HLCAはフィリピン、セブ島にある医療英語専門の語学学校です。
最近では医師の先生方に加えて歯科医師の先生も入学されるようになりました。
今回はHLCAの医療英語コースの一環として、地元セブの私立大学の一つであるサウスウェスタン大学の歯学部を訪問しました。
SWU(South Western University)とは
サウスウェスタン大学はセブ市内にいくつかある大学の中でも長い歴史があり、第二次世界大戦後すぐの1946年に設立された総合大学で、今回訪問した歯学部は毎年フィリピン共和国歯科医師国家試験の上位成績者を輩出しています。
今回は歯学部長Dr Rodivick O. Docor先生直々のお出迎えを受けて、歯学部キャンパス内に案内されました。
歯学部長は日本の文部科学省からの奨学金で日本の国立大学の大学院に留学され、歯学博士(Ph.D.)の学位を取られた優秀な歯科医師の先生です。
日本で歯科医師をしている寺本先生も、今まで体験したことのない外国の歯学部の見学とあって興味津々です。
医療英語の授業の一環ということも忘れて、自然と歯科医学と歯科医療について話が弾みます。自分が日本で受けてきた歯学教育とフィリピンの歯学教育とを比較しながら、共通点や相違点についてメモを取っていきます。
治療の様子(治療しているのは学生さんです)
ちょうど歯学部キャンパス内の歯科教育クリニックに入ると、臨床実習に出ている上級学年が患者さんを相手に治療をしている最中でした。
フィリピンでは日本と異なり、医学生や歯学生は在学中に実際に患者に触れて侵襲的行為を含む一通りの医療行為を行わないと卒業が許されないのです。
高等教育監督省庁に定められたカリキュラムに従って一定数の患者を診ていきます。 学生もノルマをこなして卒業するために必死で患者を集めてがんばります。
質素な外見の歯学部ビルの印象とは異なり、内装は非常に充実していて
比較的新しい歯科用チェアが何台も所狭しと並べられていました。
ここではお見せしていませんが、フィリピンにおいて歴史が古い学校だけあって座学で使われる校舎の木の廊下や木の階段はとても古いのです。
しかし臨床実習用のクリニックは真逆で写真で紹介しているように非常に新しいのが印象的でした。 歯学生が立派な歯科医師になれるように歯科治療に直接関係した設備だけは充実させようという気遣いのようなものが感じられました。
小児用の診察・治療ルーム
こちらは清潔感あふれる小児歯科クリニックです。今日は患児が誰もいないので休診日です!
また、日本の大学院に留学された経験のある歯学部長は日本語も堪能なので、時折英語に交じって日本語の説明が入ります。
ご多忙ながらも熱心に説明してくださいました。
歯学部の授業風景
歯学部の授業風景です。歯学生たちは熱心に講義を聞き、教授の質問に答えていました。
HLCA学生の歯科医師の先生は、歯学生が教授の話を熱心に聞いている事と、質問に対して素直に答えているところ、また突然の訪問客にもスマイルで出迎えてくれた事に対して非常に感銘を受けたようです。
フィリピンでも日本と同様に6年制の歯学教育ですが、臨床歯学の教育が始まる前の下級学年なのでしょうか、写真で紹介している授業は口腔解剖学・口腔組織学の授業のようです。
教科書を手元におきながら先生の質問について考えています。 よく見るとタブレットを持ち込んでいる歯学生もいました。今どきの日本やアメリカなど先進国の歯学生と同じかもしれません。
奨学金等に頼る学生を除くと、歯学部は他の学部とは異なり裕福な家庭の子息が比較的多いので、いま流行りのタブレットや様々のガジェットも普通に見られます。
<おまけ編>
偶然、歯科医師の先生方が垂涎の歯科用マテリアル・歯科検査機器及び歯科治療器具の数々を展示したワークショップが、近隣のモールで開催されていました。 歯科材料系のワークショップ等は歯科医師の先生方に人気のようで、良い品を安く提供しているフィリピンの歯科関連機器展示会に先生も感心していました。中国が人気の開催地のようですが、フィリピン、セブで歯科材料や歯科治療機器を調達されるのはいかがでしょうか?