アメリカで看護師になるには?日本人向け最短ステップと必要資格・年収・難易度

HLCA編集部
公開日:2020.04.04
更新日:2026.02.02

こんにちは!ライターのReonaです!

今までフィリピンタイなど、アジアの看護師事情を紹介してきましたが、今回はアメリカの看護師事情を解説していきたいと思います!

アメリカでは数々の看護師たちが看護理論を作り上げ、世界中の看護教育や思想に影響を与えています。

「看護先進国」というイメージをお持ちの方もいるのではないでしょうか?

  • アメリカの看護師事情はどうなっているのか?
  • アメリカの看護師のお給料はどのくらいか?
  • アメリカで看護師になるために必要な準備・資格・英語力とは?

日本との比較も交えながら、見ていきましょう!

【この記事の要約】

日本人がアメリカで看護師(RN)として働くには、
「英語力の証明 → 州ごとの資格審査 → NCLEX合格 → 州登録 → 就職・ビザ」というステップが必要

すでに日本の看護師免許を持っている場合と、持っていない場合ではルートが異なるため、
まずは 自分がどのルートに当てはまるかを把握することが最重要 です。

日本人がアメリカで看護師になるまでの基本ステップ

  1. 英語力の証明(IELTS・TOEFLなど ※州・ケースにより異なる)

  2. 州ごとの資格審査(日本の学歴・臨床経験の評価)

  3. NCLEX-RNに合格(全米共通の看護師国家試験)

  4. 州看護師免許の取得・登録

  5. 就職・ビザ手続き(雇用形態・滞在目的によって異なる)

※必要な条件や手続きは州・個人の状況によって異なります。
本記事では、「日本人がアメリカで看護師になるには何が必要か」を全体像から具体ステップまで解説します。

アメリカで働く看護師のリアル

英語を学びたい人のイメージ

アメリカの看護師になる方法についての説明の前に、まずはアメリカの看護師のシステムについて説明をしていきます。

 

アメリカの看護師資格

まず最初に、看護師資格の種類について日本とアメリカの違いを説明します。

日本には、看護師の資格として准看護師・看護師・保健師・助産師があります。

そのほかに特定の分野に対してより専門的な知識を持った、認定看護師・専門看護師があります。

一方アメリカでは、看護師の資格は大きく分けて、3つあります。

  1. 准看護師(LPN:Licensed Practical Nurse)
  2. 正看護師(RN:Registered Nurse)
  3. 高度看護実践看護師(APRN:Advanced Practice Registered Nurse)

アメリカの准看護師(LPN:Licensed Practical Nurse)とは

准看護師の役割は、療養上の世話や診療の補助です。

しかし「医師や看護師の指示のもと」という決まりがあります。

アメリカでは、准看護師と看護師の業務範囲がはっきりと分かれているのが特徴です。

点滴を使用した投薬は、准看護師業務には含まれません。

アメリカの正看護師(RN:Registered Nurse)とは

アメリカの正看護師(RN)の中でも種類があり、2-3年間の看護系学校を卒業した「準学士」を保持しているADN(Associate degree in nursing)

4年間の看護系学校を卒業した「学士」を保持しているBSN(Bachelor of Science in nursing)があります。

どちらも受験する試験は同じ「NCLEX(アメリカの正看護師資格試験)」です。

しかし、日本でも大卒の看護師と専門学校卒の看護師に給料の差があるように、アメリカでもADNとBSNの間には給料やポジションの差があります。

また、病院によっては準学士であるADNの採用をしていないこともあるそうです。

アメリカの高度看護実践看護師(APRN:Advanced Practice Registered Nurse)とは

大学院卒業以上の学歴を持ち、特に専門的な部分を担うポジションです。

この中に、

  • Certified Nurse Practitioner (CNP)認定ナースプラクティショナー(CNP)
  • Clinical Nurse Specialist (CNS)クリニカルナーススペシャリスト(CNS)
  • Certified Registered Nurse Anesthetist (CRNA)麻酔認定登録看護師
  • Certified Nurse-Midwife (CNM)産科認定看護師-助産師

という分類があります。

ここから先は正看護師(RN)に絞って説明していきたいと思います!

アメリカの看護師国家試験

 

 

アメリカで正看護師(RN)になるには、高校を卒業した後に看護学校を卒業し、「NCLEX(アメリカの正看護師資格試験)」と呼ばれる試験に合格する必要があります。

 

アメリカでは看護師の登録は州の看護協会が行うため州によって受験資格や合格基準は異なります。

まずは、どこの州で働きたいかを決める必要があり、看護師になってから州をまたいで働きたいときには、看護免許の書き換えが必要となるのです。

(Nurse Licensure Compact (NLC)に加盟している州は看護免許に書き換えずに州をまたいで働くことができますが、働く先の州独自の規定を満たしている必要があることもあります)

日本では、全国どこでも看護師免許は共通なので、州ごとに書き換えが必要なんて驚きです。

「NCLEX(アメリカの正看護師資格試験)」は3,000問の問題の中から、最低75問~最高265問が出題されます。

試験はコンピューターで行い、解答者の正解率によって難易度や問題数が変わります。

正解率が80%以上で合格と言われています。

制限時間は6時間というなんとも長いテストです。

2021年の合格率を見てみると、アメリカの教育機関を卒業後初めてテストを受けた人の合格率は、83%前後

新卒・既卒、外国人受験者も合わせた全体の合格率は、約72%という結果に。(NCSBN)

日本の看護師国家試験は合格率が90%前後なので、日本と比較するとアメリカの試験は難易度が高いといえそうです。

ちなみに、アメリカ以外の教育機関卒業の場合、初回の合格率は46%、2回目以降だと28%となっています。

“最初の挑戦”で合格する気力が大切そうですね。

アメリカの看護師の給与

アメリカの看護師は給料が高いというイメージがありますが、実際のところどうなのでしょうか。

アメリカの看護師の給与:$70,000(約750万円)/年 (USニュース&ワールド・レポート)

アメリカの平均の給与:$48,672(約520万)/年 (アメリカ労働統計局(BLS))

だそうです。

日本の看護師の平均給与が、450~500万円と考えると、アメリカ看護師の給与はかなり高いですね!

日本だと、営業系や管理職などが年収700万円程度に位置しています。

また、高度看護実践看護師になれれば、年収も1,000万円~1,300万円にあがることもあります。

努力が認められ給与に反映されるのが、アメリカの看護師のいいところですね。

また、看護師免許の更新もあり、2年ごとに20時間の講習を受けなければいけないなど、州ごとに決められています。

以前紹介した『タイで看護師として働くには?』同様、看護師の質を保つために継続教育が重視されているのですね。

 

アメリカで看護師として働くには

アメリカで看護師で働きたい!という方のために、アメリカで看護師として働くための方法を紹介していきます。

日本の看護師資格を持っている場合

結論から言うと、手順は以下の形になります。

  • 働きたい州を決める
     州によって
     - 必要な英語試験
     - 学歴・臨床経験の評価基準
     - 手続きの難易度
    が異なります。

  • 学歴・臨床経験の審査を受ける
     日本で取得した
     - 看護学校・大学のカリキュラム
     - 臨床経験
    が、アメリカの基準を満たしているかを審査されます。

  • 英語力を証明する
     多くの州で、IELTSやTOEFLなどの英語試験が求められます。
     必要スコアや試験の種類は州によって異なります。

  • NCLEX-RNに合格する
     全米共通の看護師国家試験であるNCLEXに合格する必要があります。
     日本の国家試験とは出題形式・思考力の求められ方が大きく異なります。

  • 州看護師免許の取得・就職へ進む
     NCLEX合格後、州看護師免許を取得し、就職活動・ビザ手続きへ進みます。

日本の看護師資格を持っている方は、それを生かすことができます。

ただし日本ですでに看護師免許を取得している場合でも、そのままアメリカで看護師として働くことはできません。

アメリカでは州ごとに看護師免許を管理しているため、「どの州で働くか」を決めたうえで、その州の要件に沿った手続きを行う必要があります。

まずは『CGFNS』と呼ばれる機関の審査を受ける必要があります。

The Commission on Graduates of Foreign Nursing School(外国看護学校卒業生審議会)とは

外国人の教育を受けた医療専門家が、自分の学歴と専門家の資格をアメリカの教育と同じかどうか評価および検証する機関(外国看護学校卒業生審議会:CGFNS>)

コロナ禍ではCGFNSの審査期間が伸びており、早くても半年はかかるようです。

日本看護師免許や看護大学・学校の成績証明証など、英訳に時間がかかりますので、余裕を持って申請しましょう。

※最初に述べたように、アメリカでは50州の中から、どこの州の看護師免許を取るのかにより、手続きの仕方が違います。 州によって試験の厳しさや必要書類が異なるので、審査を受ける前に確認する必要があります!

州によってはTOEFLやIELTSのスコアを要求されるところもあります。

こちらのサイトで各州の必要要件を確認できます。

(https://www.cgfns.org/select-your-service-by-state/)

次に、NCLEX(アメリカ合衆国の正看護師資格試験)を受験します。

英語力だけではなく、専門知識も問われる難関のテストです。

このテストは日本にいながらでも受けることができます。

弊メディアを運営する医療英会話スクールのHLCAでは、アメリカの看護師国家試験のNCLEXの対策をすることができます。

日本の看護師資格を持っていない場合

日本の看護師免許がない状態で、アメリカで看護師になる場合は2通りの方法があります。

①日本で看護師免許を取得しアメリカの免許に書き換える

②アメリカの大学で看護師課程を修了させる

①の場合はまず日本の大学や専門学校などで看護師免許をとり、2~3年病院で経験を積んでから、日本の看護師資格と経験を生かしてアメリカで看護師になるやり方です。

方法は上記の日本の看護師資格を持っている場合を見てください。

②アメリカの大学に留学して看護師課程を修了させるとなると、日本で看護師免許を取るよりも費用がかかります。 そのため試験対策や語学学習をするとともに、費用の準備も並行しておこなう必要があります。

アメリカで看護師になるのは難しい?そういわれている理由とは

「アメリカ看護師は難しい」と言われる理由は、1つの試験が難しいからではありません。

実際には、以下の 複数のハードルの組み合わせ が難易度を高く感じさせています。

アメリカ看護師の難易度を構成する5つの要素

  1. 英語の壁
     医療英語での読解・判断が求められ、日常英語とはレベルが異なります。

  2. NCLEXの出題形式
     暗記ではなく、状況判断・優先順位を問う問題が中心です。

  3. 州ごとの制度の違い
     必要条件が統一されていないため、情報整理が難しくなりがちです。

  4. 書類・手続きの煩雑さ
     学歴証明・成績証明・翻訳など、事務手続きの負担があります。

  5. 就職・ビザの問題
     資格取得後も、働き方や滞在資格の検討が必要になります。

逆に言えば、これらを1つずつ分解して対策すれば、乗り越えられないものではありません。

アメリカの看護師の特徴

職種が細分化されている

アメリカの病院では、日本と比べて職種が細分化されており、日本だと看護師がやっていることもほかの職種の仕事となっています。

例えば…

    • 患者さんの移送や病棟の清掃     → 用務員(orderly)さん

 

    • 採血                 → 採血士(Phlebotomist)

 

    • 人工呼吸器装着中の患者さんのケア  → 呼吸療法士(Respiratory Therapist)

     

    • 食事の配膳             → 食堂の担当者

(参考:米国との比較でとらえる日本の看護教育

また、アメリカにはCNA(Certified Nursing Assistants)と呼ばれる看護助手がおり、正看護師の指示のもとバイタルサインの測定や清潔・排泄介助、移動や食事の介助など、患者さんの身の回りのケアはほとんど行うことができます。

そのため正看護師は患者の状態を把握し薬剤の投与を行い、患者や家族の教育や看護記録の管理、さらにより良いケアに向けた新しいツールを導入するなどより専門性の高い業務に集中することができます。

私自身、日本の病院で働いていて「業務に追われて、患者さんにあった看護ができていなぁーい!」 ともどかしくなり、もっと業務が細分化されてくれればいいのになあと思うことが多々あります。

看護師としての業務に集中でき、専門性を発揮して仕事をすることができれば、看護師として働く私たちの仕事のやりがいや満足度も上がってくるのではないかと思います。

医師に対して対等な立場にある

日本では、看護師は医師の指示で仕事をするという概念がいまだに強くあると感じます。

もちろんベテランの看護師さんが医師に助言をしたりお説教をする光景は見かけますし、私自身も治療の方針や患者さんの生活のことで医師とバトルしたことも何回もあります。

しかしアメリカでは、看護師が医師と対等の立場にあり意見を交換することはもはや当たり前のようです。

理由は、看護師が医師に匹敵するほどの知識と自信を持って働いているからではないかと思われます。

看護師のアメリカの看護師は、正看護師の資格を取るためにかなりの努力を要します。

大学のテストで1科目でも不合格になってしまうと、看護助手(CNA)のクラスに落とされるほど大学での勉強はハード。

NCLEX(アメリカ合衆国の正看護師資格試験)での合格率や再受験率を見ても、看護師になるために並々ならぬ努力が必要なことがわかります。

このような修羅場を乗り越えてきたからこそ知識もあり、看護師としての自信につながっていると思われます。

さらに、正看護師(RN)になり2~3年の経験を積み大学院に通うことで、高度看護実践看護師(APRN:Advanced Practice Registered Nurse)のひとつである診療看護師NP(nurse Practitioner)になることができ、処方箋を出したり病気を診断したり、医師が行う業務の治療行為を一部行うことができます。

クリニックの開業も可能で、その場合の年収は1,000万円程度にもなるそうです。

日本でも2008年からアメリカを参考にして診療看護師養成制度ができ、今では10項の養成機関ができています。

しかしまだまだ数は少なく、これからの活躍が期待されるところです。

まとめ:アメリカで看護師として働くのは難しい!けどやりがいも多い!

アメリカの看護師は、専門職として確固たる地位を築いているように感じます。

多くの看護師がアメリカで働くことにあこがれを持つ理由もわかりますね。

経験者によると、アメリカで看護師として働くためには、一般的な英会話の知識はもちろんのこと、薬剤・疾患などの医療英語をとにかく覚える必要があります。

そしてNCLEXに合格した後、臨床英会話で苦労する方がいらっしゃるのも現実。

医療語学学校HLCAオンラインスクールでは、ロールプレイングを交えながら効果的に医療英語を習得できるオンラインプログラムがあります。

日本で働きながらNCLEX対策をする、NCLEX合格後にアメリカで働くため集中的に臨床英会話など、受講している看護師の学習目的はさまざまです。

医療のバックグラウンドのあるフィリピン看護師、かつ英語講師と臨床英会話を学べば、アメリカで働くときの大きな助けになることは間違いありません。

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この記事を書いた人
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医療従事者向けの医療英語スクールHLCAが運営する学習メディアの運営チームです。看護師・医師などを始め20職種以上の医療職が英語を学ぶ際に役立つフレーズや学習方法、キャリア情報を、医療英語教育の知見をもとに分かりやすく解説しています。医療現場や海外医療の情報を参考にしながら、正確で実践的な内容を発信しています。