ニュースやSNSで「NGO」という言葉を見かけても、具体的にどんな活動をしているのかは意外と知られていません。「ボランティア団体のことかな」となんとなくのイメージで止まっている方も多いはずです。
この記事では、NGOの活動内容を、分野・収入源・代表的な団体・活動する人の特徴・始め方まで具体例つきで一気に解説します。2026年現在も世界では貧困・環境・人権・医療など多くの課題が残り、NGOが担う役割はますます広がっています。
NGO活動に挑戦してみたい方や、仕組みを基礎から知りたい方は、気になる章から読み進めてください。
この記事でわかること
- NGOとは何か(NPOとの違い)と、活動している分野
- NGOの収入源と、有給・無給の働き方
- 日本で代表的なNGO団体6つと、その活動内容
- NGO活動をする人の特徴・始め方・求められる力
この記事のもくじ
そもそも「NGO」って?

NGOとは「Non-governmental Organization」の略称です。
日本語に直訳すると、非政府組織といいます。
政府じゃないってどういうこと?と思うことでしょう。
これはNGOという言葉が生まれた背景が関係しています。
NGOは、世界の平和と発展を目的に活動する国際連合(国連)の、経済社会活動を調整する機関「経済社会理事会」から生まれた言葉なのです。
各国の政府や国際機関と区別する必要があり、「Non-governmental=政府でない」という意味合いで「NGO」と名付けられました。
似ている「NPO」との違い
NGOと似ている「NPO」。
NGOとNPOの違いについて、よくわからないという人も多いでしょう。
NPOは「Non-Profit Organization」の略称で、直訳すると「非営利組織」。
NGOとNPOのどちらも民間・市民団体で、活動内容に明確な区分けはありません。
違いがあるとすれば、非政府・非営利という言葉の違いと、法人格が必要かどうかです。
日本はNGOの法人格がないため、法人として活動したい場合はNPO法人として登録をします。
また、日本では、国際的な活動をしている団体を「NGO」、国内で福祉活動をする団体を「NPO」と呼んでいます。
しかし、NPOであっても、国内外問わず問題に取り組む団体はたくさん存在します。
NGOはどんな活動をしているの?

NGOは、民間団体や民間人がつくる団体です。
活動内容のポイントは、大きく4つあります。
- 貧困や飢餓、環境などの、世界的な問題が対象
- 政府や企業、国際機関ではなく、民間(非政府)の立場
- 国や民族、宗教などの壁を越えて取り組む
- 利益を目的としていない
NGOの活動範囲は、国内を対象としているものと、国際的な活動をするものの両方があります。
ここでは、活動内容に幅がある、国際協力を行うNGOについて紹介します。
世界中で様々な支援活動をしている
NGOは、世界中で困っている人々を助けるために、各方面で様々な活動をしています。
- 開発:農業指導、保健医療、住まい環境、教育、職業訓練など
- 環境:森林保護、植林、生態系保護、砂漠化防止など
- 人権:こども、ジェンダー、女性、障がい者、少数民族、外国人労働者など
- 平和:平和教育、軍備撤廃、地雷除去支援など
- 健康:災害や紛争の被害者への緊急支援、感染症対策、リハビリテーションなど
- 資金:物資支給、海外の活動現場への資金助成など
- 提言:政策の提言、平和構築、公正な貿易など
- ネットワーク:情報提供、NGO同士での協力体制づくりなど
NGOの活動をみてみると、保健医療やこどもの教育、ジェンダー、女性にまつわる活動が多くみられます。
また、植林や復興支援などの活動も盛んです。
役割でわかれる、NGOの種類
おおくのNGOは、対象分野を専門としています。
- 発展途上国の貧困問題に立ち向かう、国際協力NGO
- 地球の環境問題に対する活動をする、環境NGO
- 平和・人権にまつわる問題に取り組むNGO
NGOの活動は多岐にわたります。
関わっていく問題ごとに役割をもって、それぞれ活動をしているのです。
NGO活動のもととなる収入源

ちょっと気になるのが、NGOのお金にまつわること。
いったいどういう方法で、活動資金を得ているのでしょうか。
NGOの活動資金のもとは、おおきく3つあります。
- 自己財源(会費、寄付含む)
- 受託事業収入
- 助成金
NGOで活動している人たちは、有給・無給どちらのケースもあります。
代表的なNGOと活動内容

ここでまでの解説で、NGO全体の活動や、お金の面について紹介しました。
では、実際にどのようなNGO団体があるのでしょうか。
日本で代表的なNGO団体の名前と、活動内容について紹介します。
この章で紹介する代表的なNGO団体6つを、分野と主な活動でまとめると次のとおりです。
| 団体 | 主な分野 | 活動内容の例 |
|---|---|---|
| 日本赤十字社(JRCS) | 人道支援・医療 | 災害救護、国際救援、献血・血液事業、看護師教育 |
| 日本ユネスコ協会連盟 | 教育・文化 | 世界寺子屋運動、世界遺産の修復、災害後の教育支援 |
| WWFジャパン | 環境保全 | 地球温暖化対策、生態系・野生生物の保護 |
| セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン | こども支援 | 緊急・人道支援、保健・栄養、教育、こどもの保護 |
| アムネスティ・インターナショナル日本 | 人権 | 人権問題の調査、人権教育、政策提言、キャンペーン |
| グリーンピース・ジャパン | 環境保護 | 気候変動・エネルギー問題、海洋生態系の保護 |
日本赤十字社(JRCS)
日本赤十字社(Japanese Red Cross Society=JRCS)は、世界192か国に広がる赤十字団体のひとつです。
第1回ノーベル平和賞受賞者のアンリー・デュナンが提唱した「人の命を尊重し、苦しみの中にいる者は、敵味方の区別なく救う」ことを目的としています。
- 国内災害救護
- 国際活動(緊急時の救援や復興支援、予防活動)
- 赤十字病院
- 看護師教育
- 血液事業(献血、血液製剤の提供)
- 救急法などの講習
- 青少年赤十字
- 社会福祉(地域ボランティアなど)
- 赤十字ボランティア
日本赤十字社の活動は、日本で馴染みがある・想像しやすいところが特徴です。
日本にある赤十字病院も、日本赤十字社の活動のひとつ。
献血などで、「実は日本赤十字社のNGO活動に協力していた」という人もたくさんいます。
日本ユネスコ協会連盟
日本ユネスコ協会連盟は、平和を目指すユネスコ憲章の理念のもと、国際平和・福祉の活動を、国内外で行っている団体です。
- 世界寺子屋運動(学校に行けない人たちへの授業)
- 世界遺産活動(世界遺産の修復)
- 自然災害発生後の教育にまつわる支援
歴史の授業で、「ユネスコ憲章」について習ったことを思いだす人もいるでしょう。
日本ユネスコ協会連盟は、イベントやキャンペーンがたくさんあります。
そのため、NGO活動に挑戦してみたいという人に、関わりが深い団体です。
WWFジャパン(世界自然保護基金ジャパン)
パンダのマークが目印のWWF(World Wide Fund for Nature=世界自然保護基金)は、環境保全を行う団体です。
世界の約100か国で、地球の生物や自然を守る活動をしています。
日本のWWFジャパン(世界自然保護基金ジャパン)は、日本国内だけでなく、日本に関わる国際的な問題に取り組んでいます。
- 地球温暖化を防ぐための調査や、対策発表
- 自然資源を利用し続けられる仕組みづくり
- 野生生物を絶滅から守る
- 森や海などの生態系を守る
自然に興味関心がある人は、WWFの存在を知っていることも多いはず。
WWFの公式サイトでは、頻繁に活動報告があがっています。
環境問題についての知識を深めるためにも、WWFの活動をチェックするといいでしょう。
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(SCJ)
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(SCJ)は、こども支援専門の国際NGO団体です。
日本をふくむ29か国が中心となり、世界の約120か国において、こどもを支援をしています。
戦争・紛争地域のこどもたちを守る活動から、防災、教育などをはじめ、こどもの権利の実現を目指し、活動中です。
- 緊急・人道支援
- 保健・栄養
- 教育
- こどもの保護
- 防災
- こどもの社会参加
セーブ・ザ・チルドレンによると、4人に1人が「こども時代」を過ごす権利が奪われているそう。
さらに、世界で約3億人のこどもたちが、小・中学校に通えていないというデータもあるそうです。
NGO活動をサポートしたいという人は、毎月の寄付から、一回限りの寄付などがあります。
アムネスティ・インターナショナル日本
アムネスティ・インターナショナルは、世界最大の人権NGO団体です。
世界の約150か国に、300万人以上の会員やサポーターが存在します。
支部は50拠点以上あり、アムネスティ・インターナショナル日本もこのうちのひとつ。
世界人権宣言でうたわれている、人権が守られる社会を目指して、様々な活動をしています。
- 人権問題の調査
- 人権侵害を防ぐ・止めるための活動
- 人権教育、キャンペーン、政策提言
過去から現代にわたり、人権に関する問題は尽きません。
アムネスティ・インターナショナルは、世間で話題になっている人権問題から、隠れた部分までの人権保護などに、立ち向かっています。
署名などのキャンペーンもあるため、意外と身近で活動の様子を感じることができるでしょう。
グリーンピース・ジャパン
グリーンピース・ジャパンは、環境保護を中心に活動する、国際環境NGOです。
地球規模の環境問題は、特定の国のみでは解決が困難。
そこで、世界の約55か国で、環境にまつわる問題に取り組んでいます。
- 地球温暖化
- エネルギー問題
- 遺伝子組み換え問題
- 海洋生態系保護
グリーンピースは、世界最大級の製紙会社と10年間の交渉を経て、森林伐採を停止させるなど、様々な活動をしている団体です。
アジア最大の衣料品ブランド会社との間では、有害化学物質の使用・排出の全廃の合意など、精力的な取り組みが目立ちます。
また、東京電力福島第一原発事故の後に、高放射線量地域への避難指示をするなど、国内活動も盛んです。
NGO活動をしている人の特徴

NGOの団体は、世界中にたくさん存在します。
団体の会員になるほか、個人としてサポートする方法など、様々な人がNGO活動を支援しています。
そこで気になるのが、実際に団体に所属して活動している人。
いったいどのような人が、実際にNGO活動をしているのでしょうか。
ここでは、NGO活動をしている人の特徴について、詳しく紹介します。
社会人経験者が多い
NGO活動をする人は、社会人経験がある人がほとんどです。
社会人として働くなかで、なにかしらのスキルを身につけた人が、転職してNGO団体へというパターンが多くあります。
学生のときに、インターンやボランティアなどを通じて、NGO活動に関わる可能性はあるでしょう。
ただ、新卒でNGO団体へというのは、稀なケースです。
高学歴な人が多い
NGO活動をする人は、高学歴な人が多いという調査結果があります。
【NGOで、有給職員として活動する人】 大学学部卒:60% 国内外の大学院修士・博士卒:34% ※専門は国際関係が中心で、ITや建築・家政・栄養・看護・経営・商学・外国語など (引用元:国際協力NGOセンター(JANIC))
時代の変化とともに、NGOが取り組む問題も、どんどん高度になっています。
そのため、専門的な知識を持つ人が求められ、事業を成功へと導く力がより必要とされているのです。
体力・精神力が強い人
NGO活動の現場のおおくは、発展途上国です。
発展途上国でNGO活動をするとなると、住み慣れていない・インフラなどが整備されていない場所での生活が続きます。
そのため、体力はもちろん、精神的な強さが必要になってきます。
NGO活動をする方法

NGO活動を始める方法は、おおきく3つあります。
- NGO団体の公式HPから申し込む
- NGO求人サイトを活用する
- ボランティアがきっかけになる
ほとんどのNGO団体の公式ホームページには、NGO活動をしたい人へ向けたページがあります。
そこから個人的に申し込み、採用となれば、晴れて団体の一員に。
また、採用募集をしているNGO団体をまとめた、NGOの求人サイトがあります。
ほかにも、過去のインターンやボランティアで築いたご縁がきっかけとなり、採用になったというケースもあるようです。
NGO活動をする人に求められる4つのこと

NGO活動をする人には、おおきく4つのことが求められます。
- 体と心の健康
- 相手を気遣う心
- 英語スキル
- 事業を運営するためのスキル
特に国際協力NGOの場合だと、発展途上国などの地域で活動します。
どんな環境でも立ち向かうためにも、健康は第一条件。
思いやりや寄り添う精神といった、相手を気遣う心も大切です。
国を超えての活動となれば、コミュニケーションは英語になることもたくさん。
また、管理側にまわるのであれば、お金や人、モノをコントロールする力も求められます。
NGO活動をしたいという思いを力に、自分に必要なものを見極めて、準備していきましょう。
まとめ:医療英語の知識を身につけてNGO活動に挑戦しよう!

世界中に存在するNGO団体は、国際協力から環境、人権、医療まで幅広い分野で活動しています。
課題が複雑化する2026年も、NGOが担う役割は大きく、活動に挑戦する人への門戸も広がっています。
NGO活動をするためには、健康はもちろん、目的別のスキルが必要になります。
世界中の人たちと接するとなれば、コミュニケーションがすべて英語ということも。
また、国際協力NGOで医療に関わる活動をするとなれば、医療英語の知識も大切です。
HLCAでは、英語とあわせて、医療英語のスキルを効率的に身につけることができます。
英語でスムーズにコミュニケーションができれば、国を超えたNGO活動にも挑戦しやすくなるでしょう。
さらに医療英語がわかるとなれば、発展途上国をはじめとしたボランティア活動の幅も広がります。
興味がある方は、ぜひ一度お気軽にお問い合わせください。
よくある質問
Q. NGOとNPOの違いは?
NGO(Non-Governmental Organization)は非政府組織、NPO(Non-Profit Organization)は非営利組織を指します。一般的にNGOは国際的な活動、NPOは国内の活動で使い分けられることが多いですが、法的な区分は国によって異なります。
Q. NGOで働くには英語力が必要?
国際NGOでは英語は必須です。IELTS 6.5以上が求められることが多く、医療系NGOではさらに医療英語の知識も必要になります。
Q. 学生でもNGO活動に参加できる?
可能です。多くのNGOがインターンシップやボランティアプログラムを通じて学生の参加を受け入れています。夏休み等を利用した短期プログラムもあり、将来のキャリアを考えるきっかけにもなります。
Q. NGOの活動資金はどこから来ているの?
NGOの収入源は大きく「自己財源(会費・寄付)」「受託事業収入」「助成金」の3つです。個人や企業からの寄付に加え、政府や国際機関から事業を受託したり、助成金を受けたりして活動資金をまかなっています。
Q. NGOの活動は有給?それともボランティア(無給)?
両方あります。団体に職員として所属し給与を得て働く人もいれば、ボランティアや会員として無給で支援する人もいます。職員として有給で働く場合は、語学力や専門スキル、社会人経験が求められるケースが多くなります。
Q. 医療や看護に関わるNGOにはどんな団体がある?
日本赤十字社のように医療・救護を担う団体のほか、保健・医療を専門とする国際協力NGOが数多くあります。医療系NGOで活動するには医療英語の知識が役立つため、具体的な団体は国際協力したい看護師必見!医療系NGO9団体総まとめもあわせてご覧ください。
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