オーストラリアで看護師として働くには?必要な資格や給与、特徴などを徹底解説!

HLCA編集部
公開日:2020.04.21
更新日:2026.06.19
ナース
海仲由美
この記事の監修者
HLCA代表 / 校長 / 正看護師
正看護師として日本で4年半の臨床経験。2013年フィリピン・セブ島で英語留学。2015年4月に医療従事者向け医療英語スクールHLCAを設立。医療従事者の英語学習・海外キャリア・医療通訳を支援。「女性のためのフィリピン留学協会」理事、国際看護学非常勤講師。

ライターのReonaです。

今回はオーストラリアの看護師について書いていきたいと思います!

オーストラリアといえば、きれいな海や自然を思い浮かべる人が多いでしょう。 オーガニックや自然に優しい商品が多いのも、魅力の一つです。

留学先としても1位になるなど人気が高く、英語を使って海外で働いてみたい方にとっては候補に入ること間違いなしです!

オーストラリアで看護師として働くための方法も紹介していきますので、最後までチェックしてくださいね!

では、さっそく見ていきましょう!

オーストラリアの看護師資格

日本も含め、アメリカやタイ、フィリピンなどは看護師国家資格があります。 しかし、オーストラリアには看護師資格はありません

オーストラリアの看護師協会に登録がされれば、オーストラリアで正看護師になることができます。

とっても簡単に分けると、

  1. 大学などで看護師の学士号(Bachelor Degree)を取得し、看護師協会に登録をする
  2. 日本での看護師としての資格、経験、英語力などを証明する書類を看護師協会に提出し、査定を受け登録する

の2つです。(これはかなり簡単に分けたものなので、詳しくはまた後程説明します!)

日本での看護師資格を生かして看護師として登録できるのはいいですね!

オーストラリアは、高い英語力は必須なものの、海外からの移住者が看護師として働くハードルが比較的低い国であるといえるのではないでしょうか。

これは、オーストラリアが移民によって成立している国であることが関係していると思われます。

オーストラリアは第2次世界大戦終了後以来、多くの移民を受け入れてきた移民国家です。

現在人口の29.6%が海外生まれ、また親のどちらかが海外生まれの移民2世の人口は、オーストラリアの人口の約半数の46%にのぼります。 (経済協力開発機構:OECD【2018】

オーストラリアが多民族・多文化共生の方針を持つ国だからこそ、海外の看護師免許を持つ移住者も働きやすい状況なのですね。

オーストラリアの看護師の給与

オーストリアの看護師の給与を調べてみました!

オーストラリアの看護師の平均の給与約770万円($79,178)/年indeed

オーストラリアの平均の給与:約955万円($97,956)/年indeed

看護師の給与自体は、日本よりかなり高いですね!

(日本の看護師の平均給与は、500万円前後といわれています。)

しかしすべての職種の平均と比較してみると、平均より低いんですね。

2021年から24年の変化で驚いたのは、看護師の給料は増えているのに対し、平均の給与は減っているということです。看護師不足の影響でしょうか。

オーストラリアの平均年収は日本よりも高く、オーストラリアで高収入なのはダントツで採鉱業(鉱物を掘り出す仕事)だそうです。

資源が豊富な国ならではですね。

オーストラリアの看護師の特徴

オーストラリアの看護師の特徴を紹介します。

残業がない

オーストラリアで働く看護師さんから聞くいいところはなんといってもこれ。 残業がほとんどない!

私は今まで日本の3つの病院で看護師として働いてきましたが、残業が0のところには今の所出会っていません。

始業時間の30分ほど前に来て患者の情報収集を行うし、終業後の残業も少なくても20~30時間/月はあるように思います。

しかしオーストラリアでは、始業時間ぴったりに来て終業時間の10分前には帰り支度をすることが当たり前だそうです。

残って仕事をしているとタイムマネジメント能力が低いと判断されることもあるので、 できる範囲で終わらせて後は引き継いで帰るそう。

勉強会や院内研修も勤務時間内に行われ、院外研修に参加するのもちゃんと給料がでるのでプライベートも大事にできそうですね!

また、オーストラリアではフルタイムの労働者は有給が4週間取得できると雇用基準で定められているため、長期休暇もゆっくり休むことができます。

4週間のお休みがもらえると考えるとワクワクが止まりませんね…!!

仕事が分業化されている

オーストラリアの病院では、仕事が分業化されていることが特徴です。

正看護師のほかに、看護助手、准看護師、臨床教育看護師、病理検査アシスタントなど様々な職種が存在し、 各々が決められた範囲内の仕事を時間内に行います。

驚くことに、正看護師の資格を持っていても、採血や検体採取はできないそうです。 採血や検体採取を行うのは病理検査アシスタントの業務であり、正看護師が行うためには資格が必要です。

日本では、看護師が何でも屋さんのようになっていて、これって看護師のやる仕事なの…?と思うこともよくあります。(実体験)

オーストラリアでは、やるべき人がやるべきことをやっているおかげで残業がほぼない環境が作られているのですね!

オーストラリアで看護師として働くには

オーストラリアで看護師として働くには、オーストラリアの看護師協会への登録し看護師資格を得ることが必要です。

「大学卒か専門学校卒か」「看護師資格があるかないか」「英語力があるかないか」によって、 プランが変わります。

4年制大学を卒業し、看護師資格を持っている場合

オーストラリアの看護師資格に一番近いところにいるといえます。 看護師協会に書類を提出し、条件は、以下の通り。

  1. 資格:日本の正看護師資格を保持
  2. 学歴:大学にて看護学士号(4年制大学)を終えている
  3. 職歴:過去5年間において以上の450時間(約3か月)の看護師としての職歴
  4. 英語力 : IELTS 、OET 、TOEFL ibt、PTE Academic いずれかのテストで基準値以上の得点をとる

オーストラリア看護助産委員会(NMBA)

一番難しいのは、ずばり英語力だと思います。 オーストラリアの看護師の登録に必要な英語テストの基準値をまとめると、

  • IELTS Academic試験で Overall 7.0 (各セクションすべて7.0)以上
  • OET各セクション(Speaking, Listening, Writing, Reading)すべてをB以上
  • TOEFL ibt 全体で94ポイント以上。Listening で24ポイント以上、Readingで24ポイント以上、Writingで27ポイント以上、Speakingで23ポイント以上
  • PTE Academic Overall 65 以上(各セクション すべて65以上)

オーストラリア看護助産委員会(NMBA) English language skills registration standard

ひゃーかなり難易度が高いですね!!!

どれくらい高いかというと、 IELTSのOverall 7.0は、TOIECの870~970点、英検1級に相当するのです!

これはかなりの努力を要しそうですね。

さて、英語力を含めた上記の条件をクリアすれば、いよいよ看護師協会に書類を提出することができます。

書類提出からの流れ

➀AHPRA(Australian Health Practitioner Regulatory Agency) (オーストラリア全土の16の医療職を管理統括している機関)の組織の一つである、オーストラリア看護助産委員会(NMBA)へ書類の提出をします。 ※審査期間は個人のケースにより異なりますが、約3ヶ月〜9ヶ月ほどだそうです。

➁審査に合格すれば、次にOutcomes-based assessment(OBA) という審査を受けます。 OBAは2020年3月から新しく始まった制度です。(今まではブリッジプログラムという約12~24週間のクラス内授業と実習で構成されたコースの受講が行われていましたがいましたが、2019年12月で廃止となりました。) 新しいがゆえに情報も少ないのですが、NMBAのホームページに書いてある情報によると、コンピューターで知識査定を行い、合格者のみ技術査定に進むという流れのようです。

オーストラリア看護助産委員会(NMBA)へ本申請をし、オーストラリア看護師登録!

最短ルートでも書類や英語力の向上など道のりは長そうですね。 計画性をもって情報を集めながら進めていくことが大切です。

※英語力条件や必要な審査などは随時変更されていく可能性があります。 最新の情報は必ず各自でチェックしてくださいね!

専門学校や短期大学を卒業し、看護師免許を持っている場合

最終学歴が専門学校や短大の方は、日本での看護師免許を保持していても、看護師資格に切り替えることはできません。

そのため、オーストラリアで看護学学士号を取得することが必要となります。

日本で看護師資格を保持している場合には、看護学コンバージョン・コース(大学により名称が異なります) を修学することにより、通常の看護学3年間より短い期間(1年または2年)にて、オーストラリアの正看護師協会への登録資格を得ることができます。

大学により入学の条件や特徴や立地が異なるため、数あるオーストラリアの大学から、自分の留学プラン・将来設計にあった学校を選ぶことが大切です。

看護学部(Bachelor of Nursing)への入学規定の英語力は各大学で若干違いますが、いずれも IELTS Overall 7.0(各セクション 7.0)以上レベルの英語力が必要です

大学へ入学する際にすでに高い英語力を求められます。 授業や実習などをすべて英語で行うため、当然のことといえますね。

大学を選んでいくことはもちろん、まずは英語力を伸ばすことが先決といえるでしょう!

大学の決め方にも、

  1. 日本から大学を決めて渡航する
  2. 語学留学で大学入学に必要な英語力を伸ばしながら、進学する予定の大学を見学して決める
  3. アシスタントナース有給看護インターンシップに参加中に検討する。

などの方法があります。

大学を卒業し看護学学士号を取得すれば、看護師協会への登録への条件がそろうことになります。 計画的に進めていきましょう!

看護師資格を持っていない場合

日本の看護師資格を持っていない方がオーストラリアで看護師の資格を得るには、オーストラリアの看護学学士号をとる必要があります。

オーストラリアの学士課程は3年です。

もし日本での最終学歴が高校卒業の場合は、看護学の前に基礎コースを履修することになりますので、看護学3年とあわせて4年間となります。

3年間の学士課程を修了し看護学士号を取得したあと、看護登録機関で登録すると看護師としての資格を与えられます。

ただ、新卒は実習経験が少ないため、通常卒業後1年間、病院の新卒者プログラムに参加しないと就職は難しいといわれています。

現在では、オーストラリアにある 39校の大学のうち31校が、Bachelor of Nursing のコースを提供しており、コース修了後に看護協会に看護師として登録することができます。

また、看護師に準ずる準看護師 (Enrolled Nurse)の資格は、専門学校、TAFEなどの養成コースで取得が可能です。 (オーストラリア留学センター

大学を卒業し看護学学士号を取得すれば、看護師協会への登録への条件がそろうことになります。 こちらも長い道のりになりますが、一番の関門は英語力

まずはこつこつと計画的に英語力をつけていくことから始めましょう!

オーストラリアの看護現場で使う英語

登録や就職の準備と並行して、実際の現場で使う英語にも慣れておくとスムーズです。オーストラリアを含む英連邦圏では、アメリカ英語とは少し異なる用語や申し送りの作法が使われます。

申し送り(handover)とISBAR

シフト交代時の引き継ぎは英連邦圏ではhandoverと呼びます(アメリカ的な「report」よりこちらが一般的)。オーストラリアでは、患者情報を漏れなく伝えるための構造としてISBAR(Identify・Situation・Background・Assessment・Recommendation)が安全管理機関(ACSQHC)に推奨され、多くの病院で使われています。国際的に知られるSBARに「患者の特定(Identify)」を加えた形です。

  • Identify:自分と患者を名乗る(”This is ◯◯, calling about …”)
  • Situation:今起きていること
  • Background:経緯・既往
  • Assessment:バイタルや観察所見からの評価
  • Recommendation:依頼・提案

現場でよく聞く用語・略語

  • obs=observations(バイタルサイン一式)。「Can you do his obs?」のように使います。
  • theatre(operating theatre)=手術室。アメリカの「OR」にあたる英連邦圏の言い方です。
  • call bell=ナースコール。患者が看護師を呼ぶための呼び出しです。
  • RN / EN / AIN=Registered Nurse(正看護師)/Enrolled Nurse(准看護師)/Assistant in Nursing(看護助手)。役割と登録区分が異なります(RNとENは登録が必要、AINは現状登録不要)。

安全上の注意:略語は施設や国によって意味が異なることがあり、特に投薬・用量に関わる表記の読み違いは事故につながります。少しでも迷ったら略さず確認するのが原則です。看護現場で使う英語表現は看護師の英語・キャリア看護師のための医療英語でも具体的に紹介しています。なお、AHPRA登録が不要なAIN(看護助手)としてワーキングホリデーで働く道筋はオーストラリアでアシスタントナース(AIN)になる方法で解説しています。

オーストラリア看護師から永住権(PR)は狙える?ビザと条件【2026年版】

「オーストラリアで看護師」を調べる方の多くが、最終的に永住権(PR)を視野に入れています。結論からいうと、正看護師(Registered Nurse)はオーストラリアの技術職リストに含まれる職業で、永住につながる代表的なルートのひとつです。一方で、ワーキングホリデーで働くアシスタントナース(AIN)や准看護師(Enrolled Nurse)は、それ自体では永住権取得を目指せません。ここが「正看護師ルート」と「AIN/ワーホリルート」の決定的な違いです。

永住につながる主な技術ビザ

  • 技術独立ビザ(Subclass 189):雇用主や州のスポンサーが不要で、自分のスキル・職歴に基づいて申請できる永住ビザ
  • 州・準州指名ビザ(Subclass 190):州政府の指名を受けて申請する永住ビザ
  • 地方技術(暫定)ビザ(Subclass 491):地方部での就労を条件とする暫定ビザ(条件を満たせば後に永住へ移行しうる)。

正看護師(RN)は中長期戦略技術職リスト(MLTSSL)に含まれるため、これら一般技術ビザの対象になりえます。

永住を狙うための主な条件

  • 正看護師(Registered Nurse)であること(准看護師・アシスタントナースは対象外)
  • ANMAC(オーストラリア看護助産師認定機構)の技能評価(skills assessment)に合格すること
  • AHPRA/NMBA登録(または登録要件を満たすこと)
  • ポイントテストで65点以上(2018年7月以降の申請最低ライン。実際に招待を受けるラインはこれより高いことが多い)
  • 年齢条件(近年厳格化。45歳の誕生日を迎える前までが目安)
  • 英語力の証明(IELTS Overall 7.0相当など、登録基準と同等以上)

※ビザの種類・ポイント・職業リストは頻繁に改定されます。申請前に必ずオーストラリア内務省(Department of Home Affairs)とANMACの最新の公式情報を確認してください。

なお、ワーキングホリデーでアシスタントナース(AIN)として働く casual なルートは、永住には直結しません。AIN・ワーホリの始め方や費用感は「オーストラリアでアシスタントナースになる方法|ワーホリ看護師向けに資格・給料・学校を徹底解説」で詳しく解説しています。本記事では正看護師として登録し、永住も視野に入れる王道ルートを扱っています。

いずれのルートでも最大の関門は英語力です。登録・永住の条件であるIELTS Overall 7.0は、英検1級・TOEIC 870〜970点に相当する高い水準。だからこそ、早い段階から医療英語の土台を作っておくことが、登録・永住への最短ルートになります。

オーストラリアで看護師になる方法のまとめ

オーストラリアの看護師は、日本の看護師より給料が高いことに加え、QOLはかなり高く、自分の時間を大切にしながら働くことができそうですね!

日本の看護師免許を持っていれば、オーストラリアの看護師免許に書き換えができるのも嬉しいポイントです。

しかし何回も言っているように、問題は英語力

オーストラリア以外にも海外で看護師として活躍できる国があります。各国の資格要件や年収を比較したい方は「国際看護師になるには?資格・英語力・年収と最短キャリアパスを解説」もあわせてご覧ください。

IELTSにはリーディングやリスニングだけでなく、ライティングとスピーキングも含まれているため難易度はかなり高いといえるので、オーストラリアへ留学し英語を学んでからテストを受ける方が多いです。

しかし、これから英語を始めようという方、「いきなりオーストラリアに行って大丈夫かなあ…」 「お金もかなりかかりそう…」と不安になる方もいるのではないでしょうか。

そこで、オーストラリアへ行く前にお勧めしたいのが、セブ島留学です!

セブ島は留学費用が比較的安く、明るく気さくなフィリピン人の講師から英語を学べるのがいいところ。

2024年春より、HLCAは留学受け入れを再開しています。

特に語学学校HLCAは医療英語に特化した語学学校なので、英語を使って看護師として働きたい方にはぴったりの学校といえます!

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この記事を書いた人
HLCA編集部

医療英語スクールHLCAの編集チーム。 医師・看護師・薬剤師・受付スタッフなど、医療従事者向けの医療英語学習を支援するメディアとして、現場で使える医療英単語・フレーズ・ロールプレイを発信しています。 記事制作では、医療現場でのコミュニケーション、患者対応、多職種連携の観点を重視し、医療英語を初めて学ぶ方にも分かりやすい内容を心がけています。