HLCAの歯科英語カリキュラムとフィリピンの歯科事情について

HLCA BLOG編集部
公開日:2019.07.03
更新日:2020.02.18

みなさん こんにちは!ハルカ インターンのYuriです。

わたしは日本では歯科衛生士として働いていました。

英語留学はフィリピンのセブ、バギオを経験、その後カナダでフリーボランティアワークやホームステイをしながら、いくつか田舎や都市を回って、女ひとり旅を半年ほどしていました!

英語無縁の生活から、海外に飛び出してトータル1年が過ぎ、現在は自分の資格を生かして医療英語に触れることや、発展途上国のボランティア活動を経験したく、語学学校HLCAのインターンとして働いています。

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医療英語って?

医療英語といってもその範囲はとても広いです。

一般的な医療英語はドクターやナースが病院で使うものと考えると想像しやすいかと思います。

しかし、他にも歯科医、薬剤師、PT(理学療法士)、OT(作業療法士)、放射線技師、言語聴覚士…などなど、医療専門職はいろいろな分野がありますね。

わたしの専門分野も英語を勉強する際には医療英語の中の「歯科英語」という分野になります。

 

HLCAの歯科英語カリキュラム

当校で提供している歯科医療従事者(歯科医、歯科衛生士、歯科アシスタント)向けのカリキュラムについて簡単にご紹介します。

歯科英語の教科書では、主にBasic Dental Anatomy(歯科解剖学)や、歯科に関する病気について(虫歯、歯周病、TMJ)、また、治療で使う道具(Basic Dental Instruments)について英語で学習することができます。

どれも臨床で必要な実践的な内容がほとんどです。

わたしは歯科衛生士ですが、難しいと感じる単語はたくさん出てきます!

ただ、勉強する内容自体はBasicとなっているように、そこまで難しくなく、もともと日本で勉強し、経験した知識をもとに、それを英語で復習するといった感じです。

なので、歯科助手さんでも、日本での経験があると理解していただける内容かと思います。

カリキュラムはレベル別に組んであり、その人専用にテキストも用意されるので、それよりもハイレベルに挑戦したい方は、それも可能です!

他の医療職も同じように、カリキュラムやテキストはその方の職種専用で用意されています。

わたしの専門が歯科分野になるので、歯科英語は馴染みのある単語があったり、推測ができることもあるのですが、他の分野の医療英語は単語からまったく理解できないことも多くあります。

なので、フィリピンの病院に行っても、わからないことがたくさんあったりして、本当に医療英語って難しいなと感じます。

医療通訳を目指すとなると、さらに幅広い知識が必要になることがよくわかります。

 

歯科衛生士って英語で何という?

歯科衛生士は英語でDental Hygienistといいます。

知っている方はご存知の通り、業界ではDHとよく呼んでいますね。

DHの業務内容は国によっても違ったり、そもそもDHというポジションがない国もあったりします。

フィリピンもそのひとつです。

なので、セブでI’m a dental hygienist.と言っても、「それってどんなお仕事?」と聞かれることも多くあり、この職業が浸透していないことがわかります。

そのため、フィリピンでは主に歯科医とアシスタントで治療を進めていきます。

フィリピン人の歯科医が

「スケーリング(歯石取り)や検診、歯磨き指導もここではすべて歯科医がするんだよ!だから忙しいの。フィリピンでも歯科衛生士の資格ができるといいと思ってる。」

とお話してくれました。

日本では、歯科医が治療をして、検診や歯のクリーニングは歯科衛生士、歯科助手はアシスタントや消毒・滅菌、受付スタッフは電話対応やアポ取り、と分業かつ業務の連携化が以前よりも進んでいますよね!

このような違いが知れるのも、海外で生活していて、興味深いなと感じられることのひとつです。

 

ボランティア活動

わたしはセブでいくつかの歯科ボランティア活動に参加しています。

スラム地区や離島に訪問して、歯科衛生指導や歯磨き指導のプレゼンをしたり、セブシティ、またラプラプにある離島のカオハガン島で、日本からの歯科ボランティア団体が訪れる際にデンタルミッションに参加させていただいたこともありました。

実際にここに住む人々の口腔内を見て、お話に聞いていたように、あまり歯医者には行かないので、歯石や虫歯が多く、予防歯科の大切さを改めて感じました。

フィリピン人があまり歯医者に行かない理由としては、やはりお金がかかるということ。

歯医者に行くお金があれば、おいしいものが食べたい、服が欲しい。

あとは、日本人と同じように、歯医者は「痛いこと・怖いこと」というイメージが浸透していて、自ら好んでは行かないとのこと。

何か問題が起きて、自分でどうしようもできなくなったら歯医者に駆け込むそうです。

でも、どうでしょう?歯ブラシ1本で正しい歯磨きができて、虫歯や歯周病を予防できたら?歯医者で治療にお金がかかることは減るし、健康な歯を保てたら毎日の食事が快適です。

おいしいと感じれて、食事が楽しみになって、それだけでも幸福度が上がりますよね。

正確にいうと、歯ブラシ1本では完全な歯磨きは出来ず、フロスや歯間ブラシなど、歯間部(歯と歯の間)の清掃も必要なのですが…、でも、とにかく基本の歯磨きは大切です!

スラム地区に訪問した際には、ある家族から、「わたしたち家族は、石鹸で手は洗うけど、歯磨きはしていない。歯ブラシを持っていないからねぇ。」とお話を聞いたことがありました。

歯磨きがあたりまえの習慣となっている自分たちからすると、本当かな?と思うことも、貧困地区では、みんなが歯ブラシを持っているわけではなかったり、持っていても同じものを長い間使ったり、そもそもの歯磨きの重要性、健康の重要性にまず気づけていなかったりしているという現状を知りました。

口腔環境は、食事や発音、体の健康にも影響するので、健康な口腔環境を維持することができたら、生活の質も変わると感じます。

ボランティアで歯科衛生指導をする時に、日本で寄付を募って持ってきた歯ブラシや、使わずに保管されていた歯ブラシを現地の人に配ったりもしています。毎回、寄付の歯ブラシは大人気で、子どもたちもとっても喜んでくれるので、ひとりでも多くの人に歯ブラシが渡り、毎日のブラッシングが習慣化されるといいなと思います。

そして、もちろん、歯ブラシを渡すことだけではなく、正しい使い方を知ってもらい、予防の重要性に気づいてもらえるように、保健活動を同時にすることが大切だと思います。

少しでも、わたしができるお手伝い、また、歯科衛生士としての活動がここにいる間にできるといいなと思い、残りのHLCAインターンとセブ生活頑張りたいと思います!

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