発展途上国の英語レベルが高い!現地で働く方法とは?

nico〔ニコ〕
公開日:2020.07.29
更新日:2022.03.25

【更新:2021年10月5日】

グローバル化の中で世界各国の関わりが深まる昨今。

中でも発展途上国は今後さらなる成長が見込まれており、日本人からも注目が集まっています。

そんな発展途上国の成長に、実は英語が関わっていることをご存知でしょうか?

本記事では、急成長中の発展途上国の英語レベルや、発展途上国で働く方法などをご紹介します!

発展途上国の英語レベルが気になっている方や、発展途上国での働き方を知りたい方は必見です!

そもそも発展途上国って何?

そもそも、発展途上国とは何なのでしょうか?

発展途上国とは、一般的に経済協力開発機構(OECD)が発表している「ODA(政府開発援助)受け取り国リスト」にある国のことを指します(参考:IDE-JETRO)。

このリストにある国は、OECDから援助金であるODAを受け取ることが可能です。

ちなみに、発展途上国は英語で『developing country』と呼ばれています。

リストには、以下の基準のどちらかを満たしている国が掲載されます。

① 世界銀行によって「高所得国」以外に分類される国々(2016年時点の一人当たり国民所得(GNI)が12,235米ドル以下の国々)

② 国連によって後発開発途上国(Least Developed Countries)に分類される国々(一人当たり国民所得(GNI)、人的資源指数(HAI)、経済脆弱性指数(EVI)によって判断される)

(引用元:IDE-JETRO

ODA支援国は、世界銀行と国連の分類を基準に決定されているのです。

世界で人口が多い国々トップ20のうち、発展途上国は2020年現在17ヵ国を占めており、そのマンパワーの大きさがうかがえます。

No. 国名 人口
1 中国 約14.3億人
2 インド 約13.8億人
4 インドネシア 約2.7億人
5 パキスタン 約2.1億人
6 ブラジル 約2.1億人
7 ナイジェリア 約2億人
8 バングラデシュ 約1.6億人
9 ロシア 約1.4億人
10 メキシコ 約1.2億人
12 エチオピア 約1.1億人
13 フィリピン 約1.08億人
14 エジプト 約1億人
15 ベトナム 約9700万人
16 コンゴ民主共和国 約8900万人
18 トルコ 約8400万人
19 イラン 約8300万人
20 タイ 約6900万人

(参考:世界の人口 国別ランキング・推移(国連)

※発展途上国には「開発途上国」や「新興国」などといった呼び方もありますが、本記事ではより一般的な「発展途上国」という呼び方で統一します。

あくまで分かりやすくするためで、差別的意図は一切ないことをご了承ください。

発展途上国の経済成長率がすごい!

発展途上国は近年めきめきと力を付けていると言われています。

その証拠に、2020年の世界経済成長率ランキングでは、上位20か国のうち17か国が発展途上国となっているのです。(参考:世界の経済成長率ランキング

ちなみに日本の経済成長率は105位です。2019年の170位からランクアップしているものの、今後の動向は予測がつきません。

今後さらに発展途上国の力がつき、日本との差が縮まっていくことも考えられます。

経済成長率が高い発展途上国は英語以外も話せる!

世界経済成長率トップ20に入った発展途上国18か国は、全ての国が多言語を話します。

英語が使われている国は6カ国です。

実際に表で見ていきましょう!

太字:公用語

No. 国名 言語
1 ガイアナ 英語、インディヘナの言語(アラワク語、アカワイオ語、ワイ=ワイ語、マクシ語など)、ガイアナ・クレオール語、ヒンディー語、ウルドゥ語
2 エチオピア アフロ・アジア語族(セム語派、オモ語派、クシ語派)、ナイル・サハラ語族など
3 ギニア フランス語、他各民族の言葉
4 タジキスタン タジク語、ロシア語、ウズベク語、キルギス語、コワール語、シュグニー語、パミール諸語、ヤグノビ語
5 バングラデシュ ベンガル語英語、ウルドゥー語
6 エジプト アラビア語エジプト語、フランス語
7 ミャンマー ビルマ語、少数民族諸語
9 ベトナム ベトナム語、英語、クメール語、フランス語、ロシア語
11 コートジボワール フランス語、ジュラ語、バウレ語、セヌフォ語、ベテ語など
12 中国 中国語
13 ベナン フランス語、フォン語、ヨルバ語
14 トルコ トルコ語、クルド語,ザザギ語,スワヒリ語など
15 ウズベキスタン ウズベク語ロシア語、タジク語など
16 イラン ペルシャ語、アゼルバイジャン語、クルド語など
17 ブルネイ マレー語、英語、中国語,ブルネイ語など
18 ニジェール フランス語、各民族の言語
19 タンザニア スワヒリ語英語
20 ガーナ 英語、アカン語、ダバニ語など

(参考:世界の経済成長率ランキングWikipedia

これだけグローバル化が進んだ世界では、発展途上国の言語力が武器となっていることは間違いないでしょう。

日本も英語はもちろん、取引相手国の言語を話せることが必須になってくるかもしれません。

発展途上国では英語が通じるのか?

今年の調査結果によると、経済成長の盛んな発展途上国のうち英語がメインで使われているのは6ヶ国。

「他の国に行くなら、英語は役に立たないでは?」と思う方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。

発展途上国で英語が必要な理由は、やはり世界の共通言語としての役割が大きいことが挙げられます。

statistaの調査によると2021年世界で1番話されている言語は英語。

海外ボランティアなどで現地へ行く場合、現地の人々が現地語しか話せないこともあり、その通訳と「英語」を介してやりとりをすることもあります。

また、ボランティアのメンバー同士の共通言語は英語になってくるため、発展途上国に行くにはもはや英語は必須とも言えるのです。

日本の英語力は発展途上国27か国より下!

では、日本の英語力は一体どのぐらいなのでしょうか?

スイスに本部を置く国際語学教育機関『EFエデュケーション・ファースト』の2020年調査によると、英語を母語としない100か国のうち、日本の英語力は前年よりも2位下がった55位で、5年連続で「低い能力レベル」と認定されています。(参考:nippon.com

ちなみに、韓国(32位)、中国(38位)に比べても遅れをとっている状況です。

そして日本より英語レベルが高い54か国中、27か国が発展途上国となっています。

No. 国名
12 南アフリカ
15 セルビア
17 ルーマニア
22 ケニア
27 フィリピン
30 マレーシア
33 香港特別行政区
34 ナイジェリア
36 コスタリカ
38 中国
40 ベラルーシ
44 ウクライナ
45 マカオ
46 ボリビア
47 ジョージア
50 インド

(参考:nippon.com,世界最大の英語能力指数ランキング

他の発展途上国がさらに英語力をつければ、日本のランクはさらに下がり、経済でも差を縮められるかもしれません。

競争の激しい国際社会では、英語が話せる発展途上国の伸びしろはまだまだありそうです。

発展途上国27か国の英語力が高いのはなぜ?

日本より英語力が高い発展途上国27か国ですが、一体どのように英語を身に着けたのでしょうか?

また、非英語圏でよく見られる「訛り」はないのでしょうか?

ここでは、27か国12位の南アフリカ、英語講師も多い27位フィリピン,日本のお隣38位中国、訛りで有名な40位インド、そしてベトナムについて、英語教育と訛りを見ていきたいと思います!

南アフリカの英語教育と訛り

南アフリカは、イギリスの植民地だった影響で公用語に英語が組み込まれています。

新聞や学校教育などで広く英語が用いられ、英語は非常に身近な言語です。

英語に限らず、民族によって言語が異なるため、小学校低学年から多言語の学習が始まります。

南アフリカ特有の英語表現も多いですが、イギリス英語に近い流暢な英語です。

フィリピンの英語教育と訛り

フィリピンはアメリカの植民地だった影響で、公用語に英語を採用しています。

方言が多いため、フィリピン人同士でも出身地が違えば英語で話すそうです。

映画やテレビ、新聞も英語で、小学校から毎日英語の授業が行われます。

アメリカ英語の影響を強く受けていますが、スペインの植民地だった時代もあるため、スペイン語訛りやフィリピン語訛りが強いことも

大卒の人などは教育レベルが高く、訛りが少ない傾向にあります。

中国の英語教育と訛り

中国では2001年から「使える英語」の習得を目指し、小学校3年生から週4回以上の英語授業を導入しています。

学校によっては小学校1年生から週5回の英語授業を行っているところもあるそうです。

thの音がsに置き換わる(thinkがsinkに聞こえる)、vがwに置き換わる(veryがウェリーに聞こえる)などといった中国訛りがあると言われています。

インドの英語教育と訛り

インドはイギリスの植民地だったため、イギリス訛りの影響を受けた英語が広く使用されています。

ヒンドゥー語も混ざったその訛りは独特で、『ヒングリッシュ』とも呼ばれます。

具体的にはRが「ル」の発音になる、スピードが速いなどが特徴です。

インドには政府が運営する無料の「ガバメントスクール」と有料の私立学校「パブリックスクール」があり、英語の授業があるのはパブリックスクールのみとなっています。

ベトナムの英語教育と訛り

ベトナムは、フランスの植民地だった影響で1980年代までフランス語教育に力を入れていました。

しかし、1986年の「ドイモイ政策」以降は英語一辺倒の外国語教育となっています。

英語教育が始まるのは、基本的に初等教育の6年制です。

若い世代など一部では、日本語や中国語、フランス語などを学習しています。

英語はベトナム語訛りが強く、tやpなどの子音を発音しないのが特徴です。

具体的にはmapが「マッ」、I like~が「アイライッ」などのようになります。

おまけ:日本の英語教育と訛り

日本の英語教育は、これまで中学校からの必修科目とされてきました。

小学校では必修科目になるまでの『準備期間』が設けられていましたが、ついに2020年から小学校でも必修化されています。

日常ではほぼ日本語しか使用しないため、日本人にとって英語は縁遠い印象が強いです。

一方、英語など外来語をもとにしたカタカナ語が普及しており、日本人の英語に影響を及ぼしています。

例えば、日本人がよく使う「コンセント(consent)」は、英語で「同意、承知」といった意味で、日本語の「コンセント」という意味はありません。

コンセントは英語で差す方を「plug」、差される方を「outlet」などといい、全く違った単語になってしまうのです。

発音も、「Thursday(木曜日)」などに出てくるthやrといった音に日本人はとても苦労します

そのため、「サーズデイ」など発音しやすい音に直してしまうのが日本人の英語の特徴です。

英語を使って発展途上国で働こう!

「勢いのある発展途上国で働いてみたい!」

「発展途上国のさらなる成長のお手伝いがしたい!」

そんな思いを抱かれている方に、発展途上国で働く方法をご紹介します。

英語を使った仕事も満載です!

①現地の企業で働く

「発展途上国の経済成長の波に乗りたい!」という人は、現地の企業に就職するのがおすすめです。

英語を喋れる人が重宝されるのはもちろん、日系企業なら英語力不問で働けることもあります。

マイナビ転職Careerjetなどの求人サイトには発展途上国の求人も掲載されていますので、定期的にチェックしてみましょう!

②NGOで働く

「低賃金でもいいから、発展途上国の成長につながる活動がしたい!」という方は、NGOでの勤務がおすすめです。

NGOとは『Non-governmental Organization』の略で、発展途上国などの支援を行う民間団体のことを指します。

利益が目的ではないので賃金は高くありませんが、発展途上国の成長に携われるやりがいある仕事です。

JICA海外協力隊や、国際協力NGOワールド・ビジョン・ジャパンなどのNGOで採用情報をチェックしてみましょう。

③現地で起業する

「伸びしろが大きい発展途上国で自分の力を試したい!」という人は、現地で起業するという選択肢もあります。

発展途上国は法律が整っていないことも多く、決して簡単ではありませんが、自身の目標や夢がハッキリしている人には1つの道です。

日本のアパレルブランド『マザーハウス』は、社長の山口絵理子さんが「発展途上国の根本的な発展を支援したい」という思いからバングラデシュで立ち上げたブランドとして有名です。

現地で叶えたい目標がある人は、チャレンジしてみるのも手でしょう。

その際は必ず現地とのコネクションを作り、プランをしっかり練って進めることをおすすめします。

④ボランティアで働く

「賃金はいらないので、発展途上国に何かしら貢献したい!」という人は、現地のボランティアがおすすめです。

発展途上国は食料の普及や医療の拡充が遅れていることが多く、先進国の知識や技術が必要とされています。

プロジェクトアブロードactivoなどの団体では多くのボランティア活動が行われているので、興味がある方はぜひ申し込みをしてみましょう。

発展途上国では英語スキルが成功への近道!

発展途上国では、英語などの言語スキルが他国と競争する武器となっています。

現地語も話されますが、メインの言語は英語。

発展途上国に負けないため、もしくは発展途上国に貢献していくためにも、日本人に英語力が求められていくのは必須といえそうです。

ぜひ今のうちに英語スクールなどで英語力を磨いておきましょう!

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この記事を書いた人
nico〔ニコ〕

大学卒業後、病院で3年間看護師として勤務し現在はベトナムに移住。医療従事者としての経験、海外居住の経験から日本人医療従事者も英語を学ぶべきと痛感。そのような経験からHLCA BLOGにて医療英語の必要性や海外の医療現場の情報を発信しています。