医師の医療英語とOET対策|HLCAでオーストラリアを目指したICU医師の体験談

miku
公開日:2025.12.15
更新日:2025.12.15
オーストラリアで医師として働くYさんのイメージ

今回は、HLCAオンラインで医療英語を学び、 ECMO・移植・集中治療の世界で海外キャリアに挑戦している日本人医師のインタビューをお届けします。

海外で働きたいと思ったきっかけや、英語を学び始めたきっかけ、HLCAで学ぶことにした理由や実際に学んでみた感想、海外で働いてみての感想などをお話いただきました。

この記事では 「医師が英語を学ぶ意味」「どんなステップで医療英語を身につけたのか」 そして「日本と海外の集中治療・移植医療のギャップ」について紹介していきます。

 

【この記事の要約】

・原点は「海外に住んでみたい」「研究を海外の人と行う挑戦をしてみたい」という憧れ

・コロナ禍に日本で海外大学の集中治療(ICU)オンラインコースを受講したことが、「医学英語をちゃんとやろう」と思う転機に

「医学英語を体系的に学べて、価格・教材・レッスン数のバランスが良かった」HLCAを選択

・一般英会話 → 医療英語 → OET対策へと、医師として必要な英語を段階的に学習

OETではリスニングに苦戦しつつも、最終的にオールBを取得

・海外での病院見学で、“ECMO歩行リハビリ”を目の当たりにし「海外で本気で集中治療を学びたい」と決意

・現在はオーストラリアの研究施設で心臓・ECMO・移植の研究に従事し、将来の臨床ポジションも視野に入れている

 

 

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この記事のもくじ

医療英語に興味を持った理由:医師として海外に目を向けた背景

「いつか海外で働きたい」若手医師として抱いた漠然とした憧れ

本格的に英語を学ぶ前から、Yさんの中には

「いつか海外に住んでみたい」「海外の医療現場を見てみたい」

という気持ちがありました。

医師には研究留学や博士号取得後の海外研究室勤務といったキャリアがあります。

臨床業務と研究を続ける中で、その思いは少しずつ現実味を帯びていきました。

転機になった海外集中治療コースとオーストラリア留学の打診

日本にいながら受講できた「集中治療インセンティブコース」との出会い

2020年、コロナ禍の真っただ中。

海外大学が提供する 集中治療(Intensive Care)オンライン1年コース を知ったことが大きな転機でした。

若手医師も参加できたことや、日本にいながら海外の医師とともに世界水準の集中治療を学べるという魅力から、「挑戦するしかない」と受講を決意したそうです。

海外ICU医との交流が“医学英語を本気でやる理由”に変わった

コースでは海外の集中治療医とコミュニケーションを取る機会もあり、その環境がYさんの意識を一変させました。

「専門家同士で議論するには、医学英語をもう一段深く理解する必要がある。」

英語は“スキル”ではなく「ICUチームの一員として議論に参加するための必須ツール」と位置づけが変わっていきました。

オーストラリアを選んだ理由:専門医資格とOETで臨床への道が開ける国

海外への憧れ、思いが強まる中、オーストラリアにいた研究者に自分からアポイントメントを取りました。

「心臓、ECMO、移植医療、体外循環など、自分の興味の中心にある領域を扱う大動物実験施設があると聞いて、“ここなら深く学べる”と感じました。」

さらにオーストラリアは、医師として専門医資格とOETで一定のスコアがあれば臨床ポジションが現実的に開ける国でもあります。

まずは研究から始めて、OETが取れれば臨床にも挑戦できる。その“伸びしろ”が見えていたのも、オーストラリアを選んだ理由です。

医師として体系的に医学英語を学べる場所を探して見つけたのがHLCA

学習を検討していた当時、医療英語を扱うスクールは多くありませんでした。

特に 医師向けの医学英語を体系的に学べる場所 はほぼゼロ。

複数スクールを比較した結果、ICU・ECMO・麻酔・オペ室など、集中治療領域の教材が揃っていた HLCAを選択

医療者講師の存在や、過度に高額すぎない料金設定が大きな決め手となりました。

HLCAを選んだ理由:医師が必要とする“医学英語”を学べる希少な環境

医療英語を勉強する男性の手元

医学英語に特化したカリキュラムは当時ほぼ皆無だった

一般英会話やビジネス英語のスクールでは集中治療・ECMO・術後管理などの自分の専門医療英語はカバーしきれません。

HLCAは、「臨床現場」で使う表現が整理されている数少ないスクール でした。

価格・期間・レッスン量のバランスが医師に合っていた

HLCAは144ポイント(週3コマ×約1年間ペース)で受講。

医師の忙しさと金額を考えると、医学英語をしっかり積み上げられる“現実的なライン” にあったといいます。

(学習は週1回ペースから選択可能です)

ICU・麻酔・ECMO・オペ室の現場で使う英語が揃っていた

教材の“現場感”はYさんにとって重要ポイントでした。

・ECMO・人工呼吸器

・麻酔薬・術野の指示

・ICUの急性期対応

・バイタル・検査

・オペ室器具の英語名

など、医師として実際に使う単語・表現が整理されていたことが大きな魅力でした。

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HLCAでICU医として準備したこと:基礎英会話から専門英語・OET対策へ

まずは一般英会話でアウトプットの土台を作る

いきなり医療英語を学ぶのではなく、最初は 一般英会話で“英語で話す”基礎づくり を行いました。

一般英語とは言っても自分がどういう仕事をしているのかという説明や、研究内容をやさしい英語で話すなどの内容を行うことで、医療英語で必要なアウトプット筋力が養われました。

集中治療領域の医療英語にステップアップ

基礎が整ってきた段階で医療英語レッスンへ移行。

・ICU

・麻酔

・ECMO

・術後管理

・オペ室コミュニケーション

など、自分が興味を持つ集中治療領域を重点的に学べたことで、知識が英語で整理されていきました。

受講後半はほぼOET一択へ:臨床留学を見据えた学習に集中

研究の留学を見据えての準備をしていましたが、せっかくなら海外での臨床にもチャレンジしてみたいという思いを持つようになり 後半は OET対策に集中

医療者講師が多いHLCAだからこそ、患者役のロールプレイも「臨床さながら」で練習できたと語っています。

忙しい医師・大学院生活の中で、どう医療英語の学習時間を捻出したのか

大学院・臨床と両立:夜の時間に「先にレッスンを入れておく」という戦略

大学院と臨床を両立していた時期、Yさんの生活に余裕はほとんどありませんでした。

その中でも意識していたのは、「まずレッスンを予定に入れてしまうこと」です。

当番ではない日や比較的早く上がれそうな日は、あらかじめ夜の時間にHLCAのレッスンを予約。

「先に予定に入れてしまえば、あとはやるしかないので続けやすかったです。」

「時間が空いたらやる」のではなく、「レッスンを起点に一日の予定を組む」ことで、学習時間を確保していました。

ポイント制を“強制力”に変える:予約してしまえば続けられる

HLCAのポイント制も、学習継続の後押しになりました。

「残りポイントが減っていくのを見るのが、ちょっとした楽しみでした。せっかくお金を払ったので、無駄にはしたくないという気持ちもあって。」

レッスンを消化していくプロセスも楽しむ工夫をしていたと話します。

自習だけでは続かないからこそ、“話す場”を定期的に確保した

「正直、HLCA無しで自習だけだったら続かなかったと思います。」

医療英語は、

・患者さんの反応を見ながら説明する

・不安に寄り添いながら話す

・質問に対して、適切な言葉で答える

といった対話型のスキルが求められます。

YさんにとってHLCAは、

・強制的に英語を話す時間

・医療英語を“使ってみる”実験の場

を定期的に確保できる場所でした。

そのおかげで、勉強自体を生活の一部として続けられたと振り返ります。

H2-7.医師向けOET対策の結果:医療職バックグラウンドを持つ講師陣

OETを勉強する日本人男性医師の手元のイメージ

OETライティング:紹介状の「型」を叩き込んで、初回からBを取得

OETライティングでは、医師におなじみの**紹介状(referral letter)**の型を徹底的に練習しました。

「書く順番が決まっているので、あとは内容を埋めていく感覚でした。」

  • HLCAで“型”を体に染み込ませたこと 
  • 普段から日本語で紹介状を書き慣れていたこと 

この2つが相まって、初回からライティングはBを取得できたそうです。

リーディングよりも、スピーキング・リスニングで大きな伸びを実感

OETの勉強を通して、特に伸びたのはスピーキングとリスニングでした。

リーディングは論文で慣れていたので、それほど困りませんでした。

一方で、スピーキングとリスニングはHLCAがなければ伸びなかったと思います。

HLCAのレッスンでは、

・患者役とのロールプレイ

・症状説明やインフォームドコンセントのシミュレーション

を何度も繰り返し、“臨床でそのまま使える英語”として定着していきました。

OETスコアの推移:リスニングにつまずきながらも、最終的にオールBへ

スピーキングやライティングは比較的早くBに届いたのですが、リスニングだけは何度受けてもあと一歩でした。

オンラインのOET専門スクールも併用しながら、粘り強く対策を続けた結果、5回目の受験でオールBを達成

臨床留学に必要な条件をクリアしました。

最後までリスニングは苦戦しましたが、HLCAで耳慣れしていたからこそ、諦めずに続けられたと思います。

医療職経験のある講師・チャールズ:患者役がリアルだから本番に強くなる

OETスピーキングでは、医療バックグラウンドを持つ講師・チャールズの存在が印象的だったと話します。

「チャールズの患者役は本当にリアルで、“こういう患者さんいるよな”と思いながら練習できました。」

痛みや不安を抱える患者さん役に対して、

・共感を示す

医療的な説明を英語で伝える

・それでも必要な治療へ導く

というOET本番そのままのやりとりを繰り返し練習できたことが、大きな自信につながりました。

海外のOETスクールと比較して感じた、HLCAならではの強み

Yさんは、海外のOETオンラインスクールも併用していましたが、その中で改めて感じたHLCAの強みは次の2点です。

・医療職バックグラウンドのある講師が患者役を演じてくれる

ロールプレイの質が高く、毎回が“ミニ実戦”になる

海外のスクールでは、受講生同士で患者役をやることも多く、ロールプレイがうまく回らないこともありました。

HLCAは講師側が医療事情も医療英語も理解しているので、本番に近い練習ができたと感じています。

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オペ室の器械名からECMOまで:オーストラリアの現場で「そのまま使えた」医療英語

「ペアン」「鉗子」がすべて“forceps”に?器械名がまったく違う世界

実際に海外の臨床・研究現場に出て、Yさんが驚いたのは器械名の違いでした。

日本語だと“ペアン”“鉗子(セッシ)”と呼ぶものも、英語だと“forceps”だったりと、単語がまったく違うんです。

HLCAのテキストでオペ室の器械名を先に学んでいたことで、現場で耳にした単語をすぐに理解でき、大きな助けになったといいます。

電気メスや麻酔器など、HLCAで習った用語がそのまま使えた

オペ室の器械名だけでなく、

・麻酔

・術中の指示語

・体外循環関連の表現

なども、HLCAの医療英語教材であらかじめ学習していました。

実際の現場で英語の器械名を呼び合うときに、“あ、HLCAでやった用語だ”と思う場面が何度もありました。

オーストラリアの大動物実験施設でもフル活用:ICU・ECMO研究の現場で再確認

現在Yさんが所属する大動物実験の施設は、人間のオペ室とほぼ同じ設備を持つ研究環境です。

・麻酔器

・ECMO回路

・心臓・移植関連の手技

などが揃った中で、手術中のやりとりはすべて英語。

“こういう場面でこの単語を使うのか”と、HLCAで学んだ医療英語を実地で再確認できました。

オペ室・ICU・ECMOといった高度医療の現場で、そのまま使える英語を事前に学べたことは、オーストラリアで働くうえで大きなアドバンテージになっているといいます。

 

アメリカの病院見学で見た“ECMO歩行リハビリ”が、「海外でやりたい」を決定づけた

H3-9-1.ECMOやインペラをつけたまま歩く患者たち――日本では見られない光景

HLCAと海外集中治療コースを並行していた時期、ご縁があり、アメリカの病院を見学する機会がありました。

ECMOやインペラをつけた患者さんが、普通に歩行リハビリをしていたんです。

日本ではまず見られない光景で、本当に衝撃的でした。

特にVV ECMOを装着した移植待機中の患者が、食事をし、歩き、リハビリをしながら“肺を待つ”姿は強烈だったといいます。

移植医療・集中治療を本気で学ぶために、海外に出る決意を固めるまで

ECMO歩行リハビリや移植待機の現場を見て、

集中治療の在り方や患者の覚悟医療システムの違いなどあらゆる点で日本とのギャップを痛感しました。

“ここで集中治療を学びたい”という気持ちが、迷いなく固まりました。

この時点で、HLCAで学んでいた医療英語は「海外に飛び込むための武器」へと、はっきり位置づけが変わりました。

 

日本と海外の移植・集中治療のギャップと、「英語で議論すること」の意味

日本人医師がオーストラリアの医師とディスカッションする様子

ECMOをつけたまま移植を待つ患者が“当たり前”にいる国と、そうでない国

海外で感じたのは、 特に大きく感じたのが移植医療のスピードと患者の姿勢の違いでした。

アメリカでは、ECMOをつけたまま移植を待つ患者さんが普通にいます。

日本ではドナー数が少なく、“ECMOをつけたまま移植を待つ”場面は非常に限られています。

患者側の病状理解や覚悟にも、大きな違いを感じたと言います。

制度・文化の違いを、英語で説明し、問い返し、議論できるかどうか

海外の医師たちと議論する中で、「なぜ日本ではその治療ができないのか?」と問われる場面が少なくありません。

その時に、日本で移植件数が少ない理由や制度・倫理基準・保険の違いといった文化的背景を英語で語れることも、大事なコミュニケーションだと思いました。

AI翻訳の時代でも、「人対人のコミュニケーション」は決してなくならない

翻訳やAI技術が進化しても、医療現場で求められるのは人対人のコミュニケーションです。

AIで翻訳はできますが、“患者さんの不安をどう受け止めるか”“どう伝えるのが適切か”は人間の役割だと思っています。

特に集中治療や移植のような領域では、英語で正しく伝え、相手の意図を汲み取る力はこれからも必要だと感じています。

医師が英語を学ぶメリット:「つながり」と「選べるキャリア」が増える

英語ができるからといって、すぐに年収が上がるわけではない

正直、日本で働く限り、英語ができてもすぐに年収が上がるわけではありません。

日本の医療システムでは、収入に影響するのは主に臨床報酬や役職、勤務形態です。

英語力そのものが給与に直結する場面は、まだ多くありません。

それでも学ぶ理由:海外チームとの共同研究・臨床コラボに参加できるかどうか

それでも英語を学ぶ理由ははっきりしています。

給料よりも、“つながり”と“選べるキャリアの幅”が圧倒的に増えるんです。

英語ができることで、

海外チームとの共同研究、多施設共同研究のミーティング、海外の専門家とのディスカッションに参加できるようになり、 キャリアの可能性が大きく広がります。

「1億人としか話せない」のか、「70億人と議論できる」のかという違い

日本語だけだと、基本的には1億人としか話せません。

ですが英語ができれば、70億人と議論できると言っても大げさではないと思います。

情報の速さ、学べる内容、出会える人、誘われるプロジェクト。

そのすべてが、英語によって大きく変わっていきます。

英語は、単なるスキルではなく“選べるキャリアの数そのものを増やす力”だと感じています。

これから医療英語を学ぶ医師・医療者へのメッセージ

医療英語とキャリアのステップアップのイメージ

運もご縁も、「準備をしている人」にしか降りてこない

運やご縁は、準備している人にしか降ってこないと思っています。

留学も海外臨床も研究コラボも、最後は“運”とタイミングの要素がありました。

ただ、その運は準備していない人のところには来ないとも感じています。

準備をしている人にこそ、大きなチャンスが巡ってきます。

まずは一歩、医療英語の環境に飛び込んでみてほしい

まずは一歩踏み出して、“医療英語の環境”に飛び込んでみてほしいです。

自分の専門領域を英語で話してみるだけでも、新しい世界が広がります。

英語で話してみて初めて気づくこと、海外の医療者とつながって初めて見える景色があります。

小さな一歩でもいい。

英語で医療を話す経験は、数年後に必ず“チャンスを引き寄せる力”になります。

▼無料カウンセリングのご案内

ここまで読んでくださった方の中には、海外での医師としてのキャリアや英語の学習に興味を持った方もいるかもしれません。

HLCAでは、 医師をはじめとする全医療者の方を対象にした「無料カウンセリング」を行っています。

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・現在の英語力に合わせた学習プラン

・どのスキルから、どの順番で伸ばすべきか

・各診療科のテキストや学び方のご紹介

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この記事を書いた人
miku

看護師として企業勤務を経験後、インドへ。インドで生活をしながら英語を習得し、TOEIC860点に。現在は帰国し、HLCAスタッフとして、カウンセリングを担当するほか、WEBライターとして活動している。