「OETって何?IELTSと何が違うの?」——海外で医療職として働くことを目指す看護師・医師にとって、OETは避けて通れない英語試験です。
OET(Occupational English Test)は、医療従事者に特化した英語4技能試験。オーストラリア、ニュージーランド、イギリスなど多くの国で、医療従事者の英語力証明として公式に認められています。
この記事では、OETの試験構成・対象職種・スコア基準・受験方法・効率的な勉強法まで、2026年最新の情報を網羅的に解説します。「OET とは」何かを正しく理解し、海外キャリアへの第一歩を踏み出しましょう。
この記事のもくじ
OETとは?医療従事者専用の英語試験

OET(Occupational English Test)は、医療従事者の英語コミュニケーション能力を測定するために設計された国際的な英語試験です。
一般的な英語試験であるIELTSやTOEFLが「アカデミック英語」や「日常英語」を測定するのに対し、OETは医療現場で実際に使われる英語力を直接評価します。たとえば、患者への問診、同僚への申し送り、紹介状の作成といった、現場で不可欠なスキルが出題されます。
OETは2018年以降、世界中の医療機関・教育機関・政府機関での採用が急速に拡大しており、現在は40カ国以上で認められている権威ある試験です。日本人の受験者も年々増加しており、特に海外で看護師や医師として働きたい方にとって、OETは最も実践的な選択肢となっています。
IELTSとの最大の違いは、出題内容がすべて医療シーンであること。医療従事者であれば日常的に馴染みのある内容が扱われるため、一般的な英語試験よりも実力を発揮しやすいというメリットがあります。
OETの試験構成|4つのサブテストを解説

OET試験は、Listening・Reading・Writing・Speakingの4技能で構成されています。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
Listening(約50分)
医療コンサルテーション(患者と医療従事者の会話)や、医療に関する講義の音声を聞き取るテストです。Part A(患者との会話メモ取り)とPart B・C(多肢選択問題)で構成されます。全職種共通の出題内容です。
Reading(60分)
医療関連の論文や記事を読解するテストです。短文の読解問題と長文の精読問題に分かれます。こちらも全職種共通で、エビデンスベースの医療テキストを正確に理解する力が問われます。
Writing(45分)
紹介状(referral letter)、退院サマリー、転院レターなど、職種別のシナリオに基づいて医療文書を作成します。看護師なら看護師のケースノート、医師なら医師のケースノートが与えられ、それをもとに適切な文書を書きます。
Speaking(約20分)
試験官を患者役としてロールプレイ形式で行います。職種別にシナリオが異なり、看護師であれば術後の患者への説明、医師であれば診断結果の伝え方など、実践的な場面設定です。
特に注目すべきは、WritingとSpeakingが職種ごとに異なる出題内容である点です。自分の専門分野に直結した問題が出されるため、医療現場での実務経験がそのまま試験対策に活きます。
OETの対象職種|12の医療職種に対応

OETは以下の12の医療専門職種に対応しています。
- 医師(Medicine)
- 看護師(Nursing)
- 歯科医師(Dentistry)
- 薬剤師(Pharmacy)
- 理学療法士(Physiotherapy)
- 作業療法士(Occupational Therapy)
- 言語聴覚士(Speech Pathology)
- 放射線技師(Radiography)
- 獣医師(Veterinary Science)
- 検眼士(Optometry)
- 栄養士(Dietetics)
- 足病医(Podiatry)
日本人受験者の大半は看護師(Nursing)と医師(Medicine)です。受験申し込み時に自分の職種を選択すると、WritingとSpeakingの問題がその職種専用の内容で出題されます。
なお、上記以外の職種(たとえば臨床検査技師や救急救命士など)の方は、最も近い職種を選ぶか、IELTSなど他の試験を検討する必要があります。
OETスコアの見方と合格基準

OETのスコアはA〜Eの5段階で評価されます。各グレードのIELTS換算の目安は以下の通りです。
| OETグレード | IELTS換算(目安) | レベル |
|---|---|---|
| A | 8.0〜9.0 | ネイティブに近い高度な運用力 |
| B | 7.0〜7.5 | 医療現場で十分なコミュニケーション力 |
| C+ | 6.5 | 一定の対応力はあるが改善が必要 |
| C | 6.0 | 基本的な対応は可能だが限界がある |
| D | 5.0〜5.5 | 医療現場での運用に不十分 |
| E | 4.0以下 | 基礎的な英語力が不足 |
多くの国で求められる合格基準はBグレード(IELTS 7.0相当)です。ただし、国や職種によって要求されるスコアは異なります。
2023年以降、OETのスコアレポートにはサブテストごとのグレードに加え、数値スコア(0〜500)も併記されるようになりました。これにより、自分の弱点分野をより正確に把握できます。350点以上がBグレード相当です。
スコアの有効期限は2年間です。海外での就職・資格登録申請時にはスコアの有効期限にご注意ください。
OETが必要な国・場面

OETは以下の国・機関で公式に英語力の証明として認められています。
オーストラリア(AHPRA登録)
看護師・医師ともにBグレード以上が必要です。AHPRA(Australian Health Practitioner Regulation Agency)は、OETをIELTSと同等の英語試験として認定しています。
ニュージーランド(Nursing Council)
看護師はBグレード以上が求められます。Nursing Council of New Zealandが正式に認定済みです。
イギリス(NMC / GMC)
看護師(NMC)・医師(GMC)ともにBグレード以上。イギリスでの医療従事者登録には、OETまたはIELTSのスコア提出が必須です。
アメリカ
一部の州や病院でOETスコアが認められています。ただし、全米統一の基準ではないため、希望する就労先に個別確認が必要です。
その他の国・地域
シンガポール、ドバイ(UAE)、アイルランドなどでもOETの認定が拡大中です。
IELTSの代替としてOETを選ぶメリットは明確です。出題内容がすべて医療シーンであるため、医療従事者にとっては馴染みのあるトピックで実力を発揮しやすく、結果としてより高いスコアを取得できる可能性があります。特に看護師のIELTS対策に苦戦している方は、OETへの切り替えを検討する価値があるでしょう。
OETの受験方法と費用

受験方法は2つ
OETにはテストセンター受験とOET@Home(自宅受験)の2つの受験方法があります。
テストセンターは世界各地に設置されていますが、日本国内にはテストセンターがないため、日本在住の方はOET@Homeを利用するのが一般的です。自宅のパソコンとインターネット環境があれば受験可能で、試験内容・評価基準はテストセンター受験と同一です。
受験料
OETの受験料はUSD 587程度(2026年時点)です。為替レートによって変動しますが、日本円で約9万円前後が目安になります。サブテスト単位での再受験も可能で、その場合は1科目あたりUSD 247程度です。
試験頻度と結果発表
OETはほぼ毎月開催されており、年間を通じて受験機会が豊富です。結果は約16営業日で発表されます。公式サイトのマイページから確認できます。
OET対策の効率的な勉強法

OETで目標スコアを達成するための、効率的な勉強ステップをご紹介します。
Step 1:OET公式サンプル問題で現状把握
まずはOET公式サイトで無料公開されているサンプル問題を解き、自分の現在のレベルを把握しましょう。4技能のうちどこが弱点かを明確にすることで、対策の優先順位が見えてきます。
Step 2:医療英語の基礎固め
OETに頻出する医療英語の語彙・フレーズを体系的にインプットします。解剖学用語、症状の表現、患者への指示表現など、医療現場で使われる英語の土台を固めることが重要です。
Step 3:セクション別対策
特にWritingとSpeakingは職種別の練習が必須です。
- Writing:紹介状の書き方、構成、適切なトーンを繰り返し練習。ケースノートの情報をどう取捨選択するかが鍵です
- Speaking:ロールプレイ形式に慣れること。患者への共感表現、情報提供の構造化がポイントです
- Listening:医療音声への耳慣れと、効率的なメモ取りスキルを磨きます。詳しくはOETリスニング対策の記事もご覧ください
- Reading:時間配分を意識した読解練習が重要です
OETスピーキング対策やOET勉強法の記事でも詳しく解説していますので、あわせてご活用ください。
Step 4:模擬試験とフィードバック
OET公式の模擬試験や対策教材で本番形式の練習を積みましょう。特にWritingとSpeakingは第三者からのフィードバックが上達の近道です。独学では自分の弱点に気づきにくいため、専門講師に添削・指導を受けることで効率的にスコアアップが見込めます。
医師の方には医師のOET対策ガイドの記事も参考になります。
HLCAでOET対策を学ぶメリット

HLCA(ハルカ)は、医療英語に特化した語学学校です。OET対策においても、以下のような強みがあります。
医療バックグラウンドを持つ講師がOET指導
HLCAの講師は全員、医療系の四大学卒業者または医療の国家資格保持者です。OETの出題内容を深く理解した講師が、単なる英語指導ではなく医療コミュニケーションとして指導します。
Writing添削・Speaking模擬練習が充実
OETで特にスコアが伸びにくいWritingとSpeakingを重点的にカバー。紹介状の添削、ロールプレイの模擬練習を繰り返し行い、本番で確実にBグレード以上を取れる実力を養います。
セブ島留学とオンラインの2つの学び方
短期間で集中的に学びたい方にはセブ島留学(1日7コマのマンツーマン+グループレッスン)、仕事を続けながら学びたい方にはオンラインレッスンと、ライフスタイルに合わせた学習が可能です。
OET Bグレード取得から海外就職の実績
HLCA卒業生の中には、OETでBグレードを取得し、オーストラリアやイギリスで看護師・医師として活躍している方が多数います。試験対策だけでなく、海外就職・キャリアサポートまで一貫して支援しています。
まとめ
OETは、医療従事者が海外で働くために最も実践的な英語試験です。この記事のポイントをまとめます。
- OETは医療従事者に特化した英語4技能試験で、12の職種に対応
- 出題内容がすべて医療シーンのため、IELTSより実力を発揮しやすい
- Bグレード(IELTS 7.0相当)が多くの国で求められる合格基準
- OET@Homeで日本からも受験可能、受験料はUSD 587程度
- WritingとSpeakingは職種別対策と専門講師のフィードバックが鍵
海外医療キャリアを目指すなら、早めのOET対策開始が成功の鍵です。まずは公式サンプル問題で現在地を確認し、計画的に学習を進めましょう。




