看護師を辞めたい理由7つとその解決法

saori
公開日:2025.05.26
更新日:2025.05.26

看護師は、人の命と向き合う責任ある仕事である一方、心身にかかる負担も大きい職業です。

日々の業務に追われる中で、人間関係の悩みや夜勤による疲労、業務の重圧などに直面し、「辞めたい」と思った経験のある方も多いでしょう。

その一方で、「こんなことで辞めていいのだろうか」「自分が弱いだけなのでは」と、自分を責めてしまう方も多く見受けられます。

そこで本記事では、看護師が辞めたいと感じる代表的な理由を7つと、その解決法を紹介します。

看護師を辞めたい理由7つ

看護師を辞めたいと思う理由を紹介します。

人間関係のストレス

看護師の世界は閉鎖的な職場環境になりやすいため、人間関係のトラブルが起こりやすい傾向にあります。

新人や中途入職者はターゲットにされやすく、「あの人は使えない」と陰口を叩かれたり、指導という名目で理不尽な言葉を投げつけられることもあります。

上の立場の人に嫌われると働きづらくなり、助けてもらえず孤立してしまうケースもあります。

「職場の雰囲気が悪い」「挨拶をしても無視される」など、心理的に追い詰められるのも辞めたいと感じる原因になりがちです。

夜勤・不規則な生活リズムによる心身の疲労

夜勤や三交代制の勤務が続くと、どうしても生活リズムが崩れ、体調を維持するのが難しくなっていきます。

寝たいのに眠れない、休みの日も疲れが取れない…といった慢性的な疲労感が蓄積され、心身ともに限界に達する人も多くいます。

女性の場合、ホルモンバランスの乱れから体調不良を引き起こしたり、生理不順や肌荒れ、情緒不安定に悩まされることもあります。

長期間このような生活が続けば、「健康を犠牲にしてまで続ける意味があるのか」と疑問を感じるのも無理はありません。

給料に見合わない激務・責任の重さ

看護師は「安定していて給料が高い」と思われがちですが、実際にはその対価として大きな責任と負荷を背負っています。

患者の命に関わる判断を求められる場面も多く、体力・気力・集中力を常に求められます

それに加えて、残業・休日出勤・委員会や研修への参加など、就業時間外の業務も少なくありません。

実質の労働時間を考えれば、「これだけ働いてこの給料?」と感じてしまうのは自然なことです。

心と体をすり減らしながら続ける中で、「やってられない」と思う瞬間は誰にでもあります。

休みが少なくプライベートがない

看護師は人手不足の職場が多いため、希望通りに休みが取れなかったり、有給を気軽に使えなかったりすることも多いです。

友達との予定が合わず、家族ともすれ違いの日々、土日や連休が関係ない生活に疲弊して、「自分の時間がない」「人生を楽しめていない」と感じる人が多くいます。

また、心身の疲れが溜まっている状態で、限られた休日をただ寝て終わることに虚しさを感じ、将来が不安になる方も少なくありません。

命に関わるプレッシャーが常につきまとう

看護師の仕事は、些細な判断ミスが命取りになる可能性のある非常に緊張感の高い業務です。

医師の指示を読み違えたり、投薬ミスを起こしたりすれば、患者の容態が急変することもありえます。

常に「間違えたらどうしよう」という不安や、「自分のせいで何かあったら…」という恐怖と戦い続けなければなりません。

どれだけ注意してもミスが完全にゼロにはならない現場で、その責任感とプレッシャーに心が折れてしまう人も多くいます。

ミスへの恐怖と自己否定感

どれだけ気をつけていても、ミスを完全に防ぐことは不可能です。

特に新人や経験が浅い人は、慣れない業務でミスをしてしまうこともありますが、それを周囲に厳しく責められることで、深く落ち込んでしまうことがあります。

「自分は看護師に向いていないのではないか」「またミスをしたらどうしよう」といった不安が常に頭をよぎり、自信を失っていく悪循環に陥ることも。

自分を責め続けるうちに、自己否定感が強まり、「辞めたい」という思いがどんどん強くなっていきます。

キャリアの将来性ややりがいの喪失

「このまま今の職場でずっと働き続けて、何か成長できるのだろうか?」と感じる瞬間があるかもしれません。

業務がルーティン化して刺激がなくなったり、職場にキャリアアップの道が見えなかったりすると、やりがいを感じられなくなってしまいます。

さらに、「本当に自分がやりたかった看護って、これだったの?」と疑問が湧き上がることもあるでしょう。

志を持って看護師になったのに、現実の過酷さに希望を失い、「もう辞めたい」と感じるようになるのです。

看護師を辞めたいと思ったときの解決法

辞めたいと思ったときの解決法や辞める前にできることを考えると、キャリアの方向が明確になるでしょう。

配属転換や異動を相談する

今の職場がどうしてもつらいと感じる場合、まずは「部署異動」や「配属転換」ができないか、上司や人事に相談してみましょう。

たとえば、人間関係に悩んでいる場合でも、環境が変わるだけで働きやすさが大きく改善されることがあります。

病棟から外来へ、急性期から慢性期へ、あるいは一般病棟から介護施設への異動など、少し仕事内容や雰囲気の違う部署に移ることで、ストレスの原因が取り除かれるケースは多いです。

辞める前に「異動する」という選択肢を検討する価値は十分にあります。

働き方を見直す

常勤のフルタイム勤務が体力的・精神的にしんどい場合は、非常勤やパートなどの働き方に切り替えるのも一つの方法です。

特に、夜勤なしの日勤常勤や短時間勤務が選べる職場なら、負担をぐっと減らせます。

「しんどいから辞めたい」と思っていても、フルタイムで頑張りすぎていることが原因かもしれません。

勤務形態を柔軟に調整できれば、体力と心のバランスを保ちながら、看護師としてのキャリアを続けることができます。

転職活動を通して視野を広げる

今の職場しか知らないと、「看護師ってどこもこんなもの」と思いがちですが、職場によって環境は大きく異なります。

一度転職活動をしてみると、想像以上に働きやすそうな病院や、自分に合った雰囲気の職場が見つかることがあります。

求人サイトや転職エージェントを使えば、条件に合った職場を探すのも難しくありません。

実際に面接を受けたり見学に行ったりすることで、今の職場との違いがはっきり見えてきて、「転職もアリかも」と前向きに考えられるようになる人もいます。

同じ悩みを持つ仲間と話す

看護師の悩みは、なかなか家族や友人には理解されにくいものです。

しかし、同じ立場で悩んでいる人と話すだけで、気持ちが軽くなったり、「私だけじゃないんだ」と安心できたりします

SNSや看護師専用コミュニティ、匿名の相談掲示板など、気軽に気持ちを共有できる場がたくさんあります。

また、看護協会や地域の相談窓口でも、キャリア相談やメンタルヘルスの支援を受けることができます。

自己分析で「本当にやりたいこと」を考える

「辞めたい」と感じるときこそ、自分自身を見つめ直すチャンスです。

なぜ辞めたいのか、どんなときにストレスを感じるのか、逆にどんな仕事ならやりがいを感じられるのかを紙に書き出して自己分析してみると、思わぬ気づきがあるかもしれません。

「患者さんとのコミュニケーションは好き」「教育担当は苦手」「もっと一人ひとりに向き合える仕事がしたい」など、自分の強みや望む働き方が明確になれば、それに合った環境を選ぶ指針になります。

心療内科やカウンセリングを利用する

心身に限界を感じている場合は、無理に自分だけで抱え込まず、専門家の力を借りることも大切です。

「眠れない」「食欲がない」「涙が止まらない」「何もやる気が出ない」といった症状があるなら、心療内科やカウンセリングの利用を真剣に検討しましょう。

一時的に休職して治療に専念することも、キャリアの中では必要な選択です。

健康を守ることは、仕事を続けるよりもずっと大切です。

看護以外の職種も検討する

「もう看護師という職業自体が合わないのかもしれない」と思うなら、まったく別の道に進むことも視野に入れて構いません。 看護師の経験は、医療系の事務職、ヘルスケア業界、福祉・教育関連、企業の健康管理部門など、他分野でも活かすことができます。

また、今は看護師からキャリアチェンジをした人の体験談やブログ、YouTubeなども多く、参考にできる情報が豊富です。 「辞めたら終わり」ではなく、「辞めたからこそ始まる道」もあると知ることで、気持ちが前向きになるはずです。

看護師を辞めたいと思ったら辞めても大丈夫な理由

無理して続けるより、自分を大切にすることが何よりも大事です。

看護師資格は一生もので戻ることもできる

看護師免許は国家資格であり、一度取得すれば一生有効です。

たとえ一度現場を離れても、数年後に再び看護の仕事に戻ることは十分可能です。

実際に、育児や介護、転職などで一時離れたあと、再び現場に復帰する人もたくさんいます。

看護協会や自治体では、ブランクのある看護師向けの復職支援研修も充実しており、「もう一度やってみたい」と思ったときにサポートを受けながら再スタートを切ることができます。

今、どうしてもつらいなら「いったん休む」という選択もありです。

「辞める=逃げ」ではない

「辞めたいと思うなんて、甘えなんじゃないか」「逃げ出すみたいで情けない」と、自分を責めてはいけません。

本当に大切なのは、心と体を壊さないことです。

限界を超えて働き続けた結果、うつ病や体調不良を引き起こし、働けなくなってしまっては意味がありません。

辞めるという選択は、弱さではなく、自分の人生を守るための強さでもあります。

仕事は人生のすべてではありません。

やり直せる力も、選び直す自由もあります。

まとめ:看護師を辞めたいと思う気持ちは前向きな変化のサイン

看護師という仕事は、やりがいと同時に大きな負担を伴う職業です。

「辞めたい」と感じるのは、決して弱さや甘えではなく、今の働き方や環境に無理が生じているサインとも言えるでしょう。

本記事で紹介した7つの理由とその解決法を参考にしながら、今のご自身の状況や気持ちを丁寧に見つめ直してみてください。

異動や働き方の見直し、転職という選択肢のほか、一度立ち止まることも長いキャリアを考えたうえでは重要な判断となります。

看護師資格は一生ものです。

今は辞めたとしても、また戻ることも、まったく新しい道に進むことも可能です。

ご自身の心と体を第一に、大切な選択をしていただければと思います。

新規CTA

医療英語に特化した英語を学びグローバルに活躍できる医療従事者になりませんか?

当メディアを運営しているHLCAでは、医療に特化した英語を学ぶことができるオンライン英会話スクールを運営しています。
外国人患者さんの対応ができるようになる、将来海外の医療現場で活躍できるなど、グローバルに活躍できる医療従事者を目指すことができます。

HLCAについて詳しくみる >
この記事を書いた人
saori