こんにちは!ライターのReonaです!
早速ですがみなさん、「NGO」や「NPO」という言葉、聞いたことありますか?
学校で習った方もいるかもしれませんし、 このブログを読んでいる海外や国際協力に興味のある方ならなおさら、聞いたことがあるという人がほとんどだと思います。
では、「NGO」「NPO」とは一体どのような意味でしょうか?
「NGO」と「NPO」違いは何でしょうか?
なんとなく意味わかっていそうな気もするけど、説明しろと言われるとできないような…。
今日はそんなもやもやをすっきり解消するべく、「NGO「NPO」について調べてまとめてみました!
有名な団体もご紹介していくので、是非最後までチェックしてくださいね!
では、いってみましょう!
この記事のもくじ
NGOとは?
まずNGOの定義から確認します。
NGOとは、「Non-governmental Organization」の略称で、日本語では「非政府組織」と訳されます。
日本のNGOを正会員とするネットワークNGO「JANIC」によると、NGOは以下のように定義されます。
貧困、飢餓、環境など、世界的な問題に対して、政府や国際機関とは違う”民間”の立場から、国境や民族、宗教の壁を越え、利益を目的とせずにこれらの問題に取り組む団体のことです。(JANIC)
この定義にあるとおり、NGOは営利目的つまりお金を稼ぐために運営される組織ではありません。
また、政府や国際機関とは違う”民間”の立場からというのがポイントです。
広い意味では地域の市民団体から大学のサークルまで、政府系の組織でなければどんな組織もNGOと呼ぶことができます。
政府や国際機関とは違う立場だからこそ、政府では手の届きにくい場所へのきめ細やかな支援ができるのが特徴です。
活動分野は多岐にわたっており、
- 開発:貧しい地域における地域開発、農業指導、保健医療、居住環境改善、教育、職業訓練など
- 環境:植林、森林保護、砂漠化防止、生態系保全など
- 人権:難民、女性、子ども、障害者、先住・少数民族、在日外国人労働者などの人権擁護
- 平和:軍備撤廃、地雷廃絶、平和教育など
- ネットワーク:NGO間の情報交換や協同など
などがあります。
外務省とJANICが公開しているNGOデータブック2016によると、NGO ダイレクトリーに登録されている日本のNGOは、現在430団体。
活動する国は 100 カ国にのぼり、アジアに限らず中東・アフリカ・中南米・オセアニア・欧州など世界各地に広がっています。
NGOの歴史
ここでちょっと寄り道をして、NGOの歴史を見てみましょう。
NGOという団体は、いつ生まれたのでしょうか?
世界でNGOという用語が登場したのは、第二次世界大戦(1939~1945)の終わりころ。
国連が政府の専門機関と民間組織を区別しようとしたために作られた用語です。
しかしそれ以前からヨーロッパを中心に活動自体は存在しており、世界で最初の国際NGOは1839年に結成された反奴隷制協会だったのではないかといわれています。(Global policy forum)
そこから世界で社会貢献をする市民活動が増えてきたきっかけは、戦争でした。
被害を受けた被災者・難民・孤児・行方不明者の救援活動や都市の復興活動に取り組む市民団体が数多く誕生したのです。
一方、日本国内ではでは第二次世界大戦前にハンセン病患者への援助や女性の社会的地位の向上など、日本国内における救済や啓蒙を目的とした NGO がつくられたのが始まりです。
そこから「国内にはニーズが少なくなってきた」ということで、活動対象地域をアジアなど国外へ移していきました。
インドシナ難民大量流出が問題になった1979年ころには、日本の国際協力NGOが本格的に活動開始。
団体数も急増しました。
欧米に国際本部を持ついわゆる国際 NGO が日本に支部や関連団体を置く形で活動を始めたのも、この時期です。
団体の設立年代を見ても、1980年代から1990年代が多いことが分かります。
NGOの収入源は?
営利を目的としないNGOですが、組織の運営に必要な収入はどのように得ているのでしょうか?
大きく分けると、以下の4つになります。
- 寄付…マンスリーサポーターやクラウドファンディングを通じて集める寄付会費
- 会費…会員から集める年会費・月会費など
- 事業収入…講演や物販政府や民間団体から委託された事業などを通じて得る収入
- 助成金…政府や民間財団などから得られる助成金
先ほども出てきたNGOデータブック2016によると、一番大きな収入源は、「寄付」となっています。
一般企業との違いは、収益を寄付金や会費を納める賛同者に分配しないという点。
NGOがあげた収益は職員の給与や活動費など、あくまで組織の運営に関わる用途にのみ用いられます。
では、「働いている人はボランティアなの?」と思う方もいるかもしれませんが、そうではありません。
有給職員として働いている人々は、きちんとお給料をもらっています。
2017年に行われた、NGOの働く環境実態調査「NGOセンサス2017」によると、有給職員全体の平均給与は、341万円。
民間企業の正規職員の平均給与487万円(平成28年分民間給与実態統計調査結果)と比較すると、平均よりも低いということになります。
NPOとは?
さて次は、NPOの定義について確認していきます。
NPOとは、「Non-governmental Organization」の略称で、日本語では「非営利組織」と訳されます。
内閣府NPOホームページによると、
様々な社会貢献活動を行い、団体の構成員に対し、収益を分配することを目的としない団体の総称。 (内閣府NPOホームページ)
と定義されています。
ポイントは、団体の構成員に対し、収益を分配することを目的としないということです。
構成員って何??かというと、総会の議決権を持ち、重要な事項の決定に関与することができる人のこと。
「社員」や「正会員」と呼ばれたりしますが、実際に働く従業員とは異なります。
株式会社でいうと、株主にあたる人です。
つまり、会社のように株主の配当するなど、利益を上げ分配することを目的としてはいけない団体ということになります。
非営利なんだから利益を出してはいけないんじゃないの?と思われるかもしれませんが、NPO団体も事業などをとおして利益を上げることができます。
ただ、利益が出てもスタッフや会員など、関係者で利益を分配しなければいいということなのです。
分配しないということは、事業をとおして出た利益をその団体の社会的な活動のために使うということです。
NPOの歴史
NPOの歴史も見てみましょう!
NGOの歴史でも説明したように、1900年代には様々な社会貢献を行う市民団体が誕生しました。
しかし、活動を続け発展させていくためには、法人格が必要です。
そのために、1995年の95年に阪神淡路大震災がきっかけとなり、特定非営利活動法(NPO法)ができました。
日本で始めて、市民活動を支える法律ができたのです。
2001年には、新たなNPOを支える仕組み「認定特定非営利活動法人制度」が成立!
これは、実績を積み認定された団体に寄付をした人の税金が控除される、画期的な仕組みです。
NPO法人を設立するためには、決められた特定非営利活動に該当することが必要です。
例えば…
- 保健、医療又は福祉の増進を図る活動
- 社会教育の推進を図る活動
- まちづくりの推進を図る活動
- 観光の振興を図る活動
などなど。
晴れて法人格を取得すると、法人の名の下に取引などを行うことができるのが大きなメリットです。
NPOの収入源は?
NPOもNGOと同様、会費や寄付、事業収入や助成金を収入源としています。
またNPOも、働いている従業員に対してお給料が出ます。
NPO法人の有給職員の平均給与は231万円。
NGO職員よりも低い傾向にあるようです。
NGOとNPOの違いとは?
さて、これまでNGO、NPOそれぞれの活動や定義を見てきました。
では結局、NGOとNPO、違いは何なのでしょうか?
結論から言うと、NGOとNPOは明確に分類される概念ではないようです。
この2つは解釈に幅のある概念であり、それぞれの概念が生じた背景も異なっているため、正確な区別をすることが難しいとされています。
NGOもNPOも、政府からも企業からも独立した営利を目的としない市民団体という意味で、共通の立場に立っています。
そのためNPOであり、またNGOでもある団体はたくさんあります。
学生時代に国際協力NGOを起業し、その後NPO法人化まで完了させたフリーランス国際協力師の原貫太さんはこのように解説をしています。
この二つの言葉はただ似ているだけであって、両者の違いが明確に現れるような「対立概念」ではありません。対立軸で捉えるなら、
NPO(非営利組織)⇔一般企業(営利組織)
NGO(非政府組織)⇔公的機関(政府機関)
となりますからね。 (原貫太のブログ)
つまり、
政府や国際機関との違いを強調した名称が、NGO(非政府組織)
営利組織(企業など)との違いを強調した名称が、NPO(非営利組織)
ということになりそうです。
また、このような解説もありました。
NPOとの一番の違いは、NGO法人という団体は存在しないということです。
実は日本にはNGOに法人格を与える制度が存在しないため、NPO法人はあってもNGO法人はありません。
そのため日本国内でNGOと呼ばれる団体は、実際は以下のいずれかに該当する団体です。
・法人格をもたない任意団体
・NPO法人
・社団法人
・財団法人
(シャンティブログ)
NGOの中でも、色々な法人格を持つ団体があり、その中の一つがNPO法人ということですね!
ちなみに、NGO の法人格で最も多いのは「特定非営利活動法人(NPO 法人)」で 293 団体(68.9%)を占めています(NGOデータブック2016)。
(社団法人・財団法人については、説明すると長くなってしまうので割愛します。)
結果的に、NGOとNPOは似ている言葉ではありますが、違いはこれ!と一概には言えないようです。
有名なNGO・NPO団体
では最後に、有名なNGO・NPO団体について紹介していきたいと思います!
国境なき医師団(Médecins Sans Frontières=MSF)
一番有名なNGOといえば、やはり国境なき医師団でしょう。
正式名称は、特定非営利活動法人国境なき医師団日本(認定NPO法人)です。
フランスの医師とジャーナリストからなるグループが1971年に設立した団体で、1992年に日本事務局が発足しました。
世界各地に38事務局を設置し、主な活動地はアフリカ・アジア・中東・中南米。 2019年は70ヵ国以上で活動しました。約4万7000人の海外派遣スタッフ・現地スタッフ・事務局スタッフが世界各地で働いています(2018年)。
(国境なき医師団)
アムネスティ・インターナショナル日本
アムネスティ・インターナショナルは、1961年に発足した世界最大の国際人権NGOです。
日本支部が誕生したのは、1970年。 正式名称は、公益社団法人アムネスティ・インターナショナル日本です。
人権侵害のない世界を願って取り組んでいる団体で、女性や子どもの権利、企業の社会的責任、難民と移民の権利、死刑制度の廃止など多岐にわたります。
その功績が認められ1977年にはノーベル平和賞を受賞。
現在は世界で700万人以上がアムネスティの運動に参加しています。
難民を助ける会 (AAR Japan)
AAR Japan[難民を助ける会]は1979年に設立された、日本生まれの国際NGOです。
正式名称は、特定非営利活動法人 難民を助ける会 (AAR Japan)。
インドシナ難民を支援するために、 政治・思想・宗教に偏らない市民団体として、前会長の相馬雪香が設立を呼びかけました。
現在世界15ヵ国で難民支援や被災者支援、地雷対策、障がい者支援などを実施しています。
まとめ
- NPOとNGOは明確な違いが表れる概念ではない。NPOでありNGOである団体も多く存在する。
- NGOのもととなる市民団体は戦争をきっかけに多く生まれた。
- NGO・NPOともに収入源は寄付金・会費・事業収入・助成金など。
- NGO・NPOで働く有給職員は一般企業で働く職員よりも平均給与が低い。
少し難しかったですが、NGOとNPOについて、理解が深まったでしょうか?
困っている人を助ける、社会を少しずつ変えていく活動は、何物にも代えられない素晴らしい仕事だと思います。
また有名なNGO団体を見ると、国の垣根を越えて世界中で活動する団体が多くあることが分かります。
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