わたしがセブ島で医療英語を教える理由

海仲 由美
公開日:2020.09.14
更新日:2022.03.25

プロフィール

海仲 由美

医療専門の英語学校・看護留学の「HLCA」代表

日本で看護師として就職。

病院での外国人患者との出会いをきっかけに、英語の必要性を感じセブ島へ留学。

フィリピンの医療現場での体験から「医療英語の学習ができる場を提供したい」 「フィリピンの医療職者に雇用を生み出したい」 と思い、医療専門の英語学校・看護留学の 「HLCA」を設立。

現在は学校運営のみならず、医療保健施設視察コーディーネーターや医科大学での通訳などの活動も行なっている。

ごあいさつ

こんにちは。

医療専門の英語学校・看護留学の「HLCA」代表の海仲です。

この度はHLCAの留学にご関心をお寄せいただき、誠にありがとうございます。

わたしは以前日本で看護師として働いていましたが、あることをきっかけにセブ島での語学留学、HLCAの設立を決意しました。

初めの学校がマクタン島(セブ島の、空港がある小さな島)だったため、道端で歩いている動物たち、砂ぼこりの舞う道路、現地の人々・生活すべてに衝撃を受けたことを覚えています。

それと同時にこの島の活気、人々の生きる姿をみてどんどん引き込まれるように魅了されていきました。

わたしは日本で看護師として働いていたため、人の命に向き合ってきて、自分の人生の中でそれなりに経験をしてきたつもりでいたのです。

しかし、セブ島に来たことで、「こうあるべき。○○しなければならない。」というレッテルの中で、いかに生きてきたかに気づかされました。

インターネットでたまたま見つけたフィリピン・セブ島留学が今後のわたしの人生に大きく影響したことは間違いありません。

みなさんにも、このセブ島留学で英語学習以上の体験を得て欲しいと心から思っています。

今医療の現場で働いている方、医療従事者を目指している方は、ぜひ読んでいただけますと幸いです。

ある患者さまとの出会いが、人生を変えた

わたしが「英語を話せるようになりたい」と思ったのは、 ある患者さまとの出会いがきっかけでした。

わたしは以前、ごくごく普通の看護師として日本で働いていました。

その頃は看護師としてのキャリアを積むことに必死。

救急や急性期病棟で夜勤も日勤もバリバリこなし疲れきって帰る日々に、少し息苦しさを感じることもありました。

そんな生活を送っていたある日、勤務中にある出来事が起こりました。

飛行機の中で脳出血を起こした外国人の方が、病院に運ばれてきたのです。

患者さまは緊急手術となりました。

そして、英語を全く話せないわたしがその方の術後を担当することになりました。

その方が手術から目を覚ますと「ここはどこ?」「どうしてベッドで寝ているの?」と不安でいっぱいの様子。

わたしは患者さまを安心させるために「ここは病院だから安心してくださいね」「痛みはどうですか?」などと声をかけたかったのですが、英語がわからず何も話すことができなかったのです。

こんな簡単な英語すらできない自分の無力さを痛感し、すごく悔しい思いをしたのを今でも覚えています。

外国人の患者さまにとっては異国の地で具合が悪くなり、病院に行くだけでも不安になるはずなのに、その上に言葉が通じなければさらに心細くなるはずです。

このようなシーンで、少しでも看護師や医師が“英語”で コミュニケーションができれば、それだけですごく安心してもらえるのではないかと思ったのです。

この経験を通じて「外国人の患者さまにほっとした安心を届けられる人になりたい」という思いが芽生えました。

そして英語を習得するために、留学へ行くことを決意しました。

フィリピンの医療現場でみた現実

外国の患者さまにも安心できる医療を届けたい、と決意したフィリピン・セブ島留学。

そんな留学中でも、さらに医療英語の教育に力を入れたいと思った出来事が2つありました。

それはフィリピンでの「性教育の格差」と「医療現場のレベル格差」です。

まず「性教育の格差」を感じたきっかけは、先生とパートナーとの付き合い方の話をしていたときのことでした。

なんと、女性でも妊娠の仕組みや排卵の知識がなかったのです。

フィリピンの学校では、基礎的な性教育がされていませんでした。

拙い英語の中でジェスチャーを交えながら説明しましたが 「医療英語を学び正確に早く伝えることができたら…」と悔やんだことを覚えています。

そして、留学中にフィリピンのローカル病院に見学へ行ったときの出来事。

意識レベル低下と半身麻酔で運ばれてきた方がいました。

もしこれが日本の救急だったら、すぐに病歴を聞いて、バイタルサインを取って、ルート確保をして…と、急いで処置を行うような患者さまです。

しかしその病院では、その方への対応がものすごくゆっくり。

誰も走らない、医師もすぐに駆けつけない。

このとき「医療現場のレベル格差」を感じました。

わたしはその現場を見て居ても立ってもいられず、「脳疾患が疑われるからすぐに検査して、治療を開始したほうがいい。そうすれば後遺症が軽くなる可能性があるから。だから急いで!」 と伝えようとしました。

しかし、またしても英語で言葉にすることができませんでした。

このとき、医療現場でのコミュニケーションでは日常英会話だけでは不十分で、「医療英語」の知識が必要不可欠だと痛感したのです。

わたしは「医療現場で自分が伝えたいことをしっかり伝えられるようになりたい」と思い、「医療英語」を専門的に学ぶことを決めました。

日本とフィリピンの医療従事者のために 「HLCA」を設立

実際に医療英語を勉強しようと決意したものの、当時、海外で医療英語を気軽に学べるような学校はありませんでした。

あるとしても、看護師資格を取るための学校。

しかし、学費と生活費で500万円もかかるような学校で、とても払える額ではありませんでした。

「もっと気軽に医療英語を学べる場所はないだろうか…」

そう考えているうちに

「日本人の医療従事者が気軽に医療英語を学べる場所を自分で創りたい!」

と思い始めました。

また、医療現場を訪問する中で、フィリピンの医療従事者の収入が不安定だということ知り、その現状を改善したいとも考えていました。

フィリピンでは優秀な医療従事者は、より良い環境を求め欧米に渡ってしまうのが現実です。

「医療経験をもったフィリピン人が、そのバックグラウンドを活かし安定した収入を得ることができる仕組みを作れないのか…」

こうして、

「医療英語を気軽に学べる場所」 「医療経験のあるフィリピン人に安定した雇用を生み出すこと」

この2つを同時に叶えるために、 医療英語専門の語学学校「HLCA」を創設しました。

膨大な時間をかけて作成した実践的カリキュラム

HLCAはフィリピン人パートナーとフィリピン人講師の、たった3人で始まりました。

もちろん、最初から生徒さんが来てくれるなんてことはなかったので、友人や知り合いに声をかけ受講してもらっていました。

テキストも、ゼロから自分たちで作成。

テキストを作るうえで一番重要視していたのは、「医療現場ですぐに使える英語」を学べるカリキュラム。

例えば、問診で既往歴を聞くことを想定し、「今までに大きな病気をしたことはありますか?」 というボキャブラリーから、具体的な病気の話まで聞けるような内容です。

最初は自分のわかる範囲でテキストを作り、徐々に色々な職種の医療従事者の友達から情報収集をして、多職種に対応できるテキストへと強化していきました。

生徒さんが来てくれるようになってからは、それぞれの職種や専門領域に最適化させ、テキストを毎回作成しました。

そうしているうちに、500時間分のテキストができていました。

今ではその膨大なテキストの中から、生徒さんそれぞれの希望にあったものを選び、個別にカリキュラムをカスタマイズさせていただいています。

卒業生の活躍に元気をもらっています

HLCAを開校してから約5年。

今では多くの卒業生を輩出しており、中には海外で働くことになった方もいます。

「夢だった海外就職が決まった」という話を聞くと、とても嬉しい気持ちになります。

中でも、JICAでの派遣が決まった、という生徒さんが一番印象に残っています。

その生徒さんは入学当初から英語が苦手と言っていました。

たしかに、英語は正直、上手ではなかったと思います。

しかし、授業で勉強したことは、必ず校内のミニクリニックで実践し、休日にはボランティア活動での保健指導のために、いつも準備を頑張っていました。

積極的に実践で英語を使う練習をしたからこそ、医療単語や表現を着実に身につけることができたのだと思います。

そして、JICAの派遣が決まった時「HLCAのおかげで合格できました」「JICAでもHLCA での経験が生きています」と言ってくれました。

その言葉をいただいて、心から「この学校を創って良かったな」と思いました。

たくさん苦労をしましたが、自分の努力が報われた瞬間でした。

他にも海外の医療現場に就職した生徒さん、日本国内の外国人対応施設へ就職した生徒さんなど、多くの喜びの声をいただきました。

その方々から「仕事がすごく楽しい」「HLCAにきてよかった」という話を聞くと、本当に嬉しい気持ちになりますし、さらにHLCAをより良い学校にしていきたいと思います。

「医療英語」のもつ可能性

「医療スキル」に加え「英語スキル」を持つということは、医療従事者にとっては 大きな強みになると思います。

なぜなら「医療英語」という他の強みがあれば、仕事の選択肢が大いに広がるからです。

例えばわたしの場合、日本人以外の患者さまを助けることができるようになったり、 セブ島への留学で英語を身につけたことで海外で医療英語学校の設立をしたり、医療保健施設視察コーディネーターの仕事をしたり、医科大学での通訳をしたりなど、仕事の幅が大きく広がりました。

実際にわたしも経験しましたが、自分には看護師しかないと思うと、看護師の仕事で辛くなったときに、本当に切羽が詰まり逃げ場がなくなってしまうことがあるかと思います。

「医療英語」を身につけることで、日本の医療従事者が海外で働く夢を叶えたり、国内でも 生き生きと仕事をしてほしい。

医療英語によって人生が変わった一人として、 そう願っています。

HLCAで医療英語を学びませんか?

医療専門の英語学校・看護留学のHLCAは、医療現場で実際に使われる英語や海外ボランティアを通じ、海外医療の現場について学ぶことができる、セブ島の語学学校です。

「グローバルに活躍できる医療従事者になりたい」 「医療英語を最短で習得したい」 「海外医療現場の経験を積みたい」 という方はぜひ、以下から無料のカウンセリングをご予約ください!

看護師でもあり、現在はHLCA代表としてグローバルに活躍する海仲が、あなたの留学に対する疑問や悩みを解消いたします。

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この記事を書いた人
海仲 由美

医療専門の語学学校HLCA代表。元ナース。現役時代に英語を理由に患者を救えない体験を得て、医療英語を勉強。英会話習得や留学、海外医療ボランティアの相談のっています。