医療英語とは?学ぶ理由・仕事への活かし方・勉強法を徹底解説

miku
公開日:2026.03.17
更新日:2026.03.17
医療英語とは 看護師 学ぶ理由

医療英語とは 看護師 学ぶ理由

「医療英語って、どんな英語なんだろう?」
「看護師として英語を使う場面が増えてきた」
「海外で働いてみたいけど、何から学べばいい?」

この記事を読んでいる方は、それぞれ違うきっかけで医療英語に興味を持ったかもしれません。外国人患者の対応に困った経験、海外就労への憧れ、キャリアアップのための資格取得——いずれの動機であっても、この記事が医療英語学習のハブとして役立てるよう、定義から勉強法・資格・仕事への活かし方まで体系的に解説します。

監修:海仲由美(HLCA代表・看護師)
看護師として臨床経験を積んだ後、医療英語専門スクールHLCAを設立。海外での医療業務経験も持つ。

この記事でわかること

  • 医療英語とは何か(定義・一般英語との3つの違い)
  • 医療英語を学ぶと何ができるか(仕事・キャリア・給与)
  • 医療英語が必要な職種・場面
  • 分野別の基本フレーズ例
  • 資格・試験の一覧(OET・TOEIC・医英検・医療通訳士)
  • 独学 vs スクールの比較

医療英語とは何か

定義

医療英語とは、医療・看護・薬学などの医療現場で使われる専門的な英語の総称です。解剖学・薬理学・臨床手技に関する専門用語(medical terminology)から、患者との日常的なコミュニケーション表現まで、幅広い言語スキルを含みます。

一言で言えば「病院・医療の現場で通用する英語」ですが、その内容は一般英語とは大きく異なります。

一般英語との3つの違い

① 語彙の専門性
医療英語には、ラテン語・ギリシャ語由来の専門用語が大量に含まれます。たとえば「心筋梗塞」は “myocardial infarction”(MI)、「高血圧」は “hypertension” です。これらは一般の英語教育ではほとんど扱われません。

② コミュニケーションの目的
一般英語の目的が「情報を伝える・交流する」であるのに対し、医療英語は患者の安全と信頼関係の構築が目的の核にあります。同じ「説明する」でも、医療現場では「患者が理解できたか」「不安を取り除けたか」まで含まれます。

③ 記録・文書の文体
カルテ記録(SOAP)・看護サマリー・退院サマリーなどの医療文書は、独自の略語と文体を持ちます。”Pt c/o SOB r/t COPD exacerbation” のような表現は、医療英語を学ばなければ解読できません。

医療英語の3つの領域

  • 臨床英語:患者との問診・処置説明・退院指導など、対面コミュニケーションで使う英語
  • 医療文書英語:カルテ・処方箋・検査レポートなど、文書で使う英語
  • 医療通訳英語:医師と患者の間に入り、正確かつ文化的に適切な通訳を行う英語

医療英語 キャリア 仕事 看護師

医療英語を学ぶと何ができるか

仕事・キャリアへの影響

医療英語を習得すると、現在の仕事の質が上がるだけでなく、キャリアの選択肢が大きく広がります

  • 外国人患者への対応が的確にできる(クリニック・観光地近くの病院で需要増加中)
  • 英語加算のある施設でのキャリアアップ
  • 海外就労・国際機関(WHO・NGO等)への転職
  • 医療通訳・医療翻訳・医療ライターとしての副業・転職
  • OET・TOEICなど資格取得による公的証明

英語を活かした看護師の具体的なキャリアについては英語を活かした看護師の仕事・キャリア選択肢で詳しく解説しています。

給与・報酬への影響

医療英語スキルは給与にも直結します。外国人患者対応ができる看護師を積極採用している施設では、英語対応可能者への手当支給・優遇採用が行われているケースがあります。また医療通訳の単価は、一般通訳に比べて高く設定されていることが多く、専門性がそのまま報酬に反映されます。

医療英語が必要な職種・場面

看護師

医療英語の需要が最も大きい職種の一つです。外国人患者の増加に伴い、入院時のインテーク、バイタル測定の説明、処置前の同意取得、退院指導など、あらゆる場面で英語対応が求められる機会が増えています。また、OETを受験して海外就労(オーストラリア・イギリス・カナダ等)を目指す看護師も増加傾向です。

医師

診断結果の説明、治療選択肢のインフォームドコンセント、海外論文の読解・執筆、国際学会でのプレゼンテーションなど、英語を使う機会は多岐にわたります。

薬剤師

服薬指導、副作用・禁忌の説明、添付文書(英語)の読解など。外資系製薬会社や国際調剤業務では、専門的な医薬品英語が必須です。

医療通訳・翻訳者

医師と外国人患者の橋渡しをする医療通訳は、医療知識と高度な英語力の両方が求められる専門職です。医療翻訳は論文・添付文書・患者向け教材など文書の翻訳を担います。医療通訳士の資格については医療通訳士の資格・取り方・収入をご参照ください。

医療英語 フレーズ 診察 処置 記録

医療英語の基礎:分野別に学ぶべき領域

医療英語は大きく3つの分野に分かれ、それぞれ求められるスキルが異なります。自分の職種・目標に合った分野から優先的に学ぶのが効率的です。

診察・問診の英語

患者の主訴を聞き取り、症状・既往歴・服薬歴を確認する英語です。外国人患者対応の最前線で使う領域であり、看護師にとって最も実践頻度が高い分野です。場面別のフレーズは病院での外国人患者対応フレーズ50選で網羅的にまとめています。

処置・検査説明の英語

バイタル測定・採血・心電図・画像検査など、処置ごとに使うフレーズが異なります。たとえば心電図検査だけでも「電極を貼ります」「動かないでください」「痛みはありません」など、検査特有の声かけが20種類以上あります。詳しくは心電図検査の英語説明フレーズ20選をご覧ください。

カルテ記録・医療文書の英語

カルテ(SOAP)・看護サマリー・退院サマリーなどで使われる略語と文体です。「Pt c/o SOB r/t COPD exacerbation」のような記載は、略語の知識なしには解読できません。OET試験のリスニングでもカルテ略語の聴き取りが出題されるため、OETリスニング対策ガイドで頻出略語を確認できます。

各分野の基本フレーズ・単語を体系的にまとめた医療英語フレーズ・単語総まとめもあわせてご活用ください。

医療英語の資格・試験一覧

医療英語に関連する資格・試験の全体像については医療英語の試験・資格 完全ガイドで詳しく解説しています。ここでは主要な4つを概説します。

試験名・対象・特徴 一覧
試験名 対象 特徴 目安スコア・グレード
OET 看護師・医師・薬剤師等 海外医療機関の登録要件として認定。医療ロールプレイ形式のスピーキングが特徴 Bグレード(350点)
TOEIC(医療関連) 全職種 国内での英語力証明として汎用性が高い。医療特化試験ではないが昇格・転職に活用 730〜860点以上
医英検 医師・看護師・薬剤師等 日本医師会が認定する医療英語専門の検定。読解・文書作成に強い 2〜1級
医療通訳士 通訳・翻訳志望者 日本医療通訳協会(JAMI)認定。医療通訳としての実務を証明する 資格認定試験合格

OETの対策についてはOET試験の勉強法とおすすめ参考書、医療通訳士の資格については医療通訳士の資格・取得方法もあわせてご覧ください。

医療英語 勉強法 独学 スクール 比較

効果的な学習方法:独学 vs スクール

独学で学ぶ方法

費用を抑えたい方・まず基礎から試したい方には、独学から始める選択肢があります。

  • 単語帳・参考書:医療英語専門の単語帳(例:「医療英語の基礎」シリーズ)で専門用語を体系的にインプット
  • 英語医療ドラマ:Grey’s Anatomy・ER・House M.D.などは、臨床場面の英語表現をリスニングで自然に習得できる
  • 英語論文・ガイドライン読解:PubMedや各学会の英語ガイドラインを毎日少量読む習慣をつける
  • アプリ:医療英語特化のフレーズアプリや、Ankiを使ったフラッシュカードで単語を繰り返し定着させる

独学の限界:スピーキング・コミュニケーション力は独学では伸ばしにくいのが実情です。特に患者対応の英語は「正確さ」よりも「共感・説明の仕方」が重要であり、フィードバックなしでは誤った方向に習慣化しやすいというリスクがあります。

スクールで学ぶ方法

医療英語専門スクールを選ぶ最大のメリットは、医療現場を知る講師からリアルな臨床英語を学べることです。一般の英会話スクールでは「医療英語のコース」があっても、講師が医療経験を持たないケースがほとんどです。

・独学・医療英語専門スクール 一覧
独学 医療英語専門スクール
費用 低い(参考書代等) 月額〜数万円
スピード 遅い(試行錯誤が多い) 速い(無駄なく学べる)
スピーキング力 伸ばしにくい フィードバックで確実に向上
資格対策 自力でルートを設計 OET等に特化したカリキュラム
継続しやすさ 挫折リスクあり コーチングで継続しやすい

よくある質問(FAQ)

Q: 医療英語は英語が苦手でも学べますか?

A: 学べます。医療英語の学習者の多くは「英語は得意ではないが、医療知識はある」という看護師や医師です。医療の知識があることで、専門用語の意味をゼロから覚える必要がなく、英語での表現に置き換えるだけで進みます。HLCAでも英語初級レベルの医療従事者を多数サポートしてきた実績があります。

Q: 医療英語と一般英語会話の違いは何ですか?

A: 最大の違いは「語彙の専門性」と「コミュニケーションの目的」です。一般英会話では日常表現・ビジネス表現を学びますが、医療英語では解剖学・薬理学・臨床手技に関する専門用語と、患者中心の医療コミュニケーション(インフォームドコンセント・共感表現・教育的説明)を学びます。一般の英会話スクールで医療英語を習得しようとしても、そこに到達するまでに遠回りになることが多いです。

Q: 医療英語を学ぶのに何年かかりますか?

A: 目標によって異なります。「外国人患者と基本的なやり取りができる」レベルであれば、集中的に学習すれば3〜6ヶ月が目安です。「OETでBグレードを取って海外就労する」という目標であれば、現在の英語力にもよりますが1〜2年が一般的なスパンです。まず無料カウンセリングで現在の英語力と目標を確認し、具体的な期間を設定することをおすすめします。

まとめ:医療英語はキャリアを変える専門スキル

医療英語とは、単なる「英語+医療知識」ではありません。患者の安全・信頼・文化的背景を考慮したコミュニケーション能力と、臨床・文書・通訳の3領域にわたる専門知識が統合されたスキルです。

医療英語を学ぶことで、現在の職場での英語対応力が上がるだけでなく、海外就労・医療通訳・翻訳・英語コーチングなど、新しいキャリアへの扉が開きます。資格(OET・医英検・医療通訳士)と組み合わせれば、スキルを公的に証明することも可能です。

「何から始めればよいか」「自分に合った学習方法が知りたい」という方は、まずHLCAの無料カウンセリングをご活用ください。現役の医療英語専門家が、あなたの現状と目標に合わせたプランを無料でご提案します。

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【監修者情報】

監修:海仲 由美(Yumi Uminaka)

HLCA代表/医療英語教育者・カリキュラム開発責任者

医師・看護師・薬剤師など医療従事者向け医療英語教育を専門とし、これまでに延べ3,000名以上の医療従事者への指導・研修を実施。

医療現場で実際に使われる英語表現・患者対応・多職種連携に特化したカリキュラム設計を強みとし、病院・クリニック向け教育プログラムや医療英語教材の開発・監修を多数手がける。

本メディアでは、現場視点と教育専門性の両面から、実践的かつ正確な医療英語情報の監修を行っている。

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この記事を書いた人
miku

看護師として企業勤務を経験後、インドへ。インドで生活をしながら英語を習得し、TOEIC860点に。現在は帰国し、HLCAスタッフとして、カウンセリングを担当するほか、WEBライターとして活動している。