臨床工学技士の医療英語|医療機器の操作説明で使う英単語とフレーズ

HLCA編集部
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臨床工学技士の医療英語|医療機器の操作説明で使う英単語とフレーズ
海仲由美
この記事の監修者
HLCA代表 / 校長 / 正看護師
正看護師として日本で4年半の臨床経験。2013年フィリピン・セブ島で英語留学。2015年4月に医療従事者向け医療英語スクールHLCAを設立。医療従事者の英語学習・海外キャリア・医療通訳を支援。「女性のためのフィリピン留学協会」理事、国際看護学非常勤講師。

「アラームが鳴り、外国人患者の家族がすごく不安そうにしている」「人工呼吸器の設定を変えた理由を、英語でどう説明すればいいか分からない」――臨床工学技士として医療機器の操作や保守にあたる中で、こうした場面に戸惑ったことはありませんか。

臨床工学技士は生命維持管理装置や医療機器を扱う専門職ですが、外国人患者やその家族への説明、医師・看護師への報告の場面では、看護師や医師向けの医療英語とは異なる語彙が必要になります。この記事では、臨床工学技士に固有の機器操作場面で使う英単語とフレーズを、人工呼吸器・透析・手術室の3つの現場別に整理しました。読み終えたときには、まず何から覚えればいいかが分かる状態を目指しています。

【この記事でわかること】

  • 臨床工学技士が医療英語を使う場面
  • 医療機器・操作・状態を表す基本の英単語
  • 人工呼吸器・透析・手術室で使う場面別フレーズ
  • 患者・家族への説明と、医師・看護師への報告で使う表現

臨床工学技士が医療英語を使う場面|なぜ機器操作の現場でも英語が必要か

臨床工学技士が英語を使う場面は、診療行為そのものよりも「機械の状態を伝える」「操作の意図を説明する」場面に集中しています。外国人患者や海外から来たスタッフに対して、生命維持管理装置の設定変更を伝えたり、透析中の体調確認をしたり、手術室で機器の準備状況を報告したりする機会があります。

看護師向けの医療英語教材は症状や処置の説明が中心で、医師向けの教材は診断や治療方針の会話が中心です。一方で臨床工学技士が扱うのは「機器がどう動いているか」「なぜその設定にしているか」を伝える語彙であり、この記事はその部分に特化しています。

基本の英単語|医療機器・操作・状態を表す言葉

まずは臨床工学技士の現場で繰り返し使う基本単語を押さえておきましょう。

  • ventilator(人工呼吸器):生命維持管理装置の代表例。「mechanical ventilator」と表記されることもあります
  • dialysis machine(透析装置):血液透析に使う機器
  • alarm(アラーム):異常や設定変更時に鳴る警報音
  • setting(設定):機器のパラメータ設定を指す一般語
  • pressure(圧力):呼吸器の気道内圧や透析の血液回路内圧などで使用
  • flow rate(流量):透析液や酸素の流量を表す
  • circuit(回路):人工呼吸器の呼吸回路、透析の血液回路を指す
  • malfunction(故障・不具合):機器のトラブルを表す語
  • calibration(校正):基準となる値と機器の表示値を照らし合わせ、そのずれを確認すること(確認した結果をもとに機器を合わせ込む「調整」とは別の操作です)
  • sterilization(滅菌):手術室で扱う器械の滅菌処理

場面別フレーズ1:人工呼吸器|設定変更とアラーム対応を伝える

人工呼吸器を装着した患者や家族に対して、アラームの意味や設定変更の理由を落ち着いて伝える場面のフレーズです。

  • “The alarm is sounding. We’re checking the patient and the ventilator right now.”(アラームが鳴っています。今、患者さんと呼吸器の状態を確認しています):設定変更の直後であっても、まず確認中であることを伝える場面
  • “We’re adjusting the oxygen flow rate to match your breathing.”(呼吸に合わせて酸素の流量を調整しています):患者の呼吸状態に応じた調整を説明する場面
  • “This tube helps you breathe more easily.”(このチューブは呼吸を楽にするためのものです):初めて人工呼吸器を見る家族への説明場面
  • “We check the ventilator circuit regularly to keep it working safely.”(安全に使えるよう定期的に回路を点検しています):保守点検の目的を伝える場面

場面別フレーズ2:透析|開始前の確認と透析中の声かけ

透析開始前のシャント確認や、透析中の体調確認で使うフレーズです。

  • “I’m going to check your access site before we start.”(開始前にシャント部位を確認します):穿刺部位の確認を伝える場面
  • “How are you feeling? Any dizziness or discomfort?”(気分はいかがですか?めまいや不快感はありませんか):透析中の体調確認
  • “We’re monitoring your blood pressure throughout the session.”(透析中は血圧を継続的にモニタリングしています):モニタリング内容の説明
  • “The treatment will take about four hours today.”(本日の治療は約4時間かかります):所要時間の見通しを伝える場面

透析室での患者対応に特化した英語表現は、透析の医療英語を解説した記事でさらに詳しく紹介しています。

場面別フレーズ3:手術室|機器準備とトラブル時の報告

手術室での機器準備状況の報告、トラブル発生時に多職種へ伝えるフレーズです。

  • “The equipment is set up and ready to go.”(機器の準備は完了しています):準備完了の報告
  • “We’re running a final check before the procedure starts.”(手術開始前の最終確認をしています):直前確認の説明
  • “There’s a malfunction with the device. We’re switching to the backup.”(機器に不具合が発生したためバックアップに切り替えます):トラブル発生時の即時報告
  • “All instruments have been sterilized and are ready for use.”(すべての器械は滅菌済みで使用可能です):滅菌状況の報告

患者・家族への説明|機械の音や動きに不安を与えない伝え方

生命維持管理装置を装着した患者の家族は、聞き慣れない音や機械の動きに強い不安を感じやすいものです。伝え方のポイントは、専門用語をそのまま使わず、まず「何が起きているか」をシンプルに伝え、次に「今、患者さんと機器の状態を確認している」という対応状況を伝える順番です。原因や患者の状態を確認する前に「危険ではない」と安心させる説明は避け、確認が終わってから結果を伝えます。

  • “The alarm is sounding. We’re checking the patient and the ventilator.”(アラームが鳴っています。患者さんと呼吸器の状態を確認しています):原因や状態の確認前に「緊急ではない」と断定せず、確認中であることをまず伝える表現
  • “We adjust the settings often to match the patient’s condition.”(患者さんの状態に合わせて設定は頻繁に調整します)
  • “Please let us know if you have any questions about the equipment.”(機器について質問があればいつでもお尋ねください)

ここで大切なのは、機器の動作や設定変更の説明にとどめ、病状の見通しや治療方針といった医学的な判断には踏み込まないことです。家族から病状について聞かれた場合は、医師・看護師へつなぐ声かけをしましょう。

医師・看護師への報告で使う表現

多職種連携の場面では、機器の状態や数値を簡潔に報告する表現が求められます。

  • “The ventilator settings have been adjusted as ordered.”(指示通りに人工呼吸器の設定を調整しました)
  • “I’d like to report an abnormal reading on the dialysis machine.”(透析装置で異常値が出たため報告します)
  • “The backup equipment is ready in case we need it.”(必要な場合に備えてバックアップ機器を準備しています)
  • “Could you confirm the target flow rate for this patient?”(この患者さんの目標流量を確認していただけますか)

臨床工学技士の医療英語についてよくある質問

Q. 医療機器の型番や仕様を英語で説明する必要はありますか?
A. 患者・家族への説明では型番よりも「何のための機器か」「今どういう状態か」を伝えることが優先されます。型番や仕様の詳細な説明が必要な場面は、海外の同僚エンジニアとのやり取りなど限られた場面です。

Q. 英語の医療略語はどこまで覚えればいいですか?
A. まずは自分が扱う機器の名称(ventilator、dialysis machine等)と基本操作語(setting、alarm、circuit等)から覚え、報告場面で必要な表現を場面ごとに増やしていく進め方が現実的です。

Q. 臨床工学技士向けの医療英語教材はありますか?
A. 臨床工学技士に特化した教材は多くありません。看護師・医師向け教材の中から機器操作に関わる部分を参考にしつつ、自分の業務で実際に使う場面のフレーズを個別に蓄積していく方法が有効です。

まとめ|まず機器操作の場面別フレーズから覚える

臨床工学技士の医療英語は、診療行為の説明ではなく「機器の状態や操作の意図を伝える」ことが中心です。人工呼吸器・透析・手術室というそれぞれの現場で、まず場面別フレーズから覚えていくのが実践的な近道です。

機器操作の説明が英語でできるようになると、外国人患者や家族の不安を和らげるだけでなく、多職種との連携もスムーズになります。まずは自分が日常的に扱う機器の単語とフレーズから、少しずつ身につけていきましょう。

臨床工学技士を含む医療従事者向けに、現場で使う医療英語をオンラインで学べる環境について知りたい方は、HLCAの無料カウンセリングでご相談いただけます。一人ひとりの業務内容に合わせた学習プランをご案内しています。

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放射線技師が検査説明や海外キャリアで使う医療英語については、こちらの記事で詳しく解説しています。医療英語の基礎から学びたい方は医療英語とは何かを解説した記事もあわせてご覧ください。

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この記事を書いた人
HLCA編集部

医療英語スクールHLCAの編集チーム。 医師・看護師・薬剤師・受付スタッフなど、医療従事者向けの医療英語学習を支援するメディアとして、現場で使える医療英単語・フレーズ・ロールプレイを発信しています。 記事制作では、医療現場でのコミュニケーション、患者対応、多職種連携の観点を重視し、医療英語を初めて学ぶ方にも分かりやすい内容を心がけています。