わることもできます。

国際看護師として働く4つの選択肢

「国際看護師」と一口に言っても、実は目指し方は一つではありません。英語力・資格取得へのハードル・費用感・リスク許容度は選択肢ごとに大きく異なるため、まずは自分がどのタイプに向いているかを知ることが最初の一歩になります。以下では4つの選択肢を、向いている人の特徴という観点から見ていきます。

① 先進国で看護師として働く

向いている人の特徴

日本の看護師資格を活かして、海外の医療現場で正看護師として働く選択肢です。「今の看護師資格・臨床経験を無駄にしたくない」「現地で正看護師として腰を据えて働きたい」という方に向いています。一方で、国によっては日本の看護師資格を書き換えられる制度もあるものの、登録の要件・審査・試験(例:アメリカのNCLEX-RNなど)は国ごとに大きく異なり、資格取得・手続きにかかる時間や費用は他の選択肢と比べて大きくなりがちです。志望国の看護師登録機関の最新要件を必ず確認してください(各国の資格・試験の比較は看護師の海外就職 国別比較を参照)。国別の免許書き換えの流れなど具体的な国別要件は看護師の免許書き換えガイドで詳しく解説しています。

必要なもの

  • 日本での正看護師資格
  • 英語力(英語圏の正看護師登録ではIELTS Academic 各技能7.0前後が目安。必要スコア・認められる試験は国・登録機関により異なります)
  • 国家試験合格(国による)
  • 最終学歴(国によるが大卒が求められるところもある)

メリット・デメリット

メリット デメリット
給与水準が高い 資格取得・手続きが煩雑
正看護師として働ける 高度な英語力が必要
医療技術の最先端に触れられる 渡航までに時間と費用がかかる

② ワーホリで介護・看護助手として働く

向いている人の特徴

先ほどは、現地で正看護師免許を取る方法をお伝えしましたが「自分にはちょっと難しいな」と感じた方もいるのではないでしょうか?

そんな方におすすめなのが介護、看護助手として働くという選択肢です。

看護師としてではなく、アシスタントナース(介護助手)などとして働く選択肢です。ワーキングホリデー制度などを活用し、滞在中に現地の医療・介護施設で働きながら語学や文化を学ぶ道もあります。ただしワーホリは就労そのものを主目的とする制度ではなく、国や職種によって年齢・雇用条件・資格/登録要件が異なります。

特徴

  • 日本の看護師資格が不要なことも
  • オーストラリア、カナダなどで人気
  • 医療現場に慣れながら語学力を磨ける
  • 講座を受けたり就職活動は必要なものの、国家試験を受ける必要が無いこともある
  • 求められる英語のスコアが少し正看護師より低め

「日本で看護助手やヘルパーとして病院で働くのと同じような仕事を、海外でやるイメージ」です。直接注射や診察をするわけではなく、患者さんの着替えや食事をサポートしたりしますが、看護助手の内容も国によって異なり、日本では看護師しかできないような仕事ができる場合もあります

③ 途上国でボランティアとして携わる

国際看護師 活躍できる国 職場

向いている人の特徴

NGOやNPOが提供するプログラムに参加して、開発途上国で医療支援に携わるという方法です。貧困地域の保健指導や感染症対策、母子保健などに関わることが多いです。

代表的な団体でいうと、青年海外協力隊、ジャパンハートなどがあります。

特徴

  • 英語含め、経験が少なくても参加できるプログラムも
  • 給与は出ないことが多いが、学びは大きい
  • 国際貢献をしたい人には最適

④ 看護の経験を活かして教育・通訳の立場で働く

教育者としての道

海外の看護学生や現地医療機関のスタッフに向けて、日本の看護技術や知識を教える仕事です。日本での経験が評価され、資格よりもマネジメントスキルや看護師としての臨床年数が重視されることもあります。

現地の日系病院や、現地の教育機関、クリニックなどで募集があります。

医療通訳としての道

医療現場で、患者と医師の間をつなぐ通訳として働きます。専門的な医療用語を正確に理解し、双方にわかりやすく伝える能力が求められます。

たとえば途上国を中心に日本人が現地の病院を受診する際のサポートを行う医療コンシェルジュのような仕事もあります。

必要な英語力の目安

どの選択肢を選ぶにしても、「医療英語」は避けて通れません。本記事は「どの道を選ぶべきか」の判断軸に絞るため詳細は関連記事に委ねますが、目安として、英語圏の正看護師登録ではIELTS Academicで各技能7.0前後の水準を求められるケースが多く、ワーホリでの介護・看護助手やボランティアではより低めのスコアで参加できる場合もあります。必要スコアや認められる試験は国・登録機関・職種で異なるため、必ず公式情報を確認してください。一般英語と医療英語の両方を渡航前に底上げしておくと、選べる道が広がります。学ぶべき内容や具体的な学習法については国際看護師になるには?条件・資格・英語力・キャリアパスを解説で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

ステップに入る前の準備マインド

4つの選択肢のどれに向いているかが見えてきたら、次は「実際に何から始めるか」です。ここでは細かい手続きの手順ではなく、動き出す前に整理しておきたい考え方を紹介します。具体的な準備ステップ(語学スコアの取得、資格・ビザの確認、現地就職やボランティア先の情報収集など)は選んだ道によって大きく異なるため、先進国で正看護師を目指す場合の国別要件・免許書き換えの具体的な流れは看護師の免許書き換えガイドを、選択肢全体の詳しいなり方の手順は国際看護師になるには?条件・資格・英語力・キャリアパスを解説をご参照ください。

①自己分析:何を優先したいかを言語化する

  • 正看護師としての専門性を活かしたいか、まずは現地に慣れることを優先したいか
  • 給与水準を重視するか、国際貢献や経験を重視するか
  • 費用や準備期間にどこまでかけられるか

②情報収集:早めに始めるほど選択肢が広がる

  • 求人サイト、現地の人材紹介会社、NGO団体などを通じたリサーチ
  • 渡航前にオンライン面接を受けるケースも増えています

③英語学習の開始タイミング:早いほど選択肢が狭まらない

  • 一般英語:現地生活や職場での会話に必須
  • 医療英語:患者対応・医師の指示・記録対応
  • 国ごとに求められるスコアの目安(IELTS 7.0など)はばらつきがあるため、早めに情報を確認しておくと安心です。各国の具体的な英語力要件・年収・資格試験は看護師の海外就職 国別比較(おすすめ6カ国)で詳しく比較しています

よくある悩みと質問

Q. 英語がまったく話せないけど大丈夫?

A. 英語力ゼロの状態での渡航は現実的ではありません。

ただし、必要な英語力は目指す国・職種・現在の英語力によって大きく異なります。まずは日常英会話と医療英語の基礎を固めながら、希望ルートに必要な水準を確認しましょう。

Q. 30代後半だけど遅すぎる?

A. 遅すぎるとは限りません。ワーキングホリデーなど一部の制度には年齢条件がありますが、正看護師登録・就労ビザ・ボランティアでは見られる条件が異なります。途上国でのボランティアや教育・通訳の道では、むしろ社会人経験・医療現場のスキルが評価されるケースもあります。

Q. お金が心配…

A. 英語力を上げてから渡航することで、お金を節約できます。一般英語ができる状態で行けば、現地の語学学校の費用を浮かせることができたり、アシスタントナースの学校に通いながら一般のアルバイトをすることも可能です。

Q. 何から手を付ければいいかわかりません

A. あなたの希望や英語力、経歴に応じたプランニングが必要です。HLCAでは無料で学習相談のカウンセリングを行っています。

Q. 英語が苦手でも海外で働けますか?

A. 働くことは可能ですが、現地生活や職場での対応に支障をきたすため、渡航前に英語力の底上げは必須です。英語は正しいやり方で継続すれば着実に力を伸ばしていけます。ぜひ一度無料カウンセリングでご相談ください。

Q. 渡航までにどれくらい準備期間が必要ですか?

英語力や就労ビザの取得状況により異なりますが、1年~2年の準備期間を見ておくと安心です。

Q. 海外で働くメリットは何ですか?

渡航先や働き方によっては、収入、専門性、ワークライフバランス、異文化経験の面で新しい可能性が広がる場合があります。

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この記事を書いた人
HLCA編集部

医療英語スクールHLCAの編集チーム。 医師・看護師・薬剤師・受付スタッフなど、医療従事者向けの医療英語学習を支援するメディアとして、現場で使える医療英単語・フレーズ・ロールプレイを発信しています。 記事制作では、医療現場でのコミュニケーション、患者対応、多職種連携の観点を重視し、医療英語を初めて学ぶ方にも分かりやすい内容を心がけています。