「オーストラリアでAIN(Assistant in Nursing/アシスタントナース)として働きたい」と思って情報収集すると、「実際の仕事内容は?きつい?やりがいは?給料は?」と気になる人が多いはずです。本記事では、HLCA受講生でオーストラリアAINとして働いている方々の体験をベースに、1日のスケジュール・きつい場面・やりがい・地域別の給料・ビザ別の対応・AINからRN登録までの動線を、現役AINの実態と公的情報の出典つきで網羅的に解説します。
この記事のもくじ
この記事でわかること
- AIN(アシスタントナース)の役割・日本の看護助手との違い
- AINの1日のスケジュール(早番・遅番・夜勤)の具体例
- AINとして「きつい」と感じる5場面と対処法
- AINだからこそ得られる5つのやりがい
- 長く続けるための3つのコツ
- 地域別(シドニー・メルボルン・ブリスベン・地方)の給料目安
- ビザ別(ワーホリ・学生・就労)のAIN就労ルート
- AINからRN登録への具体ステップ(Bridging Program)
AIN(アシスタントナース)とは?日本の看護助手との違い

AIN(Assistant in Nursing)はオーストラリアの医療・介護現場で、Registered Nurse(RN)の指示のもとで生活介助やバイタル測定を担う職種です。日本の「看護助手」に近い役割ですが、以下の違いがあります。
| 項目 | 日本の看護助手 | オーストラリアAIN |
|---|---|---|
| 資格 | 無資格でも可 | Certificate III in Individual Support(または Certificate IV)修了が一般的 |
| 業務範囲 | 清掃・搬送・配膳が中心 | バイタル測定・血糖測定・服薬補助まで可 |
| 勤務先 | 主に病院 | 病院・Aged Care・障害者支援施設 |
| 給与水準 | 時給1,100〜1,400円 | 時給25〜35豪ドル前後(地域・経験で変動) |
| 言語 | 日本語 | 英語(申し送り・記録すべて) |
Certificate III の正式な訓練内容・コース提供機関は、オーストラリア政府公式のtraining.gov.au(Certificate III in Individual Support)で確認できます。
「AINになる方法・必要資格・学校選び・給料の基礎情報」は オーストラリアでアシスタントナースになる方法 に詳しくまとめています。本記事は「働き始めた後のリアル」にフォーカスします。
AINの1日のスケジュール|早番・遅番・夜勤の典型例

AINの勤務はシフト制が基本。Aged Care施設の場合、3シフト構成が一般的です。
早番(6:30〜14:30)の流れ
- 6:30 出勤・夜勤からの申し送り受け(handover)
- 7:00 入居者の起床ケア・着替え・整容・トイレ介助
- 8:00 朝食配膳・食事介助・服薬補助
- 9:30 シャワー介助・モーニングティー
- 11:30 昼食準備・配膳・食事介助
- 13:00 入居者の午後アクティビティ補助・記録
- 14:00 遅番への申し送り・退勤
遅番(14:00〜22:00)の流れ
- 14:00 早番から申し送り
- 15:00 アフタヌーンティー・入居者との交流
- 17:00 夕食配膳・食事介助
- 18:30 就寝準備(着替え・口腔ケア・トイレ介助)
- 20:00 ベッドメイク・記録
- 21:30 夜勤への申し送り・退勤
夜勤(22:00〜翌6:30)の流れ
- 22:00 遅番から申し送り
- 22:30 巡回・トイレ介助・体位変換
- 0:00 / 2:00 / 4:00 定期巡回・記録
- 5:00 起床準備(早起き入居者から)
- 6:00 早番への申し送り・退勤
日本の看護助手と比べて「英語でのコミュニケーション量が圧倒的に多い」のが最大の違い。申し送り(handover)・記録(progress notes)・チームナーシングの全てが英語です。Aged Careのケア基準はAged Care Quality and Safety Commissionが定めるStrengthened Aged Care Quality Standards(2025年7月施行)に準拠しています。
「きつい」と感じる5つの場面と対処法

AINの仕事は決して楽ではありません。Google検索でも「アシスタントナース つらい」「AIN きつい」のクエリで多くの人が情報を求めています。HLCAの受講生から実際に聞いた「きつい場面」と、現役AINの対処法をまとめます。
きつい場面1: 英語が通じず焦る瞬間
申し送りやドクターとの会話で「相手の英語が早すぎる」「専門用語がわからない」と詰まる場面は、最初の3ヶ月で必ず経験します。対処法:「Could you say that again more slowly, please?」「Could you write it down?」を魔法のフレーズとして覚える。詳しくは 英語が苦手な医療従事者のための病院サバイバル術 参照。
きつい場面2: 体力的な負担(移乗・体位変換)
高齢者の介助は腰への負担が大きく、特に1人体位変換は身体を痛めるリスクがあります。対処法:施設の研修で習った「2人介助」「リフト機器」を必ず活用。Safe Work AustraliaのHazardous Manual Tasks ガイドラインでも単独移乗を避ける作業設計が推奨されています。
きつい場面3: 認知症入居者の対応
Aged Careでは認知症入居者の対応で、暴言・暴力を受けることもあります。対処法:BPSD(行動心理症状)の対応研修を受ける、同僚と情報共有、無理せず他スタッフに交代を頼む。詳しくは 医療現場の英語コミュニケーション文化差5選 でも文化差視点で扱っています。
きつい場面4: シフト勤務による生活リズムの乱れ
早番・遅番・夜勤の混在で体内時計が乱れます。対処法:希望シフトを早めに提出、固定シフトに移行できる施設を選ぶ、睡眠衛生を意識する。シフト労働者の健康影響についてはSafe Work Australiaのシフトワークガイドラインに整理されています。
きつい場面5: 日本でRNだった人の「もどかしさ」
看護師資格を持って渡豪した方の中には、「日本ではRNだったのにAINとして働くのは複雑」と感じる方もいます。対処法:AINを「次のステップ(RN登録)への足場」と位置付け、英語学習・OET合格を並行する。HLCAはAHPRA登録までのキャリアサポートを提供しています。
AINだから得られる5つのやりがい

大変な場面がある一方で、AINだからこそ得られる経験・喜びもたくさんあります。
- 入居者から名前を覚えてもらえる距離感 — Aged Careでは入居者と毎日顔を合わせるため、家族のような関係性が生まれる
- 多文化・多言語環境で働く実感 — オーストラリアは移民国家。同僚もアジア・南米・ヨーロッパ等多国籍で、英語力+異文化対応力が伸びる
- RN・医師との対等な議論 — 日本のヒエラルキー文化と違い、AINの意見も尊重される現場が多い
- 英語が「使える」実感の連続 — 教科書英語ではなく、現場で生きた英語が毎日鍛えられる
- RNへのキャリアアップ動線が見える — AINとして経験を積みながらNurse Bridging Programに進む受講生も多数
受講生みささんの体験談では、英語初心者からAINとして働き始めた苦労とやりがいがリアルに語られています。
AINの給料|地域別・施設タイプ別の時給目安

AINの給料は「地域 × 施設タイプ × シフト時間帯」の3軸で変動します。豪州看護師労組Australian Nursing and Midwifery Federation(ANMF)と Fair Work Australia が公表する Aged Care Award を参考に、目安をまとめます。
地域別の時給目安(2026年時点)
| 都市 | 時給(豪ドル) | 特徴 |
|---|---|---|
| シドニー | 28〜36 | 需要・物価ともに高い。生活費もトップクラス |
| メルボルン | 27〜35 | シドニーに次いで高め。日本人留学生も多い |
| ブリスベン | 26〜33 | 気候穏やか・生活費中位 |
| パース | 27〜34 | 鉱業景気で給料上昇傾向 |
| アデレード・地方都市 | 25〜31 | 給料は低めだが生活費も安く貯金しやすい |
時間帯・曜日別の手当(ペナルティレート)
- 平日早朝・夜間: +15〜25%
- 土曜: +50%
- 日曜: +75%〜100%
- 祝日: +150%
つまり週末夜勤を多く取れば、平日昼勤の1.5〜2倍稼げる計算になります。最新の正確な時給はAged Care Award (MA000018)で確認してください。
ビザ別のAIN就労ルート|ワーホリ・学生・就労ビザ

AINとして働く際のビザ選択肢を整理します。最新の正式情報は必ずオーストラリア政府移民局でご確認ください。
1. ワーキングホリデービザ(subclass 417/462)
- 18〜30歳(一部国は35歳まで)の若年層向け
- 同一雇用主での就労期間は最大6ヶ月(Aged Careは特例で12ヶ月可になる場合あり)
- 短期間でAIN経験を積みたい方に最適
- Cert III 取得は条件ではないが、雇用される確率が大きく上がる
2. 学生ビザ(subclass 500)
- Cert III/IV や Diploma of Nursing 等のコース受講中
- 就労制限: 2週間あたり48時間まで
- AINとして働きながらRN登録に必要な学位取得を目指せる王道ルート
3. 就労ビザ(TSS subclass 482)
- 雇用主スポンサー型
- 2-4年の中期就労が可能
- AIN単独でのスポンサーは難しく、Diploma of Nursing修了後のEnrolled Nurse(EN)や、RN資格でのスポンサーが現実的
4. Skilled Migration(subclass 189/190/491)
- 永住権を目指す技能移民ビザ
- Aged Care Worker / Nursing Support Worker(ANZSCO 423314 / 423314)も対象職種
- 英語力(IELTS 6.0以上)+ Cert III + 実務経験が必要
AINからRNへ|Nurse Bridging Programの具体ステップ
日本のRN資格を持っている方が、オーストラリアでもRNとして登録するためのルートを解説します。
Step 1: AHPRA Self-Check
まずAHPRA(Australian Health Practitioner Regulation Agency)で、自分の学歴・資格が登録基準を満たしているかを確認。
Step 2: 英語力の証明(IELTS Academic 7.0 または OET Bグレード)
4技能すべてで基準点クリア。詳しくはOET対策ガイドを参照。
Step 3: Outcomes-Based Assessment(OBA) または Bridging Program
- OBA: NCLEX-RN相当のMCQ試験 + OSCE実技試験
- Bridging Program: 大学が提供する3〜6ヶ月のプログラム(座学+臨床実習)
- 多くの日本人RNはBridging Programを選択(実技試験対策が組み込まれているため)
Step 4: AHPRA本登録
Bridging Program/OBA合格後、AHPRAに本登録申請。登録完了でRNとして勤務開始可能。
HLCAでは、AHPRA登録までのキャリアサポートをChika(豪専任スタッフ)が個別に伴走します。
長く続ける3つのコツ|現役AINの習慣

1〜2年で帰国してしまう人と、5年・10年と現地でキャリアを伸ばす人の違いは、習慣にあります。
コツ1: 英語学習を「やめない」
AINの仕事は英語に毎日触れますが、それだけでは伸び悩む天井があります。シフトの合間にOET対策・医療英語のブラッシュアップを継続する習慣が、RN登録への最短ルート。続けるコツは 医療英語の学習が続かない3つの理由 を参考に。
コツ2: 日本人コミュニティに依存しすぎない
同じ施設に日本人AINが複数いると、休憩時間が日本語ばかりになって英語が伸びにくくなります。意識的に多国籍の同僚と関わる時間を作るのが、現役AINの共通テクニック。
コツ3: 「3年後の自分」を定期的に描き直す
AINを通過点として何をしたいか — RN登録 / 専門領域(緩和ケア・小児・産科)/ 帰国後のキャリア — を3〜6ヶ月ごとに見直すと、毎日の仕事が「将来への投資」に見えてきます。HLCAの看護師が海外で働くための英語力と準備5ステップでも、ゴール設定の重要性を強調しています。
AIN求人を探す方法|信頼できる求人サイト
渡豪後・もしくは渡豪前から、以下の求人サイトを定期チェックするのが現役AINの定番です。
- Seek(seek.com.au): オーストラリア最大の求人サイト。”Assistant in Nursing” “AIN” で検索
- Indeed Australia(au.indeed.com): グローバル求人サイトの豪州版
- NursingJobs.com.au: 看護職特化の求人サイト
- 各Aged Careチェーン公式サイト: BUPA / Bolton Clarke / Estia Health / Regis Healthcare 等の大手チェーンは直接応募が早い
- 地域コミュニティ掲示板: 日豪プレス、JAMS.tv等で日本人向け求人情報も
応募書類(Resume / Cover Letter)の英文添削は、HLCAキャリアサポートでも対応しています。
参考: Seek/Indeedで頻出するAIN求人タイトル例
2026年5月時点で豪州求人サイトでよく見かけるAIN関連の求人タイトル例を、汎用化したかたちで整理しました(特定企業名は伏せています)。給料・条件は地域・施設規模で変動するため、最新情報はSeek等で確認してください。
| 求人タイトル例(汎用化) | 時給目安(豪ドル) | 雇用形態 | 必要条件 |
|---|---|---|---|
| AIN – Aged Care, Casual Roles | $28-32 | Casual | Cert III + Police Check |
| Personal Care Assistant (Day Shift) | $26-30 | Part-time | Cert III + First Aid |
| Nursing Assistant – Hospital | $30-36 | Full-time | Cert III + 1年経験 |
| AIN – Weekend Only | $32-40 | Weekend | Cert III |
| Night Shift Personal Care Worker | $35-42 | Night | Cert III + Night経験歓迎 |
公的統計の参照先として、Jobs and Skills Australia(豪州政府の労働市場情報)やAustralian Bureau of Statistics(豪州統計局)が業界全体の動向を把握するのに役立ちます。
AIN応募書類のチェックリスト(Resume・Cover Letter)
豪州のAIN求人に応募する際に求められる書類は、主にResume(履歴書)とCover Letter(カバーレター)です。日本の履歴書とは形式が大きく異なるため、以下のチェックリストで漏れがないか確認してください。
Resume必須項目(A4 2ページ以内)
- Personal Details(氏名・連絡先・住所)— 顔写真は不要、生年月日も基本不要
- Professional Summary(自己PR 3-5文)
- Key Skills(看護スキル・英語レベル・PC操作等を箇条書き5-8項目)
- Work Experience(職歴・新しい順)— 達成事項は数値で記述(例: “Cared for 30+ residents daily”)
- Education & Qualifications(Cert III、Bachelor of Nursing、IELTS/OETスコア等)
- References(推薦人2名・連絡先)— 「Available upon request」表記も可
Cover Letter テンプレ表現5選
- “I am writing to express my interest in the AIN position at [施設名].”(応募の意思表明)
- “With X years of nursing experience in Japan, I am eager to contribute to your team.”(経験のアピール)
- “My Certificate III in Individual Support and current First Aid certification align with your requirements.”(資格適合)
- “I am particularly drawn to [施設名]’s commitment to person-centered care.”(施設への共感)
- “I would welcome the opportunity to discuss how my background can benefit your residents.”(クロージング)
HLCAでは留学修了生のResume・Cover Letterの英文添削を、専任スタッフChikaが個別サポートしています。
HLCAのキャリアサポート|AIN就労までの伴走
📊 HLCA社内集計データ:2023年1月〜2026年5月の3年間で、HLCAのカウンセリングに「オーストラリア」進出を目的として問い合わせいただいた方は116名。うち「AIN(アシスタントナース)」を明確なキャリアステップとして記載された方は17名でした。
※HLCA HubSpot Contact集計/2026年5月17日時点/フリーテキスト記載の自然言語マッチング
HLCA×TARGETでは、留学修了後にオーストラリアでAINとして働き始めるまでを、専任スタッフChikaが個別サポートしています。
- Resume・Motivation letter(Cover Letter)の英文添削
- IELTS/OET試験スコア対策
- AHPRA登録までの書類サポート
- 渡豪後のビザ・住居・最初の応募まで伴走
HLCAの留学プログラム全体像はHLCA×TARGETとは?2026年リニューアル徹底解説もあわせてご覧ください。
よくある質問
Q1. 日本での看護経験がなくてもAINになれますか?
なれます。AINは未経験から始められる職種で、現地のCertificate III in Individual Supportを修了すれば応募可能です。
Q2. AINの給料だけで生活できますか?
時給25〜35豪ドルで週30〜38時間勤務なら、シェアハウス前提で生活可能です。シドニー・メルボルンは生活費高め、地方都市なら貯金もできます。
Q3. ワーキングホリデービザでもAINになれますか?
可能です。ただしビザの就労期間制限(同一雇用主6ヶ月、Aged Care特例で12ヶ月)があるため、長期的にはStudent VisaやSkilled Visaへの切り替えを検討します。
Q4. AINとして働きながらRNを目指せますか?
可能です。AHPRA登録に向けてBridging Programに進む方法と、Bachelor of Nursingに編入する方法があります。AINの経験はRN応募時の強みになります。
Q5. Certificate III以外に必要な資格は?
National Police Check(無犯罪証明)、Working with Vulnerable People Check、First Aid + CPR 等が雇用条件として一般的です。
まとめ|「きつい」と「やりがい」のリアル
AINは決して楽な仕事ではありませんが、「英語×医療×海外キャリア」を一気に体験できる職種として、HLCA受講生にも多く選ばれています。きつい場面を乗り越えるための英語準備・メンタル設計・サポート環境が揃っていれば、3年後・5年後にRNとして活躍する未来は現実的な選択肢です。
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