血圧・体温・脈拍などのバイタルサイン測定は、毎日の看護で欠かせない業務です。外国人患者に対しては、各動作の前に「これから何をするか」を一言添えるだけで、安心感と協力の得やすさが大きく変わります。この記事は単語の暗記ではなく、①準備→②項目別の測定→③観察・記録・報告という業務の流れに沿って、バイタルサイン測定で使う英語をまとめました。
この記事のもくじ
①準備|測定前の声かけと体位を整える英語
いきなり腕を取らず、これから何をするか・どのくらいかかるかを先に伝えると、患者は落ち着いて協力できます。安静が必要な測定(血圧・脈拍)では、少し休んでもらってから測ると数値も安定します。
- I’m going to check your vital signs. It will only take a few minutes.(バイタルを測ります。数分で終わります。)
- Could you sit down and rest for a moment first?(まず座って、少し休んでいただけますか?)
- Could you roll up your sleeve, please?(袖をまくっていただけますか?)
- Please relax your arm and breathe normally.(腕の力を抜いて、いつもどおり呼吸してください。)
②実施|項目別の測定手順と声かけ
測定項目ごとに、動作の予告フレーズをセットで覚えると、流れが途切れません。痛みや不快感を伴う動作は、起こることを先に伝えます。
血圧(blood pressure)
- I’m going to take your blood pressure now.(今から血圧を測ります。)
- You may feel the cuff getting tight. It will loosen soon.(カフが締まる感じがしますが、すぐにゆるみます。)
体温(temperature)
- Let me take your temperature.(体温を測らせてください。)
- Please keep the thermometer under your arm until it beeps.(音が鳴るまで体温計を脇にはさんでいてください。)
脈拍・呼吸数(pulse / respiratory rate)
- I’m just going to feel your pulse.(脈を診させてください。)
- Please relax and breathe normally.(力を抜いて、いつもどおり呼吸してください。)
酸素飽和度(oxygen saturation / SpO2)
- I’ll put this clip on your finger to check your oxygen level.(指にこのクリップをつけて、酸素の値を測ります。)
- This shouldn’t hurt.(通常、痛みはありません。)
正常値の目安と、異常を早めに捉える視点
以下は成人の一般的な目安です。正常範囲は年齢・基礎疾患・施設の基準によって異なり、最終的な判断や対応は医師の指示・施設のプロトコルに従います。「いつもと違う」という変化に早く気づくことが、測定の本来の目的です。
- 血圧:成人の安静時で 120/80 mmHg 前後が一つの目安です。ただし評価は年齢・既往・測定条件・施設基準によって異なります。
- 体温:おおむね 36〜37℃ 前後。発熱(fever)の目安は測定部位や施設基準で異なり、日本の臨床現場では 37.5℃ 以上を目安とすることがありますが、英語圏では 38.0℃ 以上を fever の目安とする説明も一般的です。
- 脈拍(心拍数):安静時の成人でおおむね 60〜100 回/分。
- 呼吸数:安静時の成人でおおむね 12〜20 回/分。
- 酸素飽和度(SpO2):健常成人ではおおむね 95〜100% が目安です。ただし COPD などの基礎疾患や医師指示により目標値は異なります。低値・急な低下・呼吸苦やチアノーゼを伴う場合は、測定条件を確認したうえで施設基準に従い速やかに報告・対応します。
数値そのものより、前回からの変化や患者の見た目(顔色・呼吸の様子)と合わせて捉えることが大切です。気になる変化があれば、自己判断で対応せず、医師・先輩看護師に報告します。
③観察・記録・報告|数値を正しく伝える英語
測定したら、数値を記録し、変化があれば次の勤務者や医師へ簡潔に伝えます。英語では「数値」と「変化」を分けて言うと伝わりやすくなります。
- Your numbers look stable today.(今日の数値は安定しています。)
- Her blood pressure has dropped from 130 over 80 to 100 over 60 since this morning.(彼女の血圧は今朝から130/80から100/60に下がっています。)
- His temperature is up to 38.2 degrees Celsius.(彼の体温は38.2度まで上がっています。)
- His oxygen saturation has dropped to 92 percent, so I’ll report it right away.(酸素飽和度が92%まで下がっているので、すぐに報告します。)
- I’ll record the vital signs in the chart.(バイタルをカルテに記録します。)
ロールプレイ|朝のバイタル測定から報告まで
準備の声かけから測定、記録・報告までの一連の流れを英語にした会話例です。動作前の予告フレーズが自然に出るまで練習しましょう。
Nurse: Good morning. I’m going to check your vital signs. It will only take a few minutes — could you rest for a moment first?
Patient: Sure, go ahead.
Nurse: Could you roll up your sleeve? I’ll start with your blood pressure. You may feel the cuff getting tight.
Patient: Okay.
Nurse: All done. Now let me take your temperature and check your pulse. Please relax your arm and breathe normally.
Patient: All right.
Nurse: Thank you. Your numbers look stable today. I’ll record them in the chart. Please let us know if you feel unwell.(ありがとうございます。今日の数値は安定しています。カルテに記録しますね。具合が悪くなったら教えてください。)
よくある質問
動作の前に毎回声をかけるのは大げさではないですか?
大げさにはなりません。I’m going to … / Let me … / You may feel … と短く予告するだけで、患者は次に起こることが分かり、安心して協力できます。とくに英語が母語でない患者や緊張している患者には、ゆっくり短い文で伝えると効果的です。
数値が基準から外れていたとき、英語でどう報告すればよいですか?
まず事実(数値と変化)を伝えます。His oxygen saturation has dropped to 92 percent.(酸素飽和度が92%に下がりました)のように、いつから・どこからどこへ変化したかを添えると正確です。対応の判断は自己判断せず、医師・施設の基準に従い、I’ll report it right away.(すぐに報告します)と続けます。実際の対応は患者の基礎疾患・症状・医師指示・施設の基準に従います。
まとめ
バイタルサイン測定の英語は、単語の暗記より「準備→測定→観察・記録・報告という流れに沿って、動作の前に一言添える」習慣が、安全と信頼につながります。学び方に迷ったら、オンライン医療英語スクールの無料カウンセリングでご相談ください。
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