「看護師の経験を活かしながら、場所や時間に縛られずに働きたい」「英語を使った仕事に興味があるけど、何から始めればいいかわからない」——そんな看護師の方に知ってほしいのが、医療英語×フリーランスという選択肢です。
看護師の臨床経験と英語力を組み合わせると、医療翻訳・メディカルライター・医療通訳といった専門性の高いフリーランス案件に参入できます。一般の翻訳者やライターにはない「現場を知っている」強みが、そのまま競争優位になります。
この記事では、フリーランス看護師が英語スキルで稼ぐための具体的な仕事内容・案件の探し方・収入の目安・必要な英語力まで解説します(2026年3月時点の情報)。
この記事の概要
- フリーランス看護師が英語で稼げる仕事3選(医療翻訳・ライター・通訳)
- 各仕事の収入目安と必要な英語力
- 案件の探し方(プラットフォーム・翻訳会社・直接営業)
- 看護師の臨床経験がなぜ「武器」になるのか
- 副業から始めるステップ
この記事のもくじ
フリーランス看護師が英語で稼げる仕事3選

看護師×英語のフリーランスは、大きく3つの領域に分かれます。いずれも「医療の知識がある人」が圧倒的に有利な市場です。
1. 医療翻訳(メディカルトランスレーション)
製薬会社・CRO(医薬品開発受託機関)・医療機器メーカーが発注する翻訳案件です。治験関連文書(プロトコル・症例報告書)、添付文書、医療機器マニュアル、患者向け説明資料などが主な対象です。
看護師が有利な理由:一般の翻訳者は医学用語を辞書で引きながら訳しますが、看護師は臨床で使っている用語をそのまま理解できます。「バイタルサイン」「インフォームドコンセント」「退院サマリー」——これらの概念を実体験として知っていることが、翻訳の正確さとスピードに直結します。
2. メディカルライター
医療・健康に関する記事やコンテンツを執筆する仕事です。医療メディア、製薬会社のオウンドメディア、病院のウェブサイト、患者向け教育資材などが主なクライアントです。
英語が活きる場面:英語の医学論文やガイドラインを読んで日本語記事の根拠にする「リサーチ力」、海外の最新医療トレンドを紹介する記事の執筆、英語で直接記事を書く案件(海外メディア向け)など。英語ができるメディカルライターは希少で、単価が高くなります。
3. 医療通訳(フリーランス)
病院やクリニックで外国人患者と医療者の間に入り、通訳を行う仕事です。常勤ではなくスポット(単発)で依頼されることが多く、フリーランスとして複数の医療機関と契約する働き方が可能です。
オンライン通訳の拡大:近年はビデオ通話での遠隔医療通訳の需要も増えており、在宅で対応できる案件も出てきています。医療通訳の資格取得については医療通訳になるには?資格一覧・勉強法で詳しく解説しています。
収入の目安と必要な英語力

| 仕事 | 単価 | 月収目安(副業) | 月収目安(専業) | 必要な英語力 |
|---|---|---|---|---|
| 医療翻訳(英→日) | 8〜15円/ワード | 5〜10万円 | 20〜40万円 | TOEIC 800〜 / 医学論文を読めるレベル |
| 医療翻訳(日→英) | 12〜20円/ワード | 8〜15万円 | 30〜50万円 | TOEIC 900〜 / ネイティブチェック不要レベル |
| メディカルライター(日本語) | 3〜10円/文字 | 3〜8万円 | 15〜30万円 | 英語論文リサーチができるレベル |
| メディカルライター(英語) | 10〜30円/ワード | 8〜15万円 | 25〜50万円 | IELTS 7.0〜 / 英語でのライティング力 |
| 医療通訳(対面) | 3,000〜8,000円/時間 | 3〜10万円 | 15〜30万円 | OET B〜 / 医療通訳技能認定 |
| 医療通訳(オンライン) | 2,000〜5,000円/時間 | 2〜6万円 | 10〜20万円 | 同上 |
副業として月5〜10万円を目指す場合、医療翻訳(英→日)が最も始めやすい選択肢です。看護師の本業を続けながら、週末や夜勤明けの時間を使って月3〜5本の翻訳案件をこなすイメージです。
案件の探し方
1. クラウドソーシングプラットフォーム
最も手軽に始められるルートです。
- ランサーズ / クラウドワークス:日本最大級。「医療翻訳」「メディカルライター」で検索すると案件が見つかる。初心者でも実績を積みやすい
- Upwork:英語のグローバルプラットフォーム。医療翻訳(Japanese-English)案件が豊富。単価が高い傾向
- Gengo / Translated:翻訳特化型プラットフォーム。登録テストに合格すれば継続的に案件が来る
2. 翻訳会社への登録
安定した案件量を確保するなら、医薬翻訳を扱う翻訳会社への登録が効果的です。
- サン・フレア / 翻訳センター / フォーカルポイント:大手翻訳会社。フリーランス翻訳者の登録を常時受付。トライアル(試験翻訳)に合格すれば登録
- JTF(日本翻訳連盟)の求人サイトで医薬翻訳の案件を探す
- 「看護師資格あり」とプロフィールに明記すると、医療系案件を優先的に紹介されやすい
3. 直接営業・紹介
最も単価が高いのは直接クライアントと契約するパターンです。
- 製薬会社のメディカルアフェアーズ部門への直接提案
- 医療メディアへのライター応募(看護roo!・ナースときどき女子等)
- 医療通訳エージェントへの登録(サイマル・インターグループ等)
- X(旧Twitter)やnoteでの情報発信から案件獲得
在宅でできる看護師の仕事をもっと知りたい方は看護師が在宅でできる仕事7選もあわせてご覧ください。
副業から始める5つのステップ

いきなり独立するのではなく、看護師の仕事を続けながら副業で始めるのが現実的です。
Step 1:医療英語の基礎を固める
臨床で使う医療英語と翻訳で使う医療英語は微妙に異なります。翻訳では文書特有の表現(SOAP記録・治験プロトコルの定型文・添付文書のフォーマット等)も知っておく必要があります。まず医療英語の基礎を体系的に学び、自分の得意分野(看護記録・患者説明・検査関連等)を明確にしましょう。
Step 2:翻訳スキルを学ぶ
英語力だけでは翻訳はできません。「翻訳技術」(訳文の自然さ・専門用語の統一・スタイルガイド遵守等)を学ぶ必要があります。日本翻訳連盟のセミナーや、医薬翻訳の通信講座(フェロー・アカデミー等)を活用するのが効率的です。
Step 3:クラウドソーシングで最初の実績をつくる
ランサーズやクラウドワークスで「医療翻訳」「健康記事ライティング」の小さな案件を受注し、評価を積みます。最初は単価が低くても、実績と評価が蓄積されれば次第に高単価案件にアクセスできるようになります。
Step 4:翻訳会社に登録する
3〜5件の実績ができたら、翻訳会社のトライアル(試験翻訳)に挑戦します。看護師資格と実務翻訳実績をアピールすることで、医薬系の専門翻訳者として登録されやすくなります。
Step 5:得意分野を絞り、単価を上げる
「治験関連文書が得意」「患者向け説明資料が得意」「看護系の臨床論文が得意」のように専門を絞ることで、そのジャンルでの指名が増え、単価交渉もしやすくなります。
英語を活かした看護師のキャリアの全体像については英語を活かした看護師の仕事15選もご参照ください。
よくある質問(FAQ)
Q: 看護師の英語力がTOEIC 600点台でも医療翻訳は始められますか?
A: TOEIC 600点台ではまだ英→日翻訳のスタートラインに届いていません。目安としてTOEIC 800点以上、あるいは英語の医学論文を辞書なしで概要が掴めるレベルが必要です。まずは医療英語の語彙と読解力を集中的に強化してから翻訳に取り組むのが効率的です。
Q: メディカルライターに翻訳スキルは必要ですか?
A: 日本語のメディカルライターには翻訳スキルは必須ではありません。ただし、英語の医学論文やガイドラインをリサーチソースとして読む力があれば、エビデンスに基づいた記事が書けるため単価が上がります。「翻訳はハードルが高いが英語は読める」という方はメディカルライターから始めるのがおすすめです。
Q: 医療翻訳で独立するまでにどのくらいかかりますか?
A: 副業で始めて専業化するまでの目安は1〜2年です。最初の半年は医療英語と翻訳技術の学習に充て、次の半年で実績を積み、1年後から翻訳会社への登録を本格化し、安定して月20万円以上の案件が確保できた段階で独立を検討するのが安全です。
まとめ:看護師×英語のフリーランスは「参入障壁が高い=チャンス」
フリーランス看護師が英語スキルで稼ぐ方法をまとめます。
- 医療翻訳は最も安定した収入源。英→日で月5〜10万円(副業)から始められる
- メディカルライターは翻訳よりハードルが低く、英語リサーチ力があれば参入可能
- 医療通訳は対面・オンラインの両方で需要増加中
- いずれも「看護師の臨床経験」が最大の差別化ポイント
- 副業から始め、1〜2年かけて専業化するのが安全なルート
参入障壁が高いからこそ、一度入ってしまえば競合が少なく安定して稼げます。その障壁の核は「医療英語力」です。HLCAでは看護師・医師向けに、臨床英語から医療文書英語まで体系的に学べるコースを提供しています。フリーランスとしての第一歩を踏み出すために、まずは無料カウンセリングで今の英語力と目標を整理してみてください。
監修:海仲 由美(Yumi Uminaka)
HLCA代表/医療英語教育者・カリキュラム開発責任者
医師・看護師・薬剤師など医療従事者向け医療英語教育を専門とし、これまでに延べ3,000名以上の医療従事者への指導・研修を実施。
医療現場で実際に使われる英語表現・患者対応・多職種連携に特化したカリキュラム設計を強みとし、病院・クリニック向け教育プログラムや医療英語教材の開発・監修を多数手がける。
本メディアでは、現場視点と教育専門性の両面から、実践的かつ正確な医療英語情報の監修を行っている。




