突然ですが、英語を勉強していくにあたって自分の英語力がどれくらいあがったか、どうやって判断していますか?
前回ご紹介した医英検を受けたりTOIECやIELTSなどを受けたり、方法はいろいろありますね。
今回のテーマは、英語力を測る指標のひとつ、「CEFR」!
というのも、HLCAでは英語力を測る指標としてCEFRを使用しているのです。
これは、外国語を学習する人の言語能力を表す指標のことで、現在では世界中で使われています。
もうすでに知っている方も、初めて聞いた方も、CEFRについて一緒に学んでみましょう!
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1.CEFRとは
まずはじめに、CEFRとは何か、です。
CEFRは、Common European Framework of Referenceの略で、ヨーロッパ言語共通参照枠と訳します。
母国語ではない外国語を学ぶ人たちがどれくらい言語を習得したか(特にどのくらいコミュニケーションがとれるか)、を分かりやすく示すために用いられる枠組みです。
英語だけでなく、ドイツ語やフランス語などヨーロッパの言語に対応できるように作られています。多言語に対応した指標を作るのはとても難しそうですが、いったい誰が作ったのでしょう。
CEFRは、20年以上にわたる研究を経て、2001年に欧州評議会(Council of Europe)によって作成されました。
ちなみに、欧州評議会とは国際社会の基準を決めるための国際機関として,フランスのストラスブールに設立された機関です。
47か国が加盟しており、日本はオブザーバー国となっています(発言権はあるけど投票権はない国をオブザーバー国といいます)。
CEFRを使えば、「私は英語はB2レベルだけどフランス語はA3レベル!」などのように習得の状況を明確にすることができます。
(レベル分けについては後ほど説明します。)
ヨーロッパでは、大学入試の際や履歴書などに「CEFRで〇〇レベル」と書けばどこに行っても通用するそうです。
さらにヨーロッパだけでなく世界中で認知されてきており、世界基準の指標となってきています。
HLCAがCEFRを使用しているのも、世界基準で英語力を評価するためです。
セブでは元々基準が学校によってばらばらで、他の国からいらっしゃった生徒さんのレベルを測るのが困難でした。
世界基準のCEFRを使ってレベルを明確にすることで、他の国からいらっしゃった生徒さんも、HLCAを卒業してこれから違う学校に通われる生徒さんも、どこに行ってもレベルに合った効果的な学習を受けることができます。
今後セブ でも国際基準のCEFRに統一されていく流れとなっています。
2.なぜCEFRが作られたのか
陸続きのヨーロッパでは、色々な国の言葉が飛び交っています。
ヨーロッパ全体でみると55.9%の人が母国語以外に2か国の外国語を学習しているそうです。
(1か国の外国語を学習している人は99.8%!)。
(参考:Euronews http://www.euronews.com/2016/02/04/polyglot-or-polynot-a-look-at-language-skills-across-the-eu)
EUも言語の多様性の理解や習得を推進していて、ヨーロッパでは多言語を話すのは一般的なようです。
医療の現場でも日本の比にならないくらい、色々な国の言葉でコミュニケーションをとっているのではないでしょうか。
そのような多言語が飛び交うヨーロッパでは、一つの言語だけではなくそれぞれの言語に対応した語学力評価の指標が必要になってきました。
そこで、ヨーロッパのすべての言語に適用できるような学習状況の評価や指導の方法を提供することを目的に、CEFRが作られたのです。
陸続きですぐに隣の国に行けてしまうということも、多言語学習の必要性を高めている気がします。
日本ではなかなかない感覚です。
スケールは大分違いますが、東京に住んでいる人が青森に行ったら、全く違う言葉を話しているというイメージなのでしょうか…。
3.レベル分けと他の基準との比較
CEFRは通常6段階でレベル分けを行っています。
(引用:文部科学省HP 大学入試英語成績提供システム参加予定の資格・検定試験とCEFRとの対照表)
HLCAでは、それにStarterのA0を加えた7段階でレベル分けを行っています。
これらのレベル分けについてはCEFRで示されているCan-doリストがあり、それに沿って各学校で問題が作成されているそうです。
CEFRは「聞く」「読む」「話す」「書く」の4技能を総合的に評価する指標のため、それぞれの項目の中に細かいCan-do チェックリストがあります。「これができたら〇〇レベル!」というものです。
欧州評議会のHPに膨大な量のチェックリストの概要が載っていたので、見てみたのですが、量が多すぎて途中で見ることをやめてしまいました。(笑)
気になる方は、セルフチェック用に簡略化したものがあったのでこちらをご覧ください。
4技能を相互的に評価するという点ではより実践的で、コミュニケーションツールとして使えるかどうか、を判断する基準となっていますね。
日本では中学・高校(+大学)と英語を習ってきましたが、いざコミュニケーションをとるとなると、言葉が出てこないということ、ありませんか?
英語力を上げるためには語彙力や文法を増やすインプットだけでなく、喋る、そして相手に伝えるというアウトプットが必要なので、4技能を総合的に評価するCEFRは実用的ですね。
4.CEFRのこれから in Japan
ヨーロッパで広く使われていることはお伝えしましたが、日本ではどうなのでしょうか。
現在の日本では、NHKの英語講座のレベル分けに使われています。
HLCAと同様にA0を含めた7段階に分けられており、そのレベルに合わせて講座が作られています。
さらに、今後大学入試の基準としても使われるようになる見通しです!!
文部科学省は、2021年からに大学入試センター試験に代わって「大学入学共通テスト」を実施しています。
センター試験と大学入学共通テスト主な違いは国語と数学に記述式の問題を入れること、そのほかの教科もより思考力や判断力、思考力を評価できるように見直すこと、そして…
英語で「読む」「聞く」「話す」「書く」の4技能を評価するために民間の試験を採用すること、です。
民間の試験とはTOIECや英検、IELTSなどが含まれます。
そしてそれらの民間の試験を比較できるように指標とされるのがCEFRです。
政府によって既に対照表が作られており、これを参照して選抜が行われるそうです。
画像
(引用:文部科学省HP http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/30/03/1402610.htm)
大学入試にCEFRの制度が使われるとなると、ますます認知度も上がりそうです!
しかし、大学入試という人生が決まるシビアな場面で使われるとは、責任重大ですね。
さらに文部科学省の調査によると、公立高校の生徒の97%以上がA1からA2に入ってしまうという結果が出ているため、個人差を見るのが難しいという意見があるそうです。
今後CEFRがどのように活用されていくのか、チェックしていきたいと思います。
5.まとめ
・CEFRとは、言語の習得状況を示す指標として世界的に使われている枠組み ・通常6段階で示されている(HLCAでは7段階) ・日本では今後大学入試の英語に活用されていく見通し