ICU・集中治療の医療英語|人工呼吸器・鎮静・急変対応で使う英単語・フレーズ完全ガイド

今実紅
公開日:2026.06.01
更新日:2026.05.29
海仲由美
この記事の監修者
HLCA代表 / 校長 / 正看護師
正看護師として日本で4年半の臨床経験。2013年フィリピン・セブ島で英語留学。2015年4月に医療従事者向け医療英語スクールHLCAを設立。医療従事者の英語学習・海外キャリア・医療通訳を支援。「女性のためのフィリピン留学協会」理事、国際看護学非常勤講師。

この記事でわかること

  • ICU・集中治療室で頻出する医療英単語
  • 人工呼吸器・鎮静・循環管理で使う英語フレーズ
  • 急変時のコミュニケーションに使える英語表現
  • 患者家族への説明で使うフレーズ
  • ICUで働くために必要な英語力とキャリアパス

ICU(集中治療室)の医療英語が必要とされる理由

ICU集中治療室のイメージ

ICU(Intensive Care Unit:集中治療室)は、重症患者の生命を守る最前線です。海外のICUで働く場合はもちろん、日本国内でも外国人患者の急変対応や、海外の医療チームとの連携で英語力が求められます。

ICUの医療英語は、救急の医療英語と重なる部分もありますが、人工呼吸器管理・鎮静管理・長期的な集中治療計画など、ICU特有の専門用語とコミュニケーションスキルが必要です。

ICUの基本医療英単語

ICUモニタリング

ICUの設備・環境に関する用語

  • ICU (Intensive Care Unit) ― 集中治療室
  • CCU (Coronary Care Unit) ― 冠動脈疾患集中治療室
  • NICU (Neonatal ICU) ― 新生児集中治療室
  • PICU (Pediatric ICU) ― 小児集中治療室
  • Ventilator / Mechanical ventilator ― 人工呼吸器
  • Monitor ― モニター(心電図・SpO2・血圧等)
  • Central line / Central venous catheter (CVC) ― 中心静脈カテーテル
  • Arterial line (A-line) ― 動脈ライン
  • Infusion pump ― 輸液ポンプ
  • Syringe driver ― シリンジポンプ
  • Chest tube ― 胸腔ドレーン
  • Foley catheter ― 尿道カテーテル

ICUで頻出する状態・処置の用語

  • Intubation ― 気管挿管
  • Extubation ― 抜管
  • Sedation ― 鎮静
  • Weaning ― ウィーニング(人工呼吸器からの離脱)
  • Hemodynamic monitoring ― 循環動態モニタリング
  • Vasopressor ― 昇圧剤
  • Sepsis ― 敗血症
  • ARDS (Acute Respiratory Distress Syndrome) ― 急性呼吸窮迫症候群
  • DIC (Disseminated Intravascular Coagulation) ― 播種性血管内凝固症候群
  • MODS (Multiple Organ Dysfunction Syndrome) ― 多臓器不全症候群
  • Code Blue ― コードブルー(心肺停止)
  • Prone positioning ― 腹臥位管理

人工呼吸器管理で使う英語フレーズ

人工呼吸器管理

人工呼吸器(Mechanical ventilator)の管理はICU看護の中核です。設定変更やアセスメントの報告で使うフレーズを覚えておきましょう。

人工呼吸器の設定用語

  • Mode ― モード(AC, SIMV, PSV, CPAP等)
  • Tidal volume (TV/Vt) ― 一回換気量
  • Respiratory rate (RR) ― 呼吸回数
  • PEEP (Positive End-Expiratory Pressure) ― 呼気終末陽圧
  • FiO2 (Fraction of Inspired Oxygen) ― 吸入酸素濃度
  • Peak inspiratory pressure (PIP) ― 最大吸気圧
  • Plateau pressure ― プラトー圧

報告・申し送りフレーズ

  • “The patient is on AC mode, Vt 450, RR 14, PEEP 8, FiO2 40%.”
    ― 患者はACモード、一回換気量450、呼吸回数14、PEEP 8、FiO2 40%です。
  • “SpO2 has dropped to 88%. I’ve increased FiO2 to 60%.”
    ― SpO2が88%に低下しました。FiO2を60%に上げました。
  • “The patient is triggering above the set rate. Current RR is 22.”
    ― 患者は設定回数以上に自発呼吸があります。現在の呼吸回数は22です。
  • “ABG shows respiratory acidosis. pH 7.28, pCO2 55.”
    ― 血液ガスは呼吸性アシドーシスを示しています。pH 7.28、pCO2 55です。

鎮静管理・疼痛管理の英語フレーズ

医師の説明

ICUでは患者の安全と快適のために適切な鎮静・疼痛管理が不可欠です。

鎮静スケール

  • RASS (Richmond Agitation-Sedation Scale) ― リッチモンド鎮静・興奮スケール
  • BPS (Behavioral Pain Scale) ― 行動疼痛スケール
  • CPOT (Critical-Care Pain Observation Tool) ― 重症患者疼痛観察ツール

使用頻度の高いフレーズ

  • “The patient’s RASS is -3, deeply sedated.”
    ― 患者のRASSは-3、深い鎮静状態です。
  • “I’m going to do a sedation vacation to assess neurological status.”
    ― 神経学的評価のために鎮静を中断します。
  • “The patient is showing signs of agitation. RASS is +2.”
    ― 患者に不穏の兆候があります。RASSは+2です。
  • “Propofol infusion is running at 30 mcg/kg/min.”
    ― プロポフォールは30 mcg/kg/minで持続投与中です。
  • “Can we titrate the Fentanyl up? The BPS score is 6.”
    ― フェンタニルを増量できますか?BPSスコアは6です。

急変時のコミュニケーション英語

急変時の対応

ICUでの急変時は、迅速かつ正確なコミュニケーションが生死を分けます。救急医療の英語と合わせて覚えておきましょう。

急変報告(SBAR形式)

Situation(状況):
“This is Nurse Tanaka calling about Mr. Smith in ICU bed 3. He is desaturating rapidly.”
― ICU 3番ベッドのスミスさんについてお電話しています。急速にSpO2が低下しています。

Background(背景):
“He was admitted yesterday for pneumonia. He’s been on a ventilator since admission.”
― 昨日肺炎で入院し、入院時から人工呼吸器管理中です。

Assessment(評価):
“His SpO2 dropped from 95% to 82% despite increasing FiO2 to 100%. Breath sounds are diminished on the right side. I suspect a pneumothorax.”
― FiO2を100%に上げてもSpO2が95%から82%に低下しました。右側の呼吸音が減弱しています。気胸を疑います。

Recommendation(提案):
“I’d like you to come assess the patient immediately. Should I prepare for a chest tube insertion?”
― すぐに患者を診ていただきたいです。胸腔ドレーン挿入の準備をしますか?

家族への説明で使う英語フレーズ

家族への説明

ICUに入室している患者の家族は大きな不安を抱えています。わかりやすく、かつ正確に状況を説明する英語力が求められます。

ICU入室時の説明

  • “Your family member is in the ICU because they need close monitoring.”
    ― ご家族は注意深い観察が必要なためICUに入室しています。
  • “The ventilator is helping them breathe. It doesn’t mean they can’t breathe on their own.”
    ― 人工呼吸器は呼吸を助けています。自分で呼吸できないという意味ではありません。
  • “You can talk to them. Hearing a familiar voice can be comforting.”
    ― 話しかけて大丈夫です。聞き慣れた声は安心につながります。

状態の変化を伝える

  • “I want to update you on your father’s condition. He’s responding well to the treatment.”
    ― お父様の状態についてお伝えします。治療によく反応しています。
  • “We’ve had to increase the medication to support his blood pressure.”
    ― 血圧を維持するために薬の量を増やす必要がありました。

ICUの医療英語を学んでキャリアを広げる

キャリアアップ

ICUでの英語力は、海外で看護師・医師として働くためのキャリアにおいて大きなアドバンテージになります。

オーストラリアやニュージーランドでは、ICU経験のある看護師は需要が高く、オーストラリアで看護師として働く際にも有利です。また、アメリカではICU看護師の平均年収は約$95,000~$110,000と、一般のRNよりも高い水準です。

HLCAでは、ICU・集中治療に特化した医療英語レッスンを提供しています。実際のICU場面を想定したロールプレイやSBAR報告の練習を通じて、即戦力となる英語力を身につけることができます。

「ICUの英語に自信をつけたい」「海外のICUで働きたい」という方は、無料カウンセリングでご相談ください。

よくある質問

Q. ICUは英語で何の略ですか?

ICUは「Intensive Care Unit」の略で、日本語では「集中治療室」を意味します。重症患者の24時間体制での管理・治療を行う部門です。

Q. 人工呼吸器は英語で何と言いますか?

「Ventilator」または「Mechanical ventilator」と言います。口語では「vent」と省略されることもあります(”The patient is on a vent.”)。

Q. ICUで働くのに必要な英語力は?

海外のICUで働く場合、IELTS 7.0以上またはOET Bグレード以上が一般的な目安です。急変時の迅速なコミュニケーションが求められるため、リスニングとスピーキングの実践力が特に重要です。

Q. SBARとは何ですか?

SBAR(エスバー)は、Situation(状況)・Background(背景)・Assessment(評価)・Recommendation(提案)の頭文字を取った報告フォーマットです。医療現場で広く使われており、特にICUでの急変報告に効果的です。

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この記事を書いた人
今実紅

看護師免許を保有。企業勤務・産業保健領域での経験を経て、医療英語スクールHLCAに参画。 現在は、受講を検討する医師・看護師・薬剤師など医療従事者へのカウンセリングを担当しながら、医療英語メディアの記事制作・SEOコンテンツ改善に携わる。 海外在住経験を通じて実践的な英語力を身につけ、TOEIC860点を取得。 メンタルヘルス、ウィメンズヘルスなど、医療専門性と生活者視点の両方が求められるテーマでの執筆経験を持つ。 看護師としての医療知識、医療英語学習者へのカウンセリング経験、SEO記事制作の知見を活かし、現場で安全に使える医療英語表現をわかりやすく発信している。