【更新:2021年10月19日 】
NGOって聞いたことはあるけれど、実際にどんな内容をしているのかよくわからない。
ボランティアのイメージがあるけれど、お仕事として成り立っているの?という疑問もあるでしょう。
NGOの求人には、一般企業とは違った特徴があり、探し方にもコツがあります。
この記事では、
という人へ向けて、NGO求人の内容と特徴について、詳しく紹介します!
NGO求人の探し方についても、ポイントごとに解説しているので、ご覧ください。
この記事のもくじ
NGOってどんなことをするの?
NGO(Non-governmental Organization)は、直訳すると「非政府組織」。
政府や企業、国際機関などではなく、利益を目的としていない民間(非政府)の団体です。
NGOは、貧困・飢餓・環境・人権など、国内外問わず様々な問題に取り組んでいます。
豆知識:NPOとは違うの?
NPO(Non-Profit Organization)は、直訳すると「非営利組織」。
NPOも、NGOと同じく民間(非政府)の団体です。
日本では、国際的な活動をしている大きな団体=NGO、国内で活動をしている小さな団体=NPOと呼ばれがちです。
しかし、NGOであっても国内を対象としている小さな団体もあり、NPOであっても海外で活動する大きな団体があります。
NGOとNPOは、活動内容に明確な区分けがありません。
違いは、法人格があるかどうか。
法人として活動したい場合は、NPO法人として登録をします。
NGOには種類がある
ほとんどのNGO団体は、対象分野を専門として活動しています。
おもな対象分野は、国際的な問題、環境問題、人権問題などです。
国際的な問題に取り組むNGOは「国際協力NGO」、環境問題に取り組むNGOは「環境NGO」と呼ばれます。
それぞれ、どのような活動をしているのか、紹介していきましょう。
国際協力NGO
世界で発生している、貧困・飢餓・環境などの問題に取り組む、国際協力NGO。
国際協力NGOは、開発・環境・人権・平和などの分野にわかれて活動しています。
開発分野では、発展途上国での医療・住環境・教育などが対象で、農村に井戸を建設したり、勉強や職業訓練を行ったりしています。
環境分野は、森林保護・植林・生態系保護・砂漠化防止などです。
人権分野では、こどもを守る活動から、ジェンダー・女性問題、少数民族や外国人労働者などの支援を行っています。
平和分野においては、平和教育、地雷除去の支援、軍備撤廃を呼びかける活動などが対象です。
ほかにも、物資の支援や政策の提言、NGO同士で協力体制をつくるネットワーク構築なども行っていて、幅広い活動内容となっています。
環境NGO
環境問題に対する活動をしている、環境NGO。
環境NGOは、地球規模で取り組むべきとされる問題から、国ごとにフォーカスした問題までが対象です。
たとえば、地球温暖化対策として、政策の提言・普及啓発。
森林保護の面では、植林や、野生生物を守る活動などがあります。
ほかにも、環境への負荷を減らすためのライフスタイル提案や、環境問題をもっと意識してもらおうという啓発運動なども行っています。
人権NGO
人権侵害のない社会を目指す、人権NGO。
人権NGOが取り組む問題は、人種差別や、こどもの権利を守る活動、難民問題や性差別撤廃などです。
呼びかけ・キャンペーン・署名などの方法で、人々へアプローチしています。
最新!2021年 コロナ禍のNGOの活動の現状
新型コロナウイルスの流行から約1年半。
日本・世界では、コロナ禍でのNGO活動も増えています。
例えば、消毒剤やマスク等の物資の提供、医療従事者による治療、生活困窮者の保護・相談受付などです。
これは国内・海外で一致しています。
国際協力のイメージも強いNGOですが、日本での活動を知ると親近感が持てるのではないでしょうか。
参考:令和2年度外務省 NGO研究会 「新型コロナウイルス感染症拡大に対する日本の国際協力NGOの対応戦略」
NGO求人の探し方5選
NGO求人を実際に見てみたい・探したいというときは、どのようにすればいいのでしょうか。
NGOの求人を探すためには、おおきく5つの方法があります。
NGO団体の公式ホームページ
自分が賛同する理念をもつNGO団体のホームページにアクセスして、直接求人を探すという方法があります。
ほとんどのNGO団体の公式ホームページには、採用や募集のページがあるので、チェックしてみるといいでしょう。
しかし、通年で募集をかけている団体は少なく、人員が必要になったときだけ求人ページを掲載しているという場合もあります。
こまめにホームページをチェックするか、メールなどで募集はあるのかどうか問い合わせをしてみるといいでしょう。
ネットワークNGO
ネットワークNGOを頼りに、NGO求人を探すという方法があります。
ネットワークNGOとは、世界のNGO同士をつなぐ活動や、政府や企業・各種組合との連携など、ネットワーク作りに特化した活動をしている団体のことです。
日本のネットワークNGOだと、JANIC(ジャニック)という団体があります。
JANICのホームページの人材募集というカテゴリー内では、様々なNGO求人が掲載されています。
転職・求人情報サイト
リクナビNEXTや、マイナビ転職をはじめとした、転職・求人情報サイトで、NGO求人を探すことができます。
新卒向けの求人サイトではなく、転職者向けのサイトで掲載されている場合がほとんどです。
求人数はかなり限られますが、求人が一覧表示されるため見やすく便利です。
NGO団体以外の求人も混ざっている場合があるので、しっかりと内容をチェックしましょう。
知人からの紹介
NGO団体に所属している知人で、直接紹介してもらう方法があります。
ほかにも、NGO活動に貢献している大学教授や講師などからの推薦により、NGO団体の採用面接を受ける人もいるそうです。
人脈がある人は、NGO団体とご縁がある人に声をかけてみるといいでしょう。
インターネット上では公開されていない求人と出会えるチャンスです。
インターン・ボランティア
NGO団体でインターンやボランティア活動をした経験がきっかけとなり、NGO団体に所属するケースがあります。
ほとんどのNGO求人では、望ましいスキル・経験として「NGO団体での活動経験がある」などと記載されています。
インターンやボランティア経験は、求人に繋がる可能性を増やしてくれる上、NGO団体に応募するときの強みになります。
NGOの求人内容をピックアップ
NGOの求人には、どのようなものがあるのでしょうか。
NGOの求人例をピックアップして、勤務地や業務内容などを中心に、応募条件などの特徴とあわせて紹介します。
現地駐在員
パレスチナでの駐在員の求人例をみてみましょう。
勤務地:パレスチナ
業務内容:ガザ地域にて実施する保健栄養事業および職業訓練事業等に係る業務全般
・事業の計画・運営・統括
・予算の作成・管理、資金調達(含助成金対応)
・現地提携団体との連絡調整
・人事・労務管理、本部との連絡調整
・現地事務所運営、現地スタッフのマネジメント、雇用管理
・大使館、現地政府、国連・国際機関・NGO等との調整 (引用元:ピースウィンズ・ジャパン)
ピースウィンズ・ジャパンは、緊急支援、復興・開発支援、国内事業などの活動を、国内外問わず行っている団体です。
パレスチナで、保健栄養・職業訓練などの事業の運営・実施・管理ふくめ、全般的な業務を行う求人内容になっています。
応募条件で特徴的なものは、原則5年以上の国際協力分野での実務経験や、英語力(読解力、交渉力)など。
実務経験に関しては、紛争地などでの駐在経験を求められています。
現地駐在員のなかでも、少しハードルが高めの求人といえるでしょう。
マーケティング業務サポート
マーケティングなどの業務を募集している、有名なNGO団体があります。
さっそくみてみましょう。
勤務地:東京
業務内容:個人支援者(寄付者)の新規獲得、リテンション業務サポート
・個人支援者(寄付者)の新規獲得、リテンション業務サポート
・ マーケティングリサーチ(定性・定量)、BIツールを用いた個人支援者(寄付者)データベース分析
・ 統合マーケティング戦略、カスタマージャーニーの立案、実行、評価
・ デジタル・マーケティング、ダイレクト・レスポンス・マーケティング、コンテンツ・マーケティング、広告媒体出稿、街頭キャンペーン、季節キャンペーン、テレマーケティング、統合マーケティングなどの各種施策立案、実施、評価
・各種レポート、コンテンツの翻訳作業(英→日中心)
・関係部署や外部ベンダーとの調整サポート
・上長から指示を受けた業務サポート (引用元:セーブ・ザ・チルドレン)
セーブ・ザ・チルドレンの東京事務所にて行われる、有給のインターンです。
セーブ・ザ・チルドレンは、子ども支援専門の国際NGOで、こどもの権利を守るため、様々な支援活動をしています。
応募資格として、マーケティングや外国語などの分野を専攻していることが必須。
望ましいスキル・経験は、英語読解・会話力と、NGO活動経験です。
入学した学部・専攻によって、有給インターンに参加できるかどうかが決まります。
経済学部や外国語学部であれば、応募条件を満たしやすいはずです。
平和のための調査研究
研究員として募集をかけているNGO団体があります。
勤務地:横浜
業務内容:平和のための調査研究を行う研究員
・核兵器や安全保障に関して、内外の一次文献に基づく調査・研究をすること。
・隔月発行の情報誌「脱軍備・平和レポート」や毎年出版される「ピース・アルマナック」等の出版物の編集や記事の執筆を行い、それを通して調査・研究の成果を市民に提供して問題提起すること。
・主催する研究会、集会などの広報や準備をすること。
・会員・読者等サポーターと良好なコミュニケーションを維持すること。
・国内外の NGO、市民団体、研究者組織等とのネットワークやキャンペーンのコーディネートをすること
・組織運営・維持のために必要な諸活動=名簿管理や会計実務、ファンドレイジング等、事務所維持に必要な庶務全般を分担すること。 (引用元:ピースデポ)
ピースデポは、平和問題に関する調査・研究の活動を行う団体です。
応募条件で特徴的なのは、調査に加え、研究結果を発信する上で、英文和訳は必須という点です。
また、海外のNGOとスムーズなやり取りができる語学力が求められます。
応募時には、語学力を測るための英語文献の和訳を提出する必要があるため、英語をはじめとした語学力に自信がある人のみと限られます。
NGO求人を探すときに大切な3つのこと
NGO求人を探そう!というときに気をつけたい、3つの大切なことがあります。
どれも、求人を探し始める前に把握しておきたいことです。
ひとつずつ解説していきましょう。
ほぼ社会人向けの求人
ほとんどのNGO求人は、社会人経験がある人を対象としています。
新卒採用を行っているところは、ほぼありません。
理由は、NGOの活動の多くは寄付によって支えられているからです。新人教育などに資金を割けるNGOは少ないのが現状となっています。
NGOで活動する人は、即戦力として、それまで業務として実践してきた経験・スキルを発揮する必要があるのです。
また、定期採用をしているところもわずかなので、タイミングやご縁次第ということも認識しておきましょう。
求められるスキルが高め
NGO求人は、求められるスキルが高めです。
NGOは世界中に存在するため、連携をとるためにも英語力は必須。
駐在員の場合だと、コミュニケーションは英語を使い、現地の言葉や文化に対する理解も必要です。
調査・研究をする場合は、英語圏のデータを読む力はもちろん、研究発表時は英語ということも。
語学力以外にも、企画やマーケティング、お金関係など、担当業務に応じて専門的な知識・企業での実践経験を求められることがほとんどです。
NGO求人に自信をもって応募できるよう、スキルを磨いて経験を重ねていきましょう。
海外でのスキルを高めるには、ボランティアやインターンなどで活動実績を作るのも効果的です。
こちらのタイガーモブでは、オンラインも含めた海外インターンを募集しています。
NGOで働くために実績を積みたい方はぜひチェックしてみてください。
ボランティアは、こちらの記事からも確認できます。
信頼できるNGO求人を見極める
ミスマッチングを防ぐために、NGO求人を見極めることが大切です。
NGO求人を見つけたら、まずは対象のNGO団体のホームページをチェックしましょう。
見極めるポイントは3つです。
- NGO団体の理念に賛同できるか
- 活動報告が納得できる内容か
- 決算報告書の数字は妥当か
これらを含め、対象のNGO団体にまつわる情報を、くまなく確認しましょう。
疑問がある場合は、NGO団体に直接問い合わせをして、納得のいく情報を開示してもらえるかどうかもポイントになります。
晴れて採用となった場合に、有意義に働けるかどうかを判断してから応募することが大切です。
NGO求人の種類はたくさん!探し方のコツをつかむことが大切
NGOの求人は、一般企業の求人と比較すると、少し違った特徴があります。
基本的には社会人向けの求人で、求められるスキルも高め。
しかし、挑戦しがいがある求人ともいえます。
スキルを磨いて、自分が望むNGO団体に採用されれば、貴重な経験を重ねることができるでしょう。
NGO団体は、世界中に存在します。
NGOに所属した際は、コミュニケーションは英語という可能性が非常に高いです。
また、医療に関わるNGO団体であれば、医療英語の知識も求められます。
医療英語を学びたい方におすすめなのが、HLCAのオンラインレッスンです。
HLCAでは、英語と一緒に医療英語を学ぶことができるので、とても効率的。
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